ある日、突然始まる家族の介護に。『おうち介護サポート・そよぎ』を完全無料でプレリリースしました
はじめまして、介護と支援の相談どころ そよぎの代表、ヒロです。
「福祉サポーターズ・サポート」シリーズや「そよぎ式AACアプリ」に続いて、新しいアプリのWeb版をプレリリース(事前公開)いたしました。
『おうち介護サポート・そよぎ』。特別な訓練を受けていない、ふつうのご家族のための、介護技術と知識のガイドです。完全無料です。
介護は、準備のできないまま、ある日突然始まることがあります。親が倒れた。配偶者が退院してくる。昨日まで元気だった人を、今日から自分が支えることになる。教わる時間も、そばに聞ける人もいないまま。
このアプリは、そんな「いきなり介護者になった家族」が、事故を起こす前に開ける一冊でありたいと思って作りました。
なぜこのアプリを作ったのか?
私は介護福祉士です。施設や通所リハビリ、障害者の居宅介護の現場で十数年、サービス提供責任者も務めながらたくさんのご家族を見てきました。
そして、忘れられない光景があります。良かれと思って一生懸命介護しているご家族ほど、無理な体勢で腰を痛め、抱え上げようとして一緒に転び、事故のあとに深く自分を責めてしまう。「あのとき無理をしなければ」という後悔は、人の心を壊すほど重いものです。
プロは、その技術を研修と練習で身につけます。でもご家族は、何も教わらないまま、いきなり本番に立たされます。腰の下ろし方ひとつ、ベッドから車いすへの移り方ひとつ、知っているかどうかで、ふたりの安全がまるで変わるのに。
福祉は、申請しないと始まりません。制度につながるまでには、時間がかかります。その「つながるまでの空白」に、無防備な家族介護が、今日も日本中で、世界中で始まっています。
だから、誰の許可も申請もいらず、いますぐ、無料で開ける介護の教科書を作りました。ブラウザで開くだけ。登録も、名前の入力も、お金も、一切いりません。
アプリでできること
大きく3つの柱があります。
🤲 ぎじゅつ(もちあげない介護の技術):まず「自分の腰を守る」ことから始まります。移動、移乗、ねがえり、起き上がり。力任せに持ち上げるのではなく、てこや重力を使って、女性やご高齢の方でも、力がなくても介助できる方法を、1画面1ステップの図解で説明します。おむつ交換、むせない食事の介助、口腔ケア、着替え、安全な入浴、歩行の見守りと転倒予防まで。13のカテゴリ、147のステップを収めました。
🚨 きけん(危険サインと、その場での対応):のどに詰まった、転んで動けない、脳卒中かもしれない、熱がある、床ずれの赤み。「これは救急を呼ぶ場面か、様子を見ていい場面か」の見分け方と、まずやることを、やさしい言葉でまとめました。反応がなくなったときのために、胸骨圧迫(心臓マッサージ)のやり方と、正しいリズムを刻むメトロノーム機能もつけています。
🌱 まもる(介護するあなた自身を守る):介護はまず、あなたが倒れないこと。腰の守り方、ひとりで抱え込まないこと、休むことは逃げではなく技術であること、相談できる先の種類。ここに、このアプリでいちばん伝えたいことを込めました。
いちばん伝えたかったこと
それは、「できないことは、プロに任せていい」ということです。
「家族が介護するのが一番」と、思い込まなくて大丈夫です。むずかしいこと、自信のないことは、事故が起きる前に専門職に任せてください。それは負けでも、愛情がないことでもありません。あなたと、大切な人の両方を守る、いちばん賢い判断です。
そして、これは声を大にして言いたいのですが、排泄や入浴のように、家族より他人(プロ)のほうが気楽だ、という当事者の方はたくさんいます。本人の尊厳にとっても、プロの手を借りたほうがいい場面は、確かにあるのです。
介護をぜんぶ抱え込むと、あなたは「介護者」になりきってしまい、娘や息子、妻や夫としての時間が消えていきます。プロに任せた分だけ、あなたは「家族」に戻れます。いっしょにお茶を飲んで笑う時間は、どんな介護技術より大切なものかもしれません。
技術を本気で伝えるアプリだからこそ、最後にこう言いたいのです。全部をひとりで背負わなくていい、と。
現場から生まれた設計
図解は、すべて線画で描き起こしました。写真を使わなかったのは、権利や撮影の問題もありますが、いちばんは「言葉に頼らず、絵だけで伝わる」ようにするためです。丸と矢印だけで動きが分かれば、どの国の言葉の人にも通じます。
そして中身は、机の上の理屈ではなく、現場の「決めごと」で作りました。前かがみが深すぎると前に転ぶこと。柵は本人に握ってもらうと介助が軽くなり、本人の力も保てること。おむつ交換で大事なのは手の速さより「ごめんね」と言わせない空気であること。栄養が足りないと、どんなに向きを変えても床ずれはできること。こうした一つひとつを、この一冊に込めました。
ただし、正直にお伝えします。骨がもろい方、関節が固まっている方、進行性の病気の方、医療機器を使っている方には、このアプリの「一般的なやり方」をそのまま使ってはいけません。その場合は必ず、主治医や訪問看護師、リハビリの専門職から、その方に合ったやり方を教わってください。このアプリは「まず開く一冊」であって、専門職の個別指導に代わるものではありません。
この一冊が、できるまで
正直に、作った過程をお話しします。
このアプリの制作は、AIチーム「そよぎラボ」に、まず一般的な介護のひな形を作ってもらうところから始まりました。ところが、出てきたたたき台を見て、私は驚きを隠せませんでした。あまりに内容が薄く、書かれている技術や知識が、私が現場を離れる前、10年以上前とほとんど変わっていなかったのです。
念のため、あらためて検索をかけ直しても、状況はほとんど変わりませんでした。それどころか、私が現場にいたころには「当たり前」だった知識すら、インターネット上にはほとんど見当たりません。日本だけの問題かと思い、検索を世界にまで広げました。それでも、情報はあまりに不足していました。
介護の本当に大切な知恵は、いま、ネットのどこにも十分には書かれていない。そう気づいたとき、腹をくくりました。
そこからは、私自身が学んだこと、現場で経験したこと、失敗から覚えたことを、書けるだけ書きました。最初のひな形から、内容はおよそ10倍にふくらみました。そのうえで、ひとりよがりにならないように、世界の介護技術や知識の常識、そして科学的な根拠と、一つひとつ照らし合わせました。さらに、世界中の人に使ってほしいアプリだからこそ、各国の法律に照らして問題がないかまで、入念に確認しました。
そうして、やっとのことで完成したのが、このアプリです。だから今回も、AIだけでも、私一人でも、決して作れませんでした。設計や実装、12言語への翻訳、細かな検証作業では、AIの力に大きく助けられました。けれど、その真ん中に入れる「中身」だけは、現場を生きた人間にしか書けないものだったのです。
医療・福祉の現場で働く方へ
このアプリは、訓練を受けていないご家族のために作りました。でも、作り終えたいま思うのは、介護の知識や技術に「足りなさ」を感じている、医療・福祉の現場の方にも、役に立つかもしれない、ということです。
教わる人が近くにいないまま任された。分野が変わって、介護の作法に自信が持てない。そんな瞬間は、専門職にも必ずあります。私が現場で拾い集めてきた知恵や工夫を、そういう仲間にも、遠慮なく参考にしてもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。
もちろん、私の経験がすべて正しいとは思っていません。「うちの現場ではこうだ」という声があれば、ぜひ教えてください。この一冊は、みんなで育てていくものだと思っています。
世界中の家族へ(12言語対応)
日本語・英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語・ポルトガル語・オランダ語・スウェーデン語・韓国語・中国語・アラビア語の12言語に対応しました。アラビア語は右から左に読む言語ですが、画面ごと反転して、きちんと使えるようにしています。
訓練を受けないまま家族を介護している人は、世界中にいます。言葉を選び直せば、現場で培った知恵は、国境を越えられると信じています。
軽くて、安心して使えるように
完全無料・広告なし・登録不要です。オフラインで動作するので、一度開けば、電波のない場所でも、深夜でも使えます。個人情報は一切収集しません。
介護のいちばん苦しいときに、料金の画面も、広告も、会員登録も、間に挟まってほしくない。その一心で作りました。
これからについて
まずはWeb版の先行公開です。スマートフォンでもパソコンでも、ブラウザからすぐお使いいただけます。
▼ おうち介護サポート・そよぎ(Web版)
Android版(Google Play)も準備を進めています。公開できましたら、あらためてご報告いたします。
「この手順が知りたい」「うちではこう工夫している」。そんな声こそが、このアプリを育てます。ぜひお聞かせください。
今日、突然介護が始まってしまった誰かの、最初の一歩を、そっと支えられますように。
【3つの支援の窓口】
私たちの挑戦を応援してくださる方へ、3つの窓口を用意しています。
そよぎは、月およそ6万3千円で動いています。およそ2,300円のご支援でメタバースのサーバーが1ヶ月動き、およそ5,000円で新しいアプリを1本、審査に出せます。お金の流れは、こちらの記事ですべて公開しています⇩
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