技術士第一次試験『R05基礎科目』5群:環境・エネルギー・技術に関するもの|全6問【解説】
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「問題文」
Ⅰ-5-1
生物多様性国家戦略2023-2030に記載された、日本における生物多様性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① 我が国に生息・生育する生物種は固有種の比率が高いことが特徴で、爬虫類の約6割、両生類の約8割が固有種となっている。
② 高度経済成長期以降、急速で規模の大きな開発・改変によって、自然性の高い深林、草原、農地、湿原、干潟等の規模や質が著しく縮小したが、近年では大規模な開発・改変による生物多様性への圧力は低下している。
③ 里地里山は、奥山自然地域と都市地域との中間に位置し、生物多様性保全上重要な地域であるが、農地、水路・ため池、農用林などの利用拡大等の変化により、里地里山を構成する野生生物の生息・生育地が減少した。
④ 国外や国内の他の地域から導入された生物が、地域固有の生物相や生態系を改変し、在来種に大きな影響を与えている。
⑤ 温暖な気候に生育するタケ類の分布の北上や、南方系チョウ類の個体数増加及び分布域の北上が確認されている。
「日本技術士会」HP
Ⅰ-5-2
大気汚染物質に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① 二酸化硫黄は、硫黄分を含む石炭や石油などの燃焼によって生じ、呼吸器疾患や酸性雨の原因となる。
② 二酸化窒素は、物質の燃焼時に発生する一酸化窒素が、大気中で酸化されて生成される物質で、呼吸器疾患の原因となる。
③ 一酸化炭素は、有機物の不完全燃焼によって発生し、血液中のヘモグロビンと結合することで酸素運搬機能を阻害する。
④ 光化学オキシダントは、工場や自動車から排出される窒素酸化物や揮発性有機化合物などが、太陽光により光化学反応を起こして生成される酸化性物質の総称である。
⑤ PM2.5は、粒径10μm以下の浮遊粒子状物質のうち、肺胞に最も付着しやすい粒径2.5μm付近の大きさを有するものである。
「日本技術士会」HP
Ⅰ-5-3
日本のエネルギーに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① 日本の太陽光発電導入量、太陽電池の国内出荷量に占める国内生産品の割合は、いずれも2009年度以降2020年度まで年々拡大している。
② 2020年度の日本の原油輸入の中東依存度は90%を上回り、諸外国と比べて高い水準にあり、特に輸入量が多い上位2か国はサウジアラビアとアラブ首長国連邦である。
③ 2020年度の日本に対するLNGの輸入供給源は、中東以外の地域が80%以上を占めており、特に2012年度から豪州が最大のLNG輸入先となっている。
④ 2020年末時点での日本の風力発電の導入量は4百万kWを上回り、再エネの中でも相対的にコストの低い風力発電の導入を推進するため、電力会社の系統受入容量の拡大などの対策が行われている。
⑤ 環境適合性に優れ、安定的な発電が可能なベースロード電源である地熱発電は、日本が世界第3位の資源量を有する電源として注目を集めている。
「日本技術士会」HP
Ⅰ-5-4
天然ガスは、日本まで輸送する際に容積を小さくするため、液化天然ガス(LNG, Liquefied Natural Gas)の形で運ばれている。0〔℃〕、1気圧の天然ガスを液化すると体積は何分の1になるか。次のうち最も適い値はどれか。
なお、天然ガスは全てメタン(CH₄)で構成される理想気体とし、LNGの密度は温度によらず425〔kg/m³〕で一定とする。
① 1/400 ② 1/600 ③ 1/800 ④ 1/1000 ⑤ 1/1200
「日本技術士会」HP
Ⅰ-5-5
労働者や消費者の安全に関連する次の(ア)~(オ)の日本の出来事を年代の古い順から並べたものとして、適切なものはどれか。
(ア)職場における労働者の安全と健康の確保などを図るために、労働安全衛生法が制定された。
(イ)製造物の欠陥による被害者の保護を図るために、製造物責任法が制定された。
(ウ)年少者や女子の労働時間制限などを図るために、工場法が制定された。
(エ)健全なる産業の振興と労働者の幸福増進などを図るために、第1回の全国安全週間が実施された。
(オ)工業標準化法(現在の産業標準化法)が制定され、日本工業規格(JIS、現在の日本産業規格)が定められることになった。
① ウ - エ - オ - ア - イ
② ウ - オ - エ - ア - イ
③ エ - ウ - オ - イ - ア
④ エ - オ - ウ - イ - ア
⑤ オ - ウ - ア - エ - イ
「日本技術士会」HP
Ⅰ-5-6
科学と技術の関わりは多様であり、科学的な発見の刺激により技術的な応用がもたらされることもあれば、革新的な技術が科学的な発見を可能にすることもある。こうした関係についての次の記述のうち、不適切なものはどれか。
① 望遠鏡が発明されたのちに土星の環が確認された。
② 量子力学が誕生したのちにトランジスターが発明された。
③ 電磁波の存在が確認されたのちにレーダーが開発された。
④ 原子核分裂が発見されたのちに原子力発電の利用が始まった。 ⑤ ウイルスが発見されたのちにワクチン接種が始まった。
「日本技術士会」HP
【解説】
Ⅰ-5-1
この問題は生物多様性に関する記述の中で「最も不適切なもの」を選ぶ問題です。正答は③番ですが、なぜ③が不適切なのかを説明します。
各選択肢の検討
① 日本の生物種の固有種比率が高いという記述は正しいです。日本は島国で、長い間大陸から隔離されていたため、独自の進化を遂げた固有種が多く存在します。
② 高度経済成長期(1950年代後半~1970年代前半)に大規模開発が行われ自然環境が大きく改変されたが、近年はその圧力が低下しているという記述は正しいです。
④ 外来種問題についての記述で、これは現在も深刻な環境問題として認識されており正しいです。
⑤ 地球温暖化の影響で南方系の生物が北上しているという記述は正しいです。
③が不適切な理由
問題文では「里地里山を構成する野生生物の生息・生育地が減少した」と過去形で書かれていますが、これは現在進行形の問題です。
里地里山の生物多様性の減少は、
継続的な問題:農業従事者の高齢化、農地の放棄、管理不足などにより、現在も里地里山の生物多様性は減少し続けています。
現在も進行中:過去に起こった問題ではなく、現在も活発に進行している問題です。
時制の誤り:「減少した」ではなく「減少している」「減少が続いている」という表現が適切です。
このように、③は里地里山の生物多様性減少を過去の完了した問題として記述している点で不適切であり、実際には現在も継続している深刻な問題であるため、正答となります。
Ⅰ-5-2
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技術士第一次試験『R05基礎・適性科目』全45問【解説】
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