見出し画像

新人介護士の頃、僕は「できない自分」より「何を見ればいいか分からない現場」に戸惑っていた

こんにちは。
元ITエンジニアで現役介護福祉士のやなぎです。

すっかり間が空いてしまいました!
4月の後半からはお仕事と推し事と新作ゲームに忙殺されておりました🏃‍♀️
仕事では、面接や見学では気づけなかった困ったことに躓いていたりしますが、推しの存在に救われています🤫
最近、介護以外の好きなことや学びについても書きたいなと思いつつ、需要ないかなとか混ざってしまうと記事が探しづらくなってしまうかもと思い、結局まだ書けずにいます。
もう一つそういう記事を書く用のアカウントを作るのもありなのかな?というのが最近の悩みです🍀

そんな近況ですが、今回は新人介護士さんも1か月くらい経った頃なので、新人の頃の不安の正体について考えたことを書いていきたいと思います🌱


介護の仕事を始めたばかりの頃、
僕はよく「自分はできていない」と感じていました。

介助の手順を覚えきれていない。
利用者さんごとの違いがまだ頭に入っていない。
記録も申し送りも、先輩のようにはできない。
周りの動きについていけていない気がする。

そんなふうに、目の前の仕事を追いかけるだけで精一杯になることがありました。

でも今振り返ると、
あの頃本当に苦しかったのは、
「できないことがある」ことそのものだけではなかった気がします。

むしろ大きかったのは、
何を見ればいいのかが見えていないこと
どこまで自分で判断して、どこから相談すればいいのかが分からないこと
だったのかもしれません。

介護現場では、教科書通りに進む場面ばかりではありません。

利用者さんの表情。
その日の体調。
周囲の環境。
声かけのタイミング。
ご家族とのやり取り。
先輩への報告。
記録に残すべきこと。

いろいろなものが同時に重なります。

だから新人さんの不安は、
「できる・できない」だけではなく、
何が大事なのか見えにくいことから大きくなるのだと思います。


「できない」よりも、「何が分からないのか分からない」が苦しい

新人の頃の不安は、ひとつひとつ名前がついているわけではありません。

ただ漠然と、

「仕事が覚えられない」
「自分だけ遅い気がする」
「また注意されたらどうしよう」
「利用者さんに怒られたら怖い」
「先輩に聞くタイミングが分からない」

という気持ちが、ひとつの大きな塊のように押し寄せてきます。

でも、その不安を少しだけ分けてみると、
中身は一つではないことが多いです。

たとえば、
「仕事が覚えられない」と感じていても、実際にはいろいろな種類があります。

・利用者さんの名前と特徴が覚えられないのか。
・介助の手順が曖昧なのか。
・一日の流れがつかめていないのか。
・ナースコールが重なったときの優先順位が分からないのか。
・報告の仕方が分からないのか。
・記録で何を書けばよいのか迷っているのか。

全部をまとめて「自分は覚えられない」と考えると、
自分全体がだめなように感じてしまいます。

でも、分けてみると少し違って見えてきたりします。

「食事介助そのものは少し分かってきた」
「でも、むせたときの初動が不安」
「排泄介助は流れが分かってきた」
「でも、拒否されたときの声かけが難しい」
「記録は書いている」
「でも、事実と自分の感じ方の分け方が曖昧」

こんなふうに見えてくると、
不安はまだ残っていても、
次に確認する場所が少し見えやすくなります。

新人さんに必要なのは、
最初から全部できることではなく、
自分が今どこで迷っているのかを見つけることなのかもしれません。


介護の現場は、「手順」だけではなく「判断の境目」で迷いやすい

介助の手順は、ある程度教わる機会があります。

移乗の方法。
食事介助の姿勢。
排泄介助の流れ。
入浴介助の準備。
記録の入力方法。

もちろん、これらも簡単ではありません。

でも新人さんが現場で本当に戸惑いやすいのは、
手順そのものよりも、
判断の境目だったりします。

たとえば、

「この利用者さん、いつもより顔色が悪い気がする」
「でも、はっきり苦しいとは言っていない」
「これは報告した方がいいのかな」
「気のせいだったら迷惑かな」

こういう場面です。

または、

「ご家族から最近の様子を聞かれた」
「食事量や表情は少し分かる」
「でも、体調のことまで答えていいのかな」
「どこから看護職や責任者に確認すればいいんだろう」

こういう場面もあります。

介護現場では、
「ここまでは自分で確認する」
「ここから先は共有する」
「これは自分だけで判断しない」
という境目がとても大切です。

でも、その境目は新人さんには見えにくいですよね。

だから不安になることもあるのだと思います。

分からないから不安なのではなく、
どこまで分かっていればよいのかが分からない
この感覚が、新人さんの心を重くしやすいのだと思います。


利用者さんの言葉を、自分への否定として受け取ってしまうことがある

新人の頃、利用者さんから強い言葉を言われると、
その言葉がそのまま自分に刺さってしまうことがあります。

「来ないで」
「触らないで」
「あんたじゃ嫌」
「下手だ」

こうした言葉を受けると、
頭では「何か理由があるのかもしれない」と思っていても、
心の中ではやっぱり落ち込みます。

「自分の声かけが悪かったのかな」
「嫌われたのかな」
「また関わるのが怖いな」

そんなふうに感じることもあります。

でも、利用者さんの強い言葉は、
必ずしも職員個人への否定とは限りません。

痛みがあるのかもしれない。
寒かったのかもしれない。
眠かったのかもしれない。
羞恥心があったのかもしれない。
急に声をかけられて驚いたのかもしれない。
認知症による混乱や不安があったのかもしれない。

もちろん、言われた側が傷つかないわけではありません。

でも、
「自分が否定された」だけで終わらせず、
「何が背景にあったのか」を少しだけ分けて考えられると、
次の関わり方が見えやすくなることがあります。

新人さんには、
強い言葉を受けたときほど、
自分一人で抱え込みすぎないでほしいです。

その場面を先輩と共有することは、
弱さではなく、次の安全な関わりにつなげるための大切な行動だと思います。


ご家族対応や電話対応は、「練習する前に本番が来る」ことがある

介助技術は、先輩と一緒に入って覚えることができます。

でも、ご家族対応や電話対応は、
練習する前に本番が来ることがあります。

面会に来られたご家族から、
「最近どうですか?」と聞かれる。

電話が鳴って、近くに誰もいない。

ご家族から、少し強い口調でご意見をいただく。

こういう場面は、新人さんにとってかなり緊張しやすいと思います。

なぜなら、そこには

「言葉選び」
「伝えてよい範囲」
「確認すべき相手」
「施設としての対応」

が関わってくるからです。

親切に答えたい。
不安にさせたくない。
失礼な返し方をしたくない。

そう思うほど、焦ってしまうことがあります。

でも、ご家族対応や電話対応で大切なのは、
その場ですべてを完璧に答えることではありません。

確認できている事実を伝える。
分からないことは確認してから伝える。
医療的な内容や判断が必要なことは、看護職や責任者へつなぐ。
電話では、相手の名前や用件を正確に確認する。

こうした基本を持っているだけでも、
新人さんの不安は少し変わると思います。

「すぐ答えなきゃ」ではなく、
「確認してから伝えていい」
と思えること。

これは、現場でとても大切な安心材料になります。


報告は、怒られるためではなく、チームで支えるためにある

新人の頃は、報告することにも迷いやすいです。

「これくらいで報告していいのかな」
「忙しい先輩に声をかけていいのかな」
「また同じことを聞いていると思われないかな」

そう感じることがあります。

でも、介護現場では、
小さな違和感が大切な情報になることがあります。

顔色がいつもと違う。
食事量が急に少ない。
ふらつきがあった。
何度も同じ訴えがある。
普段より返事が弱い。
夜間の様子がいつもと違う。

その場では大きな問題に見えなくても、
あとから振り返ったときに、
大切なサインだったと分かることがあります。

もちろん、何でもかんでも慌てて大きく伝える必要はありません。

でも、
「これは報告していいのかな」と迷ったとき、
その迷いを一人で抱え込まなくてもいいと思います。

報告は、怒られるためにするものではありません。
利用者さんをチームで支えるためにするものなんですよね。

だからこそ、新人さんには、
報告の上手さより先に、
共有してよい場面を知っていくことが大切なのだと思います。

「急ぎか判断に迷っています」
「次の対応を確認したいです」
「この内容は誰に共有すればよいですか」

こういう言葉を持っているだけでも、
声をかけるハードルは少し下がります。


「見えない不安」は、名前をつけると少し扱いやすくなる

新人さんの不安は、
大きなひと固まりに見えることがあります。

でも、そこに少しずつ名前をつけていくと、
見え方が変わります。

「仕事ができない」ではなく、
「電話対応で聞き取れないのが不安」。

「自分は向いていない」ではなく、
「利用者さんに強い言葉を言われた後、次に関わるのが怖い」。

「全部分からない」ではなく、
「報告のタイミングが分からない」。

こうして言葉にしていくと、
悩みはまだ消えなくても、
相談しやすくなります。

先輩にも聞きやすくなります。

「何が分かりませんか?」と聞かれると困るけれど、
「ご家族から質問されたとき、どこまで答えていいか分かりません」
なら相談しやすい。

「仕事が遅くて不安です」よりも、
「朝の排泄介助と食事準備が重なる時間帯で、何を優先すればいいか迷います」
なら、具体的な助言をもらいやすい。

悩みに名前をつけることは、
自分を責めるためではありません。

相談しやすくするため。
次に確認することを見つけるため。
ひとりで抱え込まないため。

そのために、とても大事なことだと思います。


不安をなくすより、「確認できる形」にする

新人の不安は、すぐにゼロにはならないと思います。

むしろ、不安があること自体は自然なことです。

人の生活や安全に関わる仕事だからこそ、
不安になるのは当然の面もあります。

大切なのは、
不安を無理に消すことではなく、
確認できる形にしていくことだと思います。

何を見ればいいか。
どこに注意すればいいか。
誰に相談すればいいか。
どんな言葉なら伝えやすいか。
記録には何を残せばいいか。

こうしたものが少しずつ見えてくると、
現場での不安は、少しずつ扱いやすくなります。

できない自分を責めるより、
見えていない部分を一つずつ確認していく。

その積み重ねが、
新人さんの安心につながっていくのだと思います。


具体的な場面ごとの対応は、ブログにまとめました

今回noteでは、
新人介護士さんの不安が大きくなりやすい背景について、
僕なりに感じていることを書いてみました。

もし今、

「利用者さんへの対応に迷う」
「ご家族対応や電話対応が不安」
「報告や記録で立ち止まりやすい」
「自分だけ仕事が遅い気がする」
「何から確認すればいいか分からない」

そんな気持ちがある方は、
ブログの方で場面ごとにまとめた記事も参考になるかもしれません。

ブログでは、
新人介護士さんが悩みやすい場面を100個に分けて、
確認すること、対応のヒント、使える言葉、気をつけたいことをまとめています。

具体的な対応や確認ポイントについては、こちらにまとめています。

新人の頃の不安は、決して小さなものではありません。

でも、
「できていない」とひとまとめにせず、
「どこが見えにくいのか」を少しずつ分けて見ていくことで、
気持ちが少し軽くなることもあるように思います。

この記事が、
今まさに現場で迷っている誰かにとって、
自分の不安を少し優しく見つめ直すきっかけになれば嬉しいです。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました🍀


以下は、オススメのブログ記事です🌱

🔰新人教育向けの記事

🔰新人さん向けの記事

✏️ 毎日の記録・申し送りを「時短」したい方へ
「やさしい日本語」と一緒に使うと効果抜群。Excelでそのまま使えるテンプレートです。

📖 外国人スタッフへの「教育資料」にお困りの方へ
現場で必須の専門用語を分かりやすく解説しました。新人教育のテキストとして印刷して渡せます。

💬 利用者さんともっと「心通う会話」がしたい方へ
業務的な指示だけでなく、相手の心が動く「魔法の言葉」や「感謝の伝え方」を集めました。

🤖 AIを使って「自分だけのマニュアル」を作りたい方へ
今回のChatGPT活用法をさらに深掘り。現場ですぐ使えるフレーズやプロンプトをまとめたPDF付き記事です。

🖍️ レクリエーションや個別ケアで使える「ぬりえ」を探している方へ
高齢者の方の思い出や興味に寄り添いやすい、やさしい塗り絵づくりの考え方やプロンプト例をまとめています。活動づくりや会話のきっかけにもつながります。



いいなと思ったら応援しよう!

やなぎ@そよ風ケアリング もしよろしければ応援をお願い致します!いただいたチップはクリエイターとしての活動に使用させていただきます♪