創作大賞感想|ひかりがひかる / U
グループホームが舞台のこの物語には、一人で背負いきれない何かを背負った子供たちと、大人たちが集っています。生まれ落ちた環境も、過去も変えられはしませんが、他人だった登場人物たちの不思議な縁と縁が、いつの間にか大きな環になって、今を生きる力を与えてくれるお話でした。
かといって、過去は変えられなくても未来は自分で変えられるよ!なんて大きなお題目を説いてるお話ではありません。
私がこの物語から得たのは
「お味噌汁、美味しいよね」
これにつきます。
初めての感覚なのですが、読ませて頂きながら、物語に登場しない二人の人物を感じていました。一人は自分。もう一人は著者のUさんです。
勿論、登場人物に共感したり感情移入もしますが、感覚としては、登場人物を通してUさんと会話してるイメージ。まあ、私が勝手にそう思ってるだけです。
そう感じたのがゆきこが語るこの一節。ここ特に好きです。
みんなと同じ『変』ではない部分と、みんなと違う『変』な部分が、わたしのなかにあります。それを全部合わせたものが、わたしです。
(中略)
みんなのなかにも、ほかの人と同じものと、違うものがあるからです。全部合わせたものがその人です。取り替えっこはできません。だから、ひとりひとりは大切な存在のです。この考えは、『変』ですか?『変』ではありませんか?
わたしは『変』ではないとおもいます。
この感覚をお伝えするのに適切か自信がありませんが、例えるならこんな感じです。
Uさんは、消毒液を染み込ませた脱脂綿で私の手の甲をサッと撫でます。すると傷も無いのにしみるので、そこで初めて小さな傷があることに気づかされます。
私には登場人物たちのような経験や抱えてる荷物はないと思っていましたが、そこに繋がる綻びみたいなものは持っていたのだと知ることになります。そこでUさんがこういいます。
「安心してください。見てますよ!」
読みながらこんな感覚を覚えました。ゆきこの他に、ひかりと神埼のエピソードでも感じました。きっと彼らと共鳴する部分が私にあるのでしょう。こんな感覚を物語にするなんて、まるで魔法使いかドクターです。
おっと!Uさんはドクターでした。
それとね、緊迫した場面で交わされる会話が面白すぎました!
どんなに緊迫していようがその一言で笑うしかなく、おい!って何度もツッコミいれましたw
この緩急も、物語の向こうにUさんを感じた要因だと思います。
面白かった~!
Uさんは『変』ですか?
わたしは『変』ではないとおもいます。
経験が紡ぎ出す温かい目線を感じてください。
物語の向こう側で見てくれているUさんが、どんな人物なのか知りたい方は、こちらもお読みください。
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