育児介護休業規定を理解してみよう 3
鹿児島で社労士をしています原田です。
厚労省モデル育児介護休業規定を使って、育児介護休業等の規定を理解しようと考えます。
イラストはChat-GPTで「育児介護休業規定を学ぶ夫婦」だって。
こんな夫婦いないだろ。いや、夫婦で社労士ならいるかも。
まだ第2条です。なんと今回も第2条は終わりません。
もしかしてヤバいものに手を出したかもしれない。
第2条(育児休業の対象者)の続き 読み替え第4項~
4 次のいずれにも該当する従業員は、子が 1 歳 6 か月に達するまでの間で必要な日数について育児休業をすることができる。なお、育児休業を開始しようとする日は、原則として子の 1 歳の誕生日に限るものとする。ただし、配偶者が育児・介護休業法第 5 条第 3 項(本項)に基づく休業を子の 1
歳の誕生日から開始する場合は、配偶者の育児休業終了予定日の翌日以前の日を開始日とすることができる。
一 従業員又は配偶者が原則として子の 1 歳の誕生日の前日に育児休業をしていること
二 次のいずれかの事情があること
イ 保育所等に入所を希望しているが、入所できない場合
ロ 従業員の配偶者であって育児休業の対象となる子の親であり、1 歳以降育児に当たる予定であった者が、死亡、負傷、疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合
三 子の 1 歳の誕生日以降に本項の休業をしたことがないこと
前回はパパママ育休プラスでした。今回は育休延長です。4項はモデルで3項の部分を読み替えています。
しかし文面に「延長」を意味する言葉はありません。つまり1歳までの育休の延長ではなく、1歳から別の育休が始まったことになります。
わかりにくいので便宜上「延長した育休」とここでは呼ぶことにします。
こんな言い方をするのはここだけなので、知ったかぶりして使っても、労働局でも社労士事務所でも通じないですよ。
次のいずれにも該当する従業員は、子が 1 歳 6 か月に達するまでの間で必要な日数について育児休業をすることができる。なお、育児休業を開始しようとする日は、原則として子の 1 歳の誕生日に限るものとする
条件に当てはまっていれば、1歳6カ月まで延長の育休開始です。
それは1歳の誕生日から開始です。
ただし、配偶者が育児・介護休業法第 5 条第 3 項(本項)に基づく休業を子の 1歳の誕生日から開始する場合は、配偶者の育児休業終了予定日の翌日以前の日を開始日とすることができる。
育児・介護休業法第 5 条第 3 項は、この育休延長に関する条文です。
なぜ法令条文になっているのか?それは配偶者が異なる企業で就労している場合に延長の育休を取る場合は、配偶者の企業で制度をどう定めているかが分からないからです(要件緩和の可能性がありえる)。
法文に基づく育休であれば、同じ趣旨の育休を配偶者が取得した時という意味にしか取れないので、他の書き方よりも確かな文言になります。
配偶者が延長の育休を取る場合は、従業員の方はひとまず職場復帰をして、配偶者の育休が終わる頃に再度育休を始めることもできる
というニュアンスを入れたいわけです。正確にはこれだと違う解釈ができるので、あくまでニュアンスだよ。
次に延長の育休の条件です
一 従業員又は配偶者が原則として子の 1 歳の誕生日の前日に育児休業をしていること
さすがに育休が夫婦ともに終わって職場復帰できてたら延長しないよね。ということで終了です。そのため夫婦のどちらかが、子どもが1歳になるまでは育休してないと延長はできません。法令通りです。
モデル解説にもありますが、「原則として」と書いてあるのは、次の(ロ)の事情で育休せざるを得なくなった場合のことです。
二 次のいずれかの事情があること
イ 保育所等に入所を希望しているが、入所できない場合
ロ 従業員の配偶者であって育児休業の対象となる子の親であり、1 歳以降育児に当たる予定であった者が、死亡、負傷、疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合
広く知れ渡っているとは思いますが、「イ」が一番多いので大事。保育園に入所希望したのに入れないという条件が無いと無理。
「ロ」は配偶者が育児をする予定だったので、延長予定では無かった方が、育児休業をとらざるをえなくなった場合です。
死亡・負傷・疾病が原因なら、人としてこれは認めてあげたいと思うでしょう。だからOKになっています。
三 子の 1 歳の誕生日以降に本項の休業をしたことがないこと
何言ってんの?と思った方がいるでしょう。
前に遡って確認しましょう。
1歳と同時に延長の育休を始める方もいれば、配偶者の延長の育休が終わった後で始める方もいました。
これは配偶者ともう一回交代するはダメと言っているのです。
1歳の日~ 従業員育休開始
1歳2月~ 配偶者育休で、従業員復帰
1歳4月~ 配偶者育休終了で、従業員再度育休へ → これはダメ
という意味です。
これがあるから1歳までの育休と1歳~1歳6月までの育休を分けたんですね。1歳までの育休は2分割できるので、ここで分けておかないと記載が超難しくなります。
第5項です
5 前項にかかわらず、産前・産後休業、出生時育児休業、介護休業又は新たな育児休業が始まったことにより本条第 1 項又は第 4 項に基づく休業(配偶者の死亡等特別な事情による休業を含む)が終了し、終了事由である産前・産後休業等に係る子又は介護休業に係る対象家族が死亡等した従業員
は、子が 1 歳 6 か月に達するまでの間で必要な日数について育児休業をすることができる。
第4項は元々第3項。モデルをコピペする方は要注意です。
レアケースを救済する規定です。該当者が少ないのであまり注目されない部分ですが、参考になるのは、厚労省 Q&A~育児休業等給付~ のQ15
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158500.html#Q15
こちらは転載しませんが、どういうことかをざっくり説明します。
育休中の子が1歳~1歳6カ月の間の出来事です。
(1)配偶者が子を1歳以降も養育する予定だったので、保育園に申し込んでませんでした。その後1歳以降に子を養育する予定の配偶者が
・死亡した
・負傷、疾病、障害で養育困難になった
・離婚して別居。従業員が養育することになった
・産前産後休業に入った
配偶者が見れるから1歳からも保育園に入れなくても大丈夫・・・
と思って1歳になった後でこんなことが起これば、人として延長してあげた方がいいと思いますよね。
(2)他の休業で1歳になった子の育休が終了した場合
① 子Aが出生して育休中。子Bが次に出生(又は養子になる)Bが1歳になるまでは育休なので、Aの保育園はBが1歳になる時に一緒に、と思ってた。
→ Aの育休は終了、Bの産後休業育休等が開始
→ Bが死亡(又は離婚等で養育しなくなる)
→ Aを養育できないけど、育休も終了するから復帰するしかない。
② 子Aが出生して育休中。更に親族Cが要介護になって介護休業突入で育児休業終了。そのままAが1歳を超えてCが死亡・離縁等で介護対象から外れる
①の例はかわいそう。②はそうなった背景によっては・・・色々あるでしょうけど、制度的には延長してあげるべきでしょうね。
という人のこころ的に入れてある条項です。法令で定まってるので、理解しておきましょう。社労士受験生以外は、事情によっては例外がいろいろあったなぐらいでその都度調べるのでもいいかも。
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