目からビーム!212四面楚歌はどっちだ~中国の仕掛けた情報戦
漢軍に追われ垓下の地に籠城した楚王・項羽は夜、取り囲む軍勢から楚の歌が聞こえてくるのを、配下の多くが敵に寝返ったと思い込み、既に天運は自分にはないことを覚ったという。ご存知、司馬遷『史記』「四面楚歌」の段だ。実はこれ、漢王・劉邦が項羽の自滅を誘うため自軍の兵に歌わせたもので、いわば巧妙な心理戦、そして歴史最古の情報戦である。支那は古来より情報戦を含めた謀略の本場であり、狡知こそが覇者の条件であった。それは中国共産党という中華帝国主義独裁政権にも確実に受け継がれている。
高市首相のいわゆる存立事態発言以来、日中関係は冷え込みの一途だが、原因は日本側の「挑発」にあらず、むしろ中国側が振り上げた拳を下ろせなくなったことにある。中国様の一睨みで、尻尾を丸め耳を垂れてきたこれまでの政権とは違い、渡航制限にも、エンタメ規制にも、パンダゼロにも、レアアース輸出規制にも一切動じようとしない高市政権の態度は、彼らの目に実には不気味に映っていることだろう。
その中共は、先の衆議院選に前後して、お得意の情報戦を仕掛けてきた。SNS上にある時期から、いかにもの捨てアカウントを使った不自然な高市批判、日本批判の投稿が目立ち始めたのだ。「パンダに会いたい」といった可愛らしいものから、「経済力でも軍事力でも日本を遥かに凌駕する中国と戦争をする気なのか」といった物騒な内容までさまざまだが、要は、首相は発言を撤回謝罪し中国の軍門に下れといいたいらしい。日本国内で反高市の機運が高まっていると喧伝する、いわば現代の四面楚歌作戦というわけだ。現実を見れば、中国経済は不動産バブル崩壊後、浮上のきざしもなく、中国製レーダーシステムや攻撃ドローンが役立たずのガラクタであるのはイラン戦争が証明してしまっているのだが。
中共はダメ押しとばかり、田中優子、鳩山由紀夫、孫崎亨といった使い勝手のいい左翼分子を自国メディアに呼んで高市批判をさせる挙にも出た。田中などは、満州事変まで持ち出して、あたかも現政権が大陸侵攻を企てているかのような妄想的な発言をしている。中国大衆の日本に対する警戒と敵意を煽ることが、いかに平和を脅かし、彼らの説く友好にも反することか、最高学府の長まで務めたこの女には理解できないらしい。
南宋の秦檜(しんかい)といえば、敵国に通じ、仲間の岳飛を誅殺したということで、現代の中国おいても奸臣の代名詞となっている。中国人は裏切り者を絶対許さない。岳飛の廟には秦檜夫妻の土下座する像が建てられ足蹴の対象とされた。そこまでせよとはいわぬが、日本人も敵を利する者に対してはもう少し厳しい目を向けてもいいのではないか。

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