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【中国ドラマ】「あの日の君と(難哄)」と「ひそかな恋模様は、曇りのち晴れ(偷偷藏不住)」を見比べて感じた、中国男性の結婚の難しさ

 Netflix、YOUKUで配信中の中国ドラマ「あの日の君と」(原題:難哄/英題:The First Frost)を視聴し終えた。
 
男主を白敬亭(バイ・ジンティン)、女主を章若楠(チャオ・ルオナン)が演じている。

【あの日の君と(難哄)予告編】

 男主と女主は、高校時代の両想いの相手。女主は家族のゴタゴタでもがき、親族から逃げるようにして遠方の大学に進学して2人は別れる。

男主は、容姿に恵まれ、ビジネスの才覚を持ち、幸せな家庭に育ち、友人に囲まれ、異性にモテる。でも、ずっと女主だけを好きでいる一途な気質。
 
白敬亭は、ぶっきらぼうだが、女主の心からの笑顔を望み続けるハマり役で、Netflixの配信を機にファン層が日本にも広がる予感。
 
このドラマは、一昨年アジア圏で大ヒットした「ひそかな恋模様は、曇りのち晴れ(原題:偷偷藏不住)」の関連作品。

「あの日の君と(難哄)」の男性主人公「ひそかな恋模様は、曇りのち晴れ」の女性主人公の兄、という設定である。(2つのドラマは、異なる俳優陣が演じている)

優しい両親のもとで育った兄妹は「家族問題を抱えた異性を好きになって、長い間、片思いをする」という共通点を持つ。
 
2つのドラマを比べてみて、1つ思ったことがある。
 
両親の「娘の真剣交際」と「息子の真剣交際」に対するリアクションに「大きな違い」があるのだ。
 
端的に言えば、娘の恋人に厳しく、息子の恋人には甘い。兄妹の両親は、子どもの世界への理解がある温和な性格のため、その差が余計に際立つ

娘を持つ中国の親世代の「ムコ選びの条件」って、めちゃくちゃ厳しそう……と思ってしまった。
 
まず、振り返ってみたのが、2023年配信の「ひそかな恋模様は、曇りのち晴れ(原題:偷偷藏不住)」で、男主と女主が思いを確かめ合うシーン。

「あらかじめ伝えておきたいことがあるんだ。自分には持ち家はないけど、車はある。親の借金は返し終わっていて、貯金はいくらかある」(ひそかな恋模様は、曇りのち晴れ/偷偷藏不住より)

男主の父は昔、交通事故で加害者となって、長らく昏睡状態。学生時代に男主一家は経済的に困窮して母親も亡くしている。

男主は、深い関係に進む前に、自分の家族の状況や経済状況を女主に正直に伝える。
 
真剣だからこそ、負い目があるポイントを共有しているのだ。
 
女主にとっては、何年も男主を思い続けてようやく実った恋。

穏やかで、優しくて、仕事がめちゃくちゃできて、なおかつ職場の人望はあつい。さらにハンサムな男主は、絵にかいたようなスーパーダーリンである。

それでも、交際を知った女主の両親は、男主の置かれた境遇を理由に、いい顔をしない。別れることも選択肢だと進言さえする。

母「彼がいい人だってことは、わかっているの」(ひそかな恋模様は、曇りのち晴れ/偷偷藏不住より)
母「でも、彼の家族のことは知ってるの?」
父「いつも娘に優しくしてくれてありがとう。でも、交際ということになると、心配だよ」
父「娘が苦しむところを見るのはつらいんだ」
父「別れたほうがいいんじゃないか」

女主の両親は、常に子ども目線に立つ優しさを持つのだが「男主の経済・家族状況ゆえに「女主が苦労するのではないか」という親心を発動しているのだ。

一方「あの日の君と(難哄)」(物語の終盤の場面なので、以下ネタバレ注意)
 
男主が片思いする女主は、複雑な家庭の事情を抱えており、経済的に頼れる親族はいない。もちろん、持ち家もない。
 
物語の後半、男主が両親(キャストは違うが、さきほどのドラマの両親と同じ)に真剣交際の相手として女主を紹介する。

そのとき、母親は、女主の容姿やたたずまいをほめて、大喜びしていた。

母が将来の嫁に向けて「本当にきれいね」(「あの日の君と/難哄」より)
母「(息子が高校のとき)こんな子が義理の娘だったらって思ったのよ」(「あの日の君と/難哄」より)

「ひそかな恋模様は、曇りのち晴れ(原題:偷偷藏不住)」の男主も「あの日の君と(難哄)」の女主も、不幸な境遇から抜け出すべく、努力して、手に職をつけてがんばってきたという共通点を持つ。

しかし、親は「息子の交際相手」より「娘の交際相手」に対して、より厳しい眼差しを向けているような印象を受けた。
 
昨今、中国では、結婚するときには、男性が結納金を用意することを結婚の条件とする新婦の家族が多いと言われている。
 
『シン・中国人』(斎藤敦子著/ちくま新書)によれば、中国では近年「婿が家を用意すべき」という規範が急速に広まり「新婦の母親の画一的な需要が不動産価格をつりあげている」というフレーズが有名になったこともあるという。
 
女性の7割が『新居を買ってこそ、男は結婚できる』と考える」というネット婚活の調査が報じられてネットでバズったこともあるというから、娘を持つ親が結婚相手に求める条件が膨張していることがうかがえる。
 
安定した収入、持ち家、結納金、彼女だけでなく彼女の親も大事にする、「ちゃんとした家庭」で育っている。そんな条件をそろえた男性を見つけるのって、ものすご~く難しいのではないだろうか。
 
現在、中国では、大卒の内定率はかつてないほどに低迷していると報じられている。少子化、少婚化もハイスピードで進んでいる。厳しい経済状況に置かれた若い男性が「彼女の親ブロック」で結婚をあきらめるケースは少なくないのかもしれない。

 


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