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硬派のお座敷遊び②|お座敷遊びをしよう

「お座敷遊び」と聞いて、どのようなシーンを想像しますか。芸者衆が囃し立てる中、扇子を投げる的当てゲームをしたり、襖を隔ててじゃんけしたり。ゲームに負けたら罰杯(ばっぱい)と呼ばれる一気飲みしたり。あるいは、芸者の踊りを愛でたりでしょうか。

硬派なお座敷

私の場合、「硬派」ですので、ゲームなどの馬鹿騒ぎはやりません。芸者衆もそれを知っているので、しっとりと会話を楽しむ雰囲気を作ってくれます。食事が終わって、いよいよ芸者衆が日頃の稽古の成果を披露してくれます。リーダー格の芸者の唄と三味線に合わせて踊りが披露されます。この芸者衆の踊りのことを「お座敷」と呼ぶこともあります。「お座敷をつける」と言えば、芸者衆が踊りを披露するという意味です。

小唄あってのお座敷

普通はここでお開きなのですが、私たちの場合はここから小唄タイムが始まります。踊りを終えた芸者衆が「では旦那衆も何か」と振ってくれるので、糸方(いとかた)、要は三味線を弾く芸者とヒソヒソ打合せをして曲を選びます。季節の唄もあるでしょうし、失敗覚悟で稽古中の曲をあえて選ぶこともあります。そうして、一人二曲(なぜか、昔から小唄ニ題と言われています)小唄を披露し、座敷はお開きになります。

一般的なお座敷はこのように

お座敷の前段は、料理と酒です。ここで芸者衆をどのような話をするのか。お座敷未経験の方は、ここにハードルを感じてしまうかもしれませんが、そこはプロ中のプロ。芸者衆は話題も豊富で、客の話をうまく引き出してくれますので心配ご無用。芸者の酌で酒を飲んで、リラックスして話を続ければいいのです。雰囲気によっては、ゲームを勧めることもあるかもしれません。
後段は、芸者の「お座敷」。我々の場合は、さらに「小唄タイム」ということになります。ここで、注意を一つ。芸者衆の「お座敷」の最中は食べ物を口に運ぶことは御法度です。芸者衆は日頃真剣に稽古を積みその上で客の前で披露しているのですから、客も真剣に鑑賞するのが大人というものです。ノリのいい曲だからといって「手拍子」も御法度。静かに耳を傾けましょう。

お座敷遊びをするには〜正しい芸者の呼びかた

では、「お座敷」遊びは、どのようにすれば経験できるのでしょうか。まず、原則のお話をします。
芸者のいる界隈を「花柳界」と言います。花柳界は三つの組織で成り立っており、この三つをまとめて「三業組合」と呼びます。これは花柳界の実像です。一つ目の組織は「見番(けんばん)」 全ての芸者衆は見番に登録されています。また、芸者衆に支払われる「花代」とか「玉代(ぎょくだい)」と呼ばれる料金も見番に集められます。また、芸者の采配やスケージュール管理も見番の役割です。二つ目は、「置屋(おきや)」 芸者が所属するプロダクションといえば分かりやすかもしれません。「お母さん」と呼ばれる置き屋の主(ベテラン芸者であることが多い)の采配のもと、稽古を積んだりお座敷のしきたりを学びます。三つ目は「料亭」 今でこそ料亭というと数寄屋作りの屋敷で高級な日本料理を食べさせる店というイメージがありますが、本来の「料亭」は料理を作りません。料理は仕出しです。料亭とは要は貸し座敷です。なんだ、ただの座敷かと思うことなかれ。お座敷遊びをするには料亭が一番重要なのです。

仲間数名で「お座敷遊び」をしようと企てたとします。幹事であるあなたが最初に行くべきでは「料亭」です。そして、女将に「日時、人数など宴席の概要と必要な芸者衆の人数を知らせて相談に乗ってもらいます」 女将は見番に電話して、その日に約束可能な芸者衆を確認して、話を進めます。料理や酒は、不都合なく女将が采配してくれるので幹事が気にやむことはありません。予約が成立したら、あとはその時間に料亭に行けばいいだけです。
もし、目当ての芸者があれば、女将に相談するのもいいでしょう。
ともかく、幹事である貴方の窓口は料亭の女将だけなのです。同時に、芸者を呼んで「お座敷」を持てるのも料亭に限られています。それ故の三業組合なのです。
お代は、料理代、席料に芸者に支払われる花代、時にはタクシー代なども含めて全額を料亭に支払います。現代は明朗会計なので、1時間幾らの芸者衆が何名で何時間いたから幾らという明細も出てくるはずです。花代は花柳界によって異なるのでここでは書きませんが、コストパフォーマンスはかなり優れていると思います。

とはいえ、一部の花柳界では三業が成り立たなくなている

これが本来の「お座敷」のプロセスです。しかし、今では多くの花柳界で料亭も数少なくなり、かつてのような三業も成り立たなくなっているのが現実です。では、窓口はどこになるのでしょうか。これについての明確なルールはできあがっていないように見えます。私の意見は、「見番」です。あるいは、花柳界と付き合いのありそうな飲食店を見つけるのも手かもしれません。ホテルなどの大規模な宴会場は、大抵見番とつながりがあります。

私の場合

私の場合、幸いにも「小唄」や「茶道」を通じて芸者衆と交流がありますので、個人的に芸者衆とコンタクトして予約を取り付けることも可能です。しかし、これはあまり褒められた手段ではないと思っています。奥の手です。私は通常はまず見番にコンタクトすることにしています。幾ら気心が知れているとはいえ、芸者衆と直接コンタクトして予約をまとめるのは、花柳界の品位を毀損する行に思うのです。このあたりの感覚は分かりにくいかも知れませんが、そこに拘るのが「硬派」と自称する所以なのです。遊び人の矜持と言ったら言い過ぎでしょうか。

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