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モニターヘッドフォン・ジャーニー

ヘッドフォンが逝ったため、引き出しの奥で眠っていたイヤホンを急場しのぎで使ってみたら、音の輪郭が鮮明で音域の偏りもなく、逝ったヘッドフォンよりもずっとモニターに適してたので、そのまま使い続けて5年は経っている soundwsです。

元々出先や電車で聴く音楽観賞用でかなり雑に扱ってました。外れたドライバーユニットのカバーを接着剤でくっつけたり、断線しか掛かっているケーブルをテープで補強したりと、騙し騙しです。買い替えは時間の問題と思ってましたがいよいよヤバくなってきたので、ここのところネットでモニターヘッドフォンを物色しまくってます。

まだ買ってないけど、ひとつに絞り込めたので、その経緯など書いてみました。ヘッドフォン選びの参考になるかな。



モニターに求めるあれこれ


一口に楽曲制作におけるモニターと言っても、使うシーンによって求める性能が違うので、まずは前提から。

レコーディング

オケや自分の声(演奏)を聴くためのもの。
密閉型ヘッドフォン:開放型は漏れる音をマイクが拾ってしまうのでNG。
高音が聞き取りやすいこと:低音は発音や音の切れ際が僅かに遅い。
レコーディング用のモニターヘッドフォンは
聴き取りやすい!ことが一番のポイント!

作編曲

DAWに向かってアレンジや曲構成などを作り上げていく工程。
ここでは 音の良し悪しはさほど気にしなくて良いと思ってる。
なんならリスニング用でもいい。

それより、音漏れ大丈夫かとか作業環境に配慮が必要。
ヘッドフォンの場合は、重たいとか、締付けがきついとか、高音が耳に刺さるとか、長時間作業の負担にならないことが重要。

音漏れ可なら:スピーカー
 耳への負担がなく、長時間の作業も快適。
少々音漏れしても平気なら: 開放型ヘッドフォン
 
スピーカーに次いで自然な音で聴ける。
音漏れ厳禁なら: 密閉型ヘッドフォン

音の良し悪しは気にしなくて良いって言ったけど、EDMやエレクトロ系の曲だと、音色ありきでアレンジが決まることも多々あるので、やはり音が良いに越したことない。

ミックスダウン

各パートの音量バランスや定位、エフェクトなどを決め、LR2チャンネルの音源・通称2MIX(ツー・ミックス)に、カッコ良くまとめる工程。
ここからは音質重視。

いちばん重要と考えるのが、
再生できる音域が広く帯域に偏りがないもの。
派手な味付けは不要。素材がありのまま見える状態が理想。どこかの帯域が盛り上がっていると、出過ぎている音に気づけなくなるからね。一言でいうとバランスが良いものってことになる。

この他に、
楽器の定位(左右の位置)が掴みやすい。
楽器や音域に耳を澄まして小さな音も聴き取れる。
ボリュームを変えても表現できる音域の変化が少ない。

この条件を満たすなら、スピーカー、開放型、密閉型、いずれでも良い。
ただしスピーカーは少なからず部屋の環境や、聴くポジションに左右されるのでブレがある。また音の定位や残響の切れ際、低域、小さな音を聴き分けるには、ヘッドフォンの方がわかりやすい。
1つしか選べないならヘッドフォン。

自分が基準にしやすいなら音の傾向が少々偏っていても大丈夫。何度もミックスを繰り返してると、自分自身とモニターのクセがわかって基準が生まれる。基準があれば、聴き比べできるし、基準を外れた音にもなんなり対応できる。
新しいギアを選ぶ時の基準になるし。

マスタリング

2MIX音源を、耐久力のある音に仕上げる最終工程。

モニターに求める条件はミックスダウンと一緒。ただし、環境が変わっても曲の印象が大きく変わらない音を作り上げるために、多くの視聴環境が求められる。SNS、配信、コンポ、ラジカセ、iPhoneのスピーカー、iPod、カーステレオ、リスニング用のヘッドホン・イヤホンも対象になる。


My条件


レコーディング、作編曲、ミックス・マスタリング、それぞれのシーンに合ったものを揃えるのが理想!なんだけど、叩くとお金が増える魔法の財布でもない限りそうもいかんでしょう。

私の場合、アコギや歌を録るし、集合住宅でDTM専用部屋も無いので音漏れ厳禁! さらに予算も限られてるので選べるのはひとつだけ!という条件です。
こうなると選択肢は絞られる。

密閉型ヘッドフォン

これ一択。そしてこの度の予算は、

アラウンド2万円!

これでどこまで音質の良い密閉型ヘッドフォンが買えるか、散策してたのですよ。

実機を試聴


ある程度絞り込めたところで、実機を試聴してきたんだけど、そこで新たたな重大条件が判明した。

私は人一倍耳がでかい!

大きい方だとは思ってたけど、みんな耳が小さいんだね。それとも少々干渉しても気にしてないんだろうか・・・。

一見イヤーカップが大きくて良さげに見えても、内径が小さく私の耳をすっぽり包み込めるヘッドフォンがほぼ無い!耳の上か下に当たって着け心地が良くない。
長時間つけるものだから装着感は音質以前に重要だと思うんだ。
帰宅してから耳の天地を測ってみたら約7cmでした。

売り場にあったもので私の耳がすっぽり収まったのは次の2つだけでした。

Austrian Audio Hi-X20

イヤーカップの表面がレザーっぽく見えるけどレザーじゃない何か。中のクッションがゆる~い低反発素材で肌へのフィット感が良い。軽くて締め付けもキツくなく装着感は一番快適だった。
ついでにこの上位機種も試したけど装着感はほぼ同じ。締め付けが少しキツく少々重い点だけが違った。

密閉型・オーバーイヤータイプ
感度:113dB
周波数特性:12~25,000Hz
インピーダンス:25Ω
重さ:255g


Sennheiser HD 569

これも軽くて装着感がとても良かった。
仕様的にもHi-X20と同等。いい感じ。
と思ってたら、私に合わないことが・・・これは最後に書くよ。

密閉型
オーバーイヤータイプ
感度:115dB
周波数特性:10~28,000Hz
インピーダンス:23Ω
重さ:286g

スペックの見方

ヘッドフォンにおける感度は、
ココまで大きな音を出しても音割れしませんよ!という値。
限界まで大きな音で聴くことはないので、110dB以上あればモニターとして十分。

周波数特性、再生可能な音域範囲。
人が聴き取れる音域は 20~20,000Hz と言われてるので、これをカバーできていればいい。聴こえる限界音域あたりの空気感に関わってくるので、上下共に余裕がある方がいい。

インピーダンスは、ヘッドフォンが必要とする電力量に関わる。
これ結構重要
値が小さいほど少ない電力でフルパワーを発揮できる。
再生機器を選ばないので、スマホやPC直差しでもヘッドフォン本来の性能が発揮される。
値が大きいと、ノイズも少なく音質も良いらしい。が、フルパワーを発揮するのにたくさん電力を必要とするので再生機器を選ぶ。
高かった割には音がしょぼいしバッテリーの減りが早い、という時にはインピーダンスを確かめるべし。100Ω以上あるようなら、ヘッドフォン・アンプがないとヘッドフォン本体の性能が発揮されてない可能性が高い。


おまけ: Hi-Xシリーズ聴き比べ


性能比較するにも、スペック表や周波数特性のグラフではこれっぽっちも音を想像できないし、レビュー動画を見ても少なからず主観が入ってるし、店で実機を視聴しても、正直どれも音が良くって、自分が求めてる音なのか判断できなくないですか?

出来ることなら持ち帰っていつも聴いてる環境で聴き比べたいところ。
と思っていたらそれに近いことをやってる動画を見つけてしまった。しかも候補に挙げたHi-X20!ありがたやー!

この動画では、同じ音源をバイノーラルマイク(人の耳を模したマイク、ASMR音源などを録る)で録った音を聴き比べられる。
レビュー動画をみんなが皆、この形式にしてくれるといいのになーw

比較してるのは、Austrian Audio の密閉型ヘッドフォン3製品。

Hi-X15:コンシューマー・ライン(一般向け製品)
Hi-X20:プロフェッショナル・ライン(音楽制作向け製品)
Hi-X60:リファレンス・ライン(メーカーが推してる音がする製品)

3つとも核となるドライバーユニットは同じものを使っているらしいけど、対象に合わせて部品やチューニングを変えてあるということだ。それでココまで変わるか!ときっと驚くよ!

また、同社がどういった音をヨシとしていて、作編曲家がどんなモニターヘッドフォンを求めているのかも見えてくると思う。

聴き比べは 9:40 あたりから6分間ほど。ではどうぞ。

どうだった?

Hi-X15 は、全体的に軽い印象。高域が強調されれシャリシャリした音が耳につく感じ。
ベースやキックがいる低域があまり聴こえてこないね。
レコーディングには使えそうだけど、ミックスには向かなそう。

Hi-X20 は、低域も高域も良く聴こえる、ややドンシャリな感じ。このバランスなら、慣れさえすればオールマイティに使えそう。

Hi-X60 は、先の2機種に比べ、圧倒的に音域のバランスが良い。どの音域に耳を傾けても聴きたい音をちゃんと聴き取れる感じ。

Hi-X60を聴いちゃうとやっぱり音は圧倒的にこれが良いい。 ブロ仕様と言ってもHi-X20はエントリーモデルだと思う。予算的に今は手が出せないので耳が育ってさらなる高みを目指す時に買うことにするよ。



最後に、ゼンハイザーのとこで触れた「私に合わないこと」だけど・・・

HD 569 のヘッドバンドの調整スライダーをめいっぱい広げても、イヤーカップが耳たぶに掛かるんだ。
つまり、ゼンハイザーさんが想定してるより

頭がデカかったw

しばらく忘れていたが、頭が大きのでありとあらゆる帽子が全く似合わない。気にせずかぶれるのは麦わら帽子くらいだ。頭にタオルを巻くことも難しい。久しぶりに頭が大きいことを痛感したよw

というわけで、候補は Hi-X20 ひとつだけに絞られた。

まだ決めてはいないので、密閉型アラウンド2万円、頭と耳が大きな私でも快適に装着できそうなモニターヘッドフォンをご存知の方は、是非教えてください。

今日はこれまで、おやすみなさい。


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