[エレキと戯れる]第3回 出る杭は打たれる、出たフレットは削られる
前回、15フレットだけが高いことに気づいて削ることにした話の続きだよ。本来、高さは揃ってるものなのに、こんな状態だったんだ。

他にも同じ状態のフレットがあるんじゃないか?と思い、まずは、全フレット、高さチェックすることにした。使うのはステンレス製定規。
弦高やピックアップの高さを測るのにも使うし、お高いものでもないので、ひとつ持っておくと良いと思う。

弦高を測る専用のゲージでもいい。
お仕事で毎日のように測る方しか必要なさそうだけど、ギアとしてカッコいいから持っておく、というのもアリだと思うw
測るといっても、弦高は何ミリにしなくてはならない、なんて決まりはない。要は、自分好みの目安になればいいので、私は、ホームセンターで売ってるステンレス製定規で十分。
フレットの高さ確認(支点探しの旅)
さて、確認の仕方だけど、調べたいフレットとその両隣のフレットに定規の薄い部分をあててみる。15フレットを調べるなら、14-15-16にあてるんだ。フレットを傷つけないよう優しくね。
そして定規とフレットとの隙間を見る。

15フレットが高ければ、14フレットか16フレットに隙間ができる。
15フレットが低ければ15フレットに隙間ができる。
けど、、、
隙間が狭すぎて、目視ではさっぱりわからんw
(老眼を差し引いても見てわかる差じゃない)
ので、15フレットを支点に、定規をシーソーのように動かしてみよう。
高ければ、カタカタと小さな音をたてて動く。シーソーみたいに。
この時に16フレットあたりの定規の上の部分を指先で軽く叩いてみてもいい。隙間があれば ”カッ” って音がするから。
高さが揃っていれば、カタカタも音もしないから揃ってるとみなせる。
目で見ることが出来ないなら、心の目で 指先の感覚と耳で診るべし!
6弦側と1弦側で同じ状態とは限らないから、ひとつのフレットにつき最低3箇所(6弦側、真ん中、1弦側)は確かめる。
低いフレットはわからないでしょって?
1フレットずつずらして全フレット確かめれば、どれが高くて、どれが低いか、相対的にわかる。万一低いのがあったら大変だ。他のフレットを全部削るしか出来ないから。今は祈ろう。
全てのフレットを確かめた結果、
15フレットだけが高く、これ以外は全てOK!
というのがハッキリした。ターゲットは15フレットのみ!
事前準備
作業の邪魔になる弦をゆるめる。私のように、アームアップ出来るようセッティングしてある場合は、ゆるめる前にブリッジの後ろに柔らかい布を挟んでおく。
普段は、弦と裏バネの張力が釣り合ってるけど、弦の張力がなくなると、バネに強く引き付けられたブリッジが、ボディを局所的に傷つけてしまう事があるからね。やってけば安心して作業出来るし、弦を張るのも素早くできる。
これは弦交換の時もやると良い。

ゆるめた弦は邪魔にならないよう、ネックの裏側でまとめておこう。私は使ってない古いメガネ拭きで縛った。

お次は、養生。
15フレットの周りにマスキングテープを貼っていくよ。
うっかり手を滑らせ、指板を傷つけでもしたら、涙ものだからね。
丁寧に。危なそうなところは2重3重に。

さっ!削っていこう!
使う道具は、鉄工平ヤスリ、ダイヤモンドヤスリ、サンドペーパー(240番、400番、800番、2000番)、油性マジック、ピカール、ティッシュペーパー。全部ホームセンターで揃う。


平らな鉄甲ヤスリに、サンドペーパーを巻き付けて固定し、段階的に目の細かなサンドーペーパーに切り替えて磨き上げる作戦。
少し削っては、高さを確認する、を繰り返していくよ。
まずは、フレットの山のてっぺんを平らに削って、高さを合わせる。
はじめ240番で削ってみたけど、高さが変わった様子がなくて、思いのほか削れないものだなと。(100番か80番あたりも用意しておくべきだった)
そこで、ダイヤモンドヤスリ(目が荒い)を使ってみたら、フレットの表面が擦り傷状態w でも高さは少し低くなったので、これをサンドパーパーで仕上げていくことにした。
削り過ぎたら目も当てれないので、本当に、少しずつ、慎重に。
削り進めていくと、シーソーのようにカタカタと触れる幅が小さくなっていくのがわかる。振れ幅が小さくなったと感じたら、目の細かなサンドペーパーに切り替えて、削る、確かめる、を繰り返す。
カタカタしなくなったら、高さが揃ったということなので、ここで一旦止める。ホッ。

お次は、平らになったフレットの角を丸く整形していく。
フレットのてっぺんが平らだと、フレットと弦が線で接触し、本来のピッチ(音程)からズレてしまうからね。
フレットと弦が点で接触するよう、本来の半円形に整形していくよ。
まずは、油性マジックで平らになったフレットのてっぺんを塗りつぶす。これを目印にして、フレットの中央にマジックの線が残るように、角を丸く落としていくんだ。

てっぺんを平らに削るのとは違って、フレットとヤスリが大接近するから、養生を突き破って指板を傷つけるんじゃないかって、この工程が一番怖かった!マジ!
恐怖に耐えきれず、てっぺんを丸める整形は40%程で一旦止めた(汗)
一応角はなくなってるので整形出来たという体でw
保護用のステンレス板とフレットのてっぺんを丸める専用ヤスリがあるみたいだから、これをポチって再チャレンジすることにしたよ。そのうち。
最後の工程は、ピカールを使ってフレットの表面を磨くよ。
ピカールは金属表面の傷消しで、こいつで磨くと金属の光沢が戻ってくる。
言っても研磨剤だから、厳密には表面を削ってるので磨き過ぎ厳禁だ。
それから、缶の中は研磨剤が沈澱してるので、直前によく振ってから使うこと。
缶をよく振ったら、折りたたんだテッシュペーパーにほんの少し取る。本当に少しだけ。ピカールのキャップについてる溶液をティッシュの先でチョンとすくう程度でいい。
それをフレット全体に伸ばしたら、そのティッシュでひたすらゴシゴシ磨くんだ。

目に見えて光沢が戻ってくるのがわかると思う。
フレットがツヤツヤになったら一応OK。なんだけど、ティッシュを見てくれ。真っ黒だ。この黒いのは、ピカールが削り落としたフレットのカス。(汚れじゃない)

フレットにピカールが残ってるうちは、この黒いのが出続ける(=削り続ける)ので、きれいなティッシュで乾拭きだ。
この乾拭きが思いのほか大変w(なのでピカールは少しでいい)
残ったピカールが指板につきでもしたら、木目に入り込んで取れなくなるからね。
いつまでも黒いのが出続けるけど、黒いのがティッシュにつかなくなるまでゴシゴシと、キレイなティッシュに何度も変えながら、根気よーく乾拭き!ラストスパートだ!
さあ、出来た!満足いく仕上がりw

あとは、養生を取り払って、ゆるめてた弦を元通り張り直し作業完了だ!
さて成果はいかがなものかと弾いてみたところ・・・!!
削る前より全然マシだけど、15フレット、まだビビってる(涙)
定規をあててみたけどカタカタはしていない。定規ではわからないほど極わずかに高いんだ。
普通はこんなもんでしょ、と言われるレベルなのかもしれない。「妥協」という言葉が脳裏をかすめた。が、目指すゴールは目の前だ!と自分に言い聞かせ、気持ちを切り替えた!ヨシ!!!
* * *
このあとは書くのが面倒なので省略するけど、張った弦をゆるめて、養生もし直して、サンドパーパーで削って、再び弦を張り直してビビリを確かめて、を3回繰り返したw
マスキングテープを貼ってたとこだけ、指板のツヤがなくなってたから、最後にオレンジオイルで指板のクリーニングもした。こいつについては、弦交換やる時に詳しく書くよ。

木製家具なんかにも使えるスグレモノ。
* * *
まあ、わかってはいたけど、フレット削りは専門家に任せたほうがいいw
ただ、目でも耳でもわからない、繊細バランスで成り立ってることを実感できたし、とても貴重な経験になった。
途中、別のアクシデントがあって3日費やしたけど、今は、ビビリも解消してキレイな音で鳴ってくれている。
これで一歩、自分好みのギターに近づいたよ!
別のアクシデントというのは、弦をゆるめる張るを繰り返してたら、ペグの角で弦が折れて、長さが足りず弦が張れなくなんたんだw
スペアが無かったので入手まで2日かかった次第。
ペグの角で弦が折れる現象は、ほとんど弦を巻き付けないロック式ベグならでは、だと思う。ロック式ベグの使い方で思うところもあるので、整理して別の機会に記事にするよ。
ではまた、エンジョイ!
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