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【Web3×福祉】暗号通貨に触れないウォレットで、金融庁から「完全ホワイト」のお墨付きをテキストのみで獲得するまで

はじめに:福祉の現場で稼働する「そよぎポケット」

私は現在、既存の福祉制度からこぼれ落ちてしまう方々(ヤングケアラーや重度ひきこもり、生活困窮者、経済的虐待被害者など)を支援する活動を行っています。その中で見えてきた課題を解決するため、福祉に特化したWebウォレット「そよぎポケット」を開発し、すでに運営を開始しています。

最大の特徴は、「利用者はブロックチェーンにも暗号通貨にも一切触れずに使える」という点です。つまりブロックチェーン上に履歴を残さず利用できるため、経済的虐待加害者に見つかりにくい作りになっています。
裏側では日本円ステーブルコイン「JPYC」やSBT(譲渡不可トークン)といったWeb3技術をフル活用していますが、ユーザー体験は一般的なポイントアプリと変わりません。しかも、「ウォレット」という財布やお金を連想させる言葉を避け、あえて「ポケット」とすることで、経済的虐待加害者の目に触れても搾取されにくいというところにもこだわっています。

しかし、こうした新しい決済スキームを社会実装し、継続していくにあたり、どうしても避けて通れない大きな壁がありました。それが「資金決済法」などの法的規制です。

金融庁への相談という高いハードル、そして「テキストベース」へのこだわり

私たちのスキームが「前払式支払手段」「資金移動業」「電子決済手段等取引業」といった厳しい規制の対象になってしまうと、現在の支援活動の継続自体が困難になってしまいます。今後のサービスの本格拡大を見据え、監督官庁である金融庁(フィンテック関連窓口)へ法的見解の事前相談を行う必要がありました。

ここで私には、もう一つの個人的な課題がありました。
持病(健康上の理由)により、オンラインや対面での長時間の面談・通話が難しかったのです。行政への相談といえば「まずは窓口へ出向くか、電話・オンライン会議で事情を説明する」のが一般的だと思われがちですが、私は「すべてテキスト(メールや書面)のみで完結させる」というアプローチをとることにしました。

準備がすべて:行政を動かした「3層構造」の技術仕様書

テキストのみで行政の担当者に複雑なWeb3システムを理解し、法的判断を下してもらうためには、何よりも「完璧な資料」が必要でした。

そこで、システムの挙動を法的・技術的な性質ごとに以下の「3層」に構造的に分離し、それぞれの資金の流れと権利の所在を明確にした技術仕様書を作り込みました。

1.オフチェーン層(無償ポイント): 利用者向けの決済・給付単位

2.オンチェーン層(SBT): 無価値の社会貢献証明

3.オンチェーン層(JPYC): 運営の自己勘定による資金決済(ガスレス寄付・加盟店精算)

さらに、「利用者がお金を払ってチャージする経路はゼロである」「利用者はJPYC等のステーブルコインに一切接触しない」という設計の根幹を強調し、法的論点(何が該当しないと考えるか)を徹底的に整理して、事前相談のメールを送信しました。

結果:わずか数時間で「完全ホワイト」の回答を獲得

結果は、想像以上にスムーズでした。

金融庁の担当者様からいただいたのは、私たちが構築した完全無償ポイントの付与と自己勘定によるJPYC決済のスキームであれば、「前払式支払手段、電子決済手段等取引業、資金移動業のいずれの登録も不要であると考えられる」という、これ以上ない明確なご回答でした。

分厚い仕様書と論点を最初に整理し切ったことで、行政との無駄なラリーを減らし、体調に負担をかけることなく、テキストベースのみで「完全ホワイト」のお墨付きを得ることができたのです。

Kaiaチェーンへの早期対応が功を奏した

今回、もう一つプロジェクトを大きく前進させる要因になった出来事があります。
私たちのサービスでは、寄付・決済の基盤として「JPYC」を活用しています。当初はPolygonチェーンのみを想定して開発を進めていましたが、JPYCが新たなチェーンである「Kaia」への対応を開始し、その後急激に取引量が増えてきたのを確認していたため、私たちは早い段階でPolygonとKaiaの両チェーンにシームレスに対応する設計へとシステムをアップデートしていました。

利用者が繋いでいるネットワークを自動判定し、どのチェーンでもガス代(POLやKaia)を負担せずに処理できるこのマルチチェーン対応をいち早く本番環境で完了させていたことが、結果的に大きく功を奏しました。こうした技術的なアジリティ(柔軟性)を高く保っていたことが、法的な壁を越え、プロジェクトをさらに前進させる大きな原動力と自信に繋がっています。


アイデアソンから半年。すべて自力でかたちにした日

振り返れば、この「そよぎポケット」の原点は、約半年前に参加したアイデアソンでした。

当時、有難いことに総合3位という評価をいただいたアイデアでしたが、私はそれを単なる「構想」で終わらせたくはありませんでした。誰かに開発を丸投げするのではなく、AIを駆使しすべて自力でコードを書き、実運用に向けた数々の改良を加えて、自分自身の手で実装し切ることにこだわってきました。

金融庁から法的クリアランスのお墨付きを得たこの日は、半年前のあのアイデアが真の意味で確かな「かたち」になり、社会実装のスタートラインに力強く立ったのだと実感できた、私にとって非常に感慨深い一日となりました。

次のステップへ

「活動が止まるかもしれない」という不安を完全に払拭し、JPYCを活用したシステムの本格稼働・拡大へ向けて、自信を持ってアクセルを踏むことができるようになりました。

Web3の技術は、使い方次第で既存の枠組みでは救えなかった人々を支援する強力なインフラになります。技術と法律、そして自分自身の体調の壁。それらをどう乗り越えて社会実装を進めていくか、これからもこのnoteで発信していきたいと思います。


【3つの支援の窓口】私たちの挑戦を応援してくださる方へ、3つの窓口を用意しています。

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活動全般への応援。私たちが日々行っている社会的弱者支援の活動そのものを支えてくださる方は、こちらのリンクから少額で結構ですのでご支援お願いいたします。
☆クレカや電子マネー支援⇩

☆JPYC(ステーブルコイン)での支援⇩※polygon・KaiaJPYC自動で両対応



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