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公園や学校で実ったまま腐っていく「ビワ」を見ると暗い気持ちになる

少し前、ビワがたわわに実る木をあちこちで見かけた。
 
公園、図書館、学校、路地など「公」の場所でも。
 
だが、都会のビワの多くは、誰にも収穫をされぬまま腐り、繁殖期を迎えたカラスやムクドリたちの格好のエサとなっていく。
 
そもそも区立・市立の土地に生えるビワは「とってもいいですか?」と誰に言ったらいいのかわからない。
 
要求したら図々しいと思われるかもしれない。
 
人の目が気になる。
 
管理側が「どうぞ自由に取って」と許せば何か問題があったときに困る。
 
きっとそんな理由で、公の場所のビワたちは少しずつ茶色へと変色していく。
 
要求するのもされるのも面倒。摩擦を避けるためになるべく関わりあわずにいたい。
 
勝手な主観だが、そんな人間関係が透けて見えるようで、ちょっと切ない。
 
スーパーで大きさのそろったキレイなビワを買うと、べらぼうに高いのに。
 
公の土地でビワを収穫してシェアするイベントがあれば楽しそうだが、主催する立場になれば「楽しい」より「面倒」が先立つと二の足を踏んでしまいそうな気もする。
 
学校や児童館のビワだったら「あんなに高いところのビワを取ったら危ない。責任は取れない」なんて言われそう。
 
こんなふうに、起こりそうな事態、想定される返答ばかりイメージできてしまう私も大概である。
 
田舎で暮らしていた子どもの頃、沢沿いや山に自生するビワを採って友人と食べていたのが、懐かしい。
 
……と、そんなことを悶々と考えていたら、先日、よく立ち話をする近所のアジア系のおばあさんがこういった。
 
「今、ビワうまいよ。公園たくさんアルよ。葉っぱは茶につかうと体、イイよ」
 
私は彼女を一切、責めることはできない。

だって、その公園のビワのほとんどは実ったまま腐っていったのだから。
 
それぞれの地域のビワ事情って、きっといろいろなんだろうけれど。
 

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