教わったシリーズ⑦ドラマから教わった、無いなら作る話
〇〇係から逃げたら、文化が生まれた
小さい頃に『冒険野郎マクガイバー』という海外ドラマがテレビで放映されていて、父の影響で私もよく観ていました。
ざっくり言うと、毎回主人公のマクガイバーが何らかの事件に巻き込まれてピンチになるのですが、ちょっと何かをくっつけたい時に噛んでいたガムを使うとか、腕時計の中から部品を取り出してスイッチを作るとか…
とにかく科学的な知識とかアイデアで、ピンチを切り抜けていくというものです。
いかにもうちの父が好きそうなドラマではありませんか。
細かい話は覚えていませんが、何も無いところから何かを作り出したりアレンジする面白さは、このドラマから教わりました。
小学校にはクラス単位で「〇〇係」と呼ばれるものがあって、半年に一度、係を決めることになっていました。
「いきもの係」なら教室で育てているメダカの世話をする、とか
「落とし物係」なら毎週教室の落とし物を整理して所有者を探す、とか
そういったものです。
どの係も正直、やりたくありませんでした。
係の仕事はどれも面倒で面白くありません。
私は空想が好きな子だったので、事務的なことがそもそも苦手だし、続けられそうな事といったら自由帳に漫画を描くくらいの事でした。
そんなときに、思いついてしまったのです。
面倒な「係」から逃げる方法を。
「『まんが係』を作ったらいいと思います」
係を決める日に、思い切って提案してみました。
その時の担任はちょっと怖い先生だったので、怒られたら諦めるつもりだったのですが、すんなり意見は通りました。
なぜなら
「その係ならやりたい」
と、積極的に手を挙げる生徒がたくさん現れたからです。
まんが係の仕事は、漫画を描くことです。
係の皆がそれぞれ描いた漫画を週1回集め、ホッチキスで留めて雑誌にします。それを教室の本棚に置くのです。
小学校の図書館には教育用の学習漫画しかありませんでしたし、家にある自分の漫画を持ち込むことは禁止されていたので、校内で堂々と読める漫画は、まんが係の作る雑誌のみです。
あっという間にそれは人気になりました。
描く方は大変ですが、漫画に飢えている読者はクラスにたくさんいますし、感想なんかももらえます。
続きが楽しみだと言われると、絵が下手でも皆あまり気にしませんでした。
私が小学校を卒業する頃には、まんが係の存在は他クラスはもちろん下級生にも引き継がれていて、校内では「いきもの係」と同じくらいメジャーな係になっていました。
めちゃくちゃ小さな規模の話ではありますが、小学校に爪痕を残したと、今は勝手に思っています。
●科学的じゃなくてもいい、無いなら作ってみる
