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クリエイターのやる気とお金と創作物の搾取を防ぐ為に必要なコツ

はじめまして、介護と支援の相談どころ そよぎの代表、ヒロです。

普段は福祉の相談業務をお受けしている私ですが、日々さまざまな方とお話しする中で、個人のクリエイターさんが直面している「ある深刻な闇」がとても気になっています。

それは、企業やイベント主催者、時には知人から「いいように使われてしまい」、メリットよりもはるかに大きいデメリットを気づかずに背負わされている、という現実です。いわゆる「やりがい搾取」や「無償労働の強要」です。

せっかくのやる気やお金、そして血のにじむような努力で生み出した創作物が、誰かの都合のいい道具として消費されていくのを見るのは、本当に胸が痛みます。

そこで今回は、そんな搾取の罠を正しく見抜き、自分の理想とする活動へちゃんと進むための「現実的な防衛策とコツ」をお伝えしたいと思います。他人の人生をお預かりする福祉の世界と同じように、ここでも「甘い見積もり」は禁物です。厳しい現実を直視した上で、自分を守る術を身につけましょう。

クリエイターを狙う「甘い言葉」の罠

個人で活動していると、一見すると魅力的に思える提案が舞い込むことがあります。しかし、その裏には大きなリスクが隠れていることが少なくありません。よくある代表的な3つのパターンを見てみましょう。

①「今回は予算がないけれど、有名になれば次回から有料で発注するから」
これは最も古典的で、最も警戒すべき言葉です。「次回」の保証はどこにもありません。主催者側は、あなたの作品をタダ(あるいは格安)で手に入れるというメリットだけを享受し、あなたには「徒労に終わる幕切れになるかもしれない」という特大のデメリットとリスクだけが押し付けられています。

②「みんなで一緒にこのイベントを盛り上げる仲間(ボランティア)になってほしい
「仲間」や「応援」という綺麗な言葉でカモフラージュされていますが、イベント自体が商業目的であったり、主催者が利益を得る構造になっている場合、それは単なる「無償労働の強要」です。あなたのプロとしての技術や時間を、ボランティアという名目で都合よく搾取されている可能性が高いです。

③「実績作りのチャンスだから、まずはコンペ形式で作品を出してみて」
不採用になった作品の著作権やアイデアだけが主催者側に残り、後から類似のものが別ルートで使われるといったトラブルが後を絶ちません。参加するだけで時間とエネルギーを奪われ、見返りは「選ばれれば実績になる」というギャンブルのようなもの。割に合わないケースがほとんどです。

これらに共通しているのは、主催者側が「一切のリスクを負わずに、クリエイター側の善意や焦りにフリーライド(タダ乗り)している」という構造です。

搾取を見抜き、自分を守るための3つのコツ

では、こうした罠に引っかからず、対等で健全な関係を築くにはどうすればいいのでしょうか。意識すべき3つのコツがあります。

コツ1:自分の「最低防衛ライン」をあらかじめ決めておく
依頼が来てから考えるのではなく、活動を始める段階で「これ以下の金額では絶対に引き受けない」という絶対的な基準をノートなどに書いて決めておきましょう。自分の価値を自分で安売りしないことが、最大の防御になります。

※もし自分の作品の適正価格(相場)が分からない場合は?
ココナラやSKIMAなどのプラットフォームで、自分と同じようなスキルを持つ人がいくらで出品しているかをリサーチしてみてください。あるいは、「その作品を仕上げるのにかかる時間」を計算し、自分が納得できる時給から逆算して最低ラインを設定するのもおすすめの方法です。

コツ2:口約束は絶対にNG。「テキスト」で証拠を残す
「後できちんと支払うから」「うまく行ったら山分けしよう」といった口約束は、トラブルの元でしかありません。どんなに親しい間柄であっても、必ずメールやSNSのDMなど「文字として残る形」で条件を明記してもらいましょう。可能であれば、簡単な合意書を交わすのが理想です。文字に残すことを嫌がる相手とは、その時点で関わるのをやめるべきです。

コツ3:「認知拡大」という言葉の具体性を突っ込んで聞いてみる
「うちのメディアで紹介するから、宣伝になるよ」と言われたら、具体的に「月間のアクセス数はどのくらいですか?」「過去に紹介されたクリエイターさんのフォロワーはどれくらい増えましたか?」と、ビジネスとして突っ込んだ質問をしてみてください。言葉を濁したり、不機嫌になったりする相手なら、その「認知拡大」には何の価値もありません。

「断る恐怖」への向き合い方と、角を立てない断り方

そうは言っても、「せっかくのチャンスを断ったら、次がなくなるかもしれない」「お金の話を切り出すのが怖い」と感じる方は多いと思います。対人関係に不安を抱えていれば、なおさらです。

しかし、安心してください。あなたの技術や時間を買い叩こうとする相手を断ったとしても、失うものは何一つありません。むしろ、そんな相手と関わる時間を排除することで、本当にあなたを大切にしてくれる「本物のチャンス」を迎え入れるスペースが生まれます。

どうしても断るのが苦手な方のために、角を立てず、きっぱりと辞退できる文面のテンプレートを用意しました。そのままコピーして、状況に合わせて調整して使ってみてください。

【予算が合わない場合の断り方テンプレート】

〇〇様

お世話になっております。〇〇(自分の名前)です。
この度は、素敵な企画へのご提案をいただき、誠にありがとうございます。

大変魅力的なお話ではございますが、提示していただいた条件(または無償でのご協力)ですと、現在の私の制作クオリティを維持して作品をお届けすることが難しい状況です。

私自身、すべての作品に責任を持って全力で取り組むことを方針としており、大変恐縮ながら、今回は辞退させていただきたく存じます。

ご期待に沿えず大変申し訳ございません。
またの機会がございましたら、その際は何卒よろしくお願い申し上げます。

〇〇(自分の名前)
――——————————————————

この文面のポイントは、「相手を責めるのではなく、自分の制作方針(クオリティの維持)を理由にする」という点です。これなら相手のプライドを傷つけずに、プロとしての姿勢を示しながら綺麗に断ることができます。

理想の創作活動へ進むために

私は幼少期に虐待を受けたサバイバーとして、20代から福祉の現場を歩み続けた支援者として、正式な仕組みの隙間でこぼれ落ちる人々を見てきました。技術や知識を悪用され、搾取される当事者にも寄り添ってきました。そして30代にパワハラでうつを発症し、長い闘病の末に社会から外れた当事者でもあります。そうしたさまざまな「人間の理不尽や社会の構造」を見てきた私から見ても、誰かの優しさや情熱にタダ乗りして私腹を肥やす存在がいるのは、本当に悲しい現実だと感じます。

クリエイターの皆さんの「純粋なやる気」や「素晴らしい創作物」は、誰かの都合のいい道具にされていいものではありません。

あなたを本当に大切にしてくれる人は、あなたの時間と技術に敬意を払い、対等なビジネスパートナーとして扱ってくれます。そうした「健全な関係」の中で活動を続けることこそが、クリエイターとしての寿命を伸ばし、あなたの理想の未来へつながる唯一の道です。

自分の価値を信じて、賢く、毅然と、あなたの素晴らしい創作の世界を守っていってください。応援しています。


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