技術士R07対策版|R01~R06【16情報工学部門】必須問題Ⅰ『解答論文例:12題』-解答骨子例付き-
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📅R01年度
R01_I-1「過去問題」
情報システムに限らず、現在のシステムのアーキテクチャは、巨大な1つの設備上に構築する集中制御から、小規模な設備上のより小さなシステム要素による分散協調連携制御へと大きく変化している。そうしたシステムの設計において、回路やネットワーク、ソフトウェアやシステムのシステム(System of Systems)などにおいて、さまざまなレベルでの要素分割と機能の配置及び要素間の連携は重要項目である。これに関して次の問いに答えよ。
(1)要素分割の良さをどのように評価するかを概説した上で、実際に要素分割を行うに当たっての課題を述べよ。
(2)要素分割の具体例を示し、(1)に挙げた課題がどのように解決されるか示せ。
(3)(2)の分割例における要素間連携インタフェースに着目して、リスクを評価し、その対策を述べよ。
(4)分散協調連携システムの設計・運用において必要となる要件や留意点を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。
R01_I-1 <解答骨子例>
1.要素分割の良さとその課題
1) 要素分割の良さの評価
・柔軟性
・スケーラビリティ
2) 要素分割の課題
・粒度の決定
・インタフェース設計の複雑さ
2.要素分割の具体例と課題解決策
1) マイクロサービスアーキテクチャの例
・独立開発・デプロイ
・柔軟性向上
2) 課題解決策
〇適切な粒度の決定
・ドメイン駆動設計(DDD)
〇インタフェース設計の複雑さ軽減
・標準化されたプロトコルの採用
〇通信遅延と障害対策
・リトライ機構やタイムアウト設定
3.要素間連携インタフェースのリスクと対策
1) リスク評価
・通信の遅延リスク
・データ整合性のリスク
・認証、認可のリスク
2) 対策
・通信の遅延対策 → サービス間通信の軽量化
・データ整合性対策 → イベントソーシング
・データ整合性対策 → CQRS(Command Query Responsibility Segregation)
・認証、認可対策 → OAuth2やJWTの利用
4.分散協調連携システムの設計・運用の要件と倫理的考察
1) 技術的要件
・セキュリティ
・スケーラビリティ
・可用性
2) 社会的視点
・持続可能性
・透明性
3) 倫理的視点
・公正性
・プライバシー保護
R01_I-2「過去問題」
顧客対応の情報システムにおいて、提供するサービスの顧客別カスタマイゼーションと処理のリアルタイム化は重要な差別化機能となる。ある宅配事業者が全国に配置する拠点に対して、スマートフォンのアプリやセンサ、位置情報等を活用し、集荷・配荷指示をリアルタイムに発行し、実行結果をリアルタイムに収集するなど、宅配事業の高収益化とサービス品質の向上を実現する情報システムを構築することになった。このシステムの設計に際して、次の問いに答えよ。
(1)システムの設計に当たって、想定されるステークホルダごとの要件を抽出し分析せよ。
(2)抽出した要件のうち最も重要と考える要件を挙げ、その要件に対する複数の解決策を示せ。
(3)それらの解決策を評価し、解決しきれない共通の課題と対策を挙げよ。
(4)上記の業務遂行において必要な要件や留意点を、情報工学の技術者として、倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。
R01_I-2 <解答骨子例>
1.ステークホルダーごとの要件分析
1. 宅配事業者
・運用効率の向上
・コスト削減
2. 配達員
・業務効率の向上
・安全性の確保
3. 顧客
・サービスの柔軟性
・通知機能
4. 管理者
・運用管理の効率化
・データ分析
2.最も重要な要件とその解決策
〇最も重要な要件
・リアルタイム配荷指示の最適化
1. クラウドベースの配荷管理システムの導入
・概要
・メリット
2. AIによるルート最適化アルゴリズムの実装
・概要
・メリット
3. IoTセンサーによるリアルタイム状況把握
・概要
・メリット
3.解決策の評価と共通課題
1)解決策の評価と共通課題
1. クラウドベースの配荷管理システム
・評価
・課題
2. AIによるルート最適化アルゴリズム
・評価
・課題
3. IoTセンサーによるリアルタイム状況把握
・評価
・課題
2)共通課題と対策
・課題
・対策
4.必要な要件と留意点
1. データプライバシーの保護
・要件
・留意点
2. 持続可能性の確保
・要件
・留意点
3. 技術者としての倫理
・要件
・留意点
4. 社会的インパクトの考慮
・要件
・留意点
📅R02年度
R02_I-1「過去問題」
次世代モバイルネットワークである5G(第5世代移動通信システム)のサービスが開始される。5Gが提供する主な特徴は、高速大容量、高信頼性低遅延、大量端末接続である。前述の3つの特徴の中から1つ以上を生かした被災地域で使用するシステムを検討する。被災地域で使用する機器の設計あるいは被災地域で利用するサービスの設計をする観点から次の問いに答えよ。
(1)技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点とともに示せ。
(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)解決策を実行した上で生じる波及効果と専門技術を踏まえて懸念事項への対応策を示せ。
(4)業務遂行に当たり、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。
R02_I-1 <解答骨子例>
1.被災地における5G活用の課題の抽出と観点
1. 通信インフラの復旧と確保
・観点:緊急通信確保
・課題の内容:インフラ破壊からの復旧困難
2. リアルタイム情報共有
・観点:救援活動効率化
・課題の内容:迅速な情報共有が不可欠
3. 大量端末接続
・観点:端末の一斉管理
・課題の内容:多数端末の同時接続要求
2.最重要課題と解決策
〇最重要課題
・通信インフラの復旧と確保
1. 移動基地局の迅速展開
・概要:迅速なインフラ展開と通信確保
2. ローカル5Gネットワークの導入
・概要:特定エリアの迅速な通信構築
3. 緊急通信システムの構築
・概要:連携強化と状況リアルタイム共有
3.波及効果と懸念事項の対応策
1. 波及効果
・迅速な通信インフラ復旧
・救援活動の効率化
・避難者の安心感向上
2. 懸念事項と対応策
・通信インフラの脆弱性
・セキュリティリスク
・コストの問題
4.技術者倫理と持続可能性
1. 技術者倫理
・要件:誠実・専門的な姿勢で任務遂行
2. 社会の持続可能性
・貢献:復興加速と経済再建支援
R02_I-2「過去問題」
小売業の会社において、キャッシュレス決済のシステム導入を検討している。利用者提示型のコード決済であり(顧客がスマホでQRコードやバーコードを提示し、それをスキャンすることで決済する)、自社が独自に顧客に提供するシステムである(他社のコード決済事業者を利用しない)。システム構成としては、顧客が所有する市販のスマートフォン、小売業の店舗に設置するキャッシュレス端末、キャッシュレス端末の決済データに基づき決済処理を行う決済システムとする。この会社の情報システム部門の立場から、
このシステムの非機能要件(NFR:Non Functional Requirements)に関して、次の問いに答えよ。
(1)技術者としての立場で、多面的な観点から重要と考えられる非機能要件を抽出し、その内容を示せ。
(2)抽出した要件のうち最も重要と考える要件を1つ挙げ、その要件に対する複数の解決策を示せ。
(3)上記(2)で挙げた解決策が要件を充分に満たしているか否かを評価する方法を示せ。
(4)業務遂行に当たり、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。
R02_I-2 <解答骨子例>
1.非機能要件の抽出と内容
1. 信頼性(システムの安定稼働)
・課題の内容:高い可用性と迅速な復旧
2. 安全性(顧客情報の保護)
・課題の内容:強固なセキュリティ対策の実施
3. 性能(高速な処理能力)
・課題の内容:迅速な決済処理の実現
4. 拡張性(将来的なシステム拡張)
・課題の内容:柔軟なシステム設計が必須
5. ユーザビリティ(顧客の使いやすさ)
・課題の内容:直感的な操作性の提供
6. 互換性(他システムとの連携)
・課題の内容:円滑なデータ連携と統合
7. 運用性(維持管理の容易さ)
・課題の内容:容易な監視とメンテナンス
2.最重要非機能要件と解決策
・最重要非機能要件
・安全性(顧客情報の保護)
・解決策1:データの暗号化
・概要:通信と保存データの保護
・解決策2:二要素認証
・概要:認証強度の向上対策
・解決策3:セキュリティ監視システム
・概要:不正アクセスの早期検知
・解決策4:セキュリティポリシーの策定と教育
・概要:従業員の意識向上と徹底
3.安全性確保の評価方法
・評価基準1:ペネトレーションテスト
・概要:脆弱性の検出と修正
・評価基準2:セキュリティ監査
・概要:セキュリティ体制の評価
・評価基準3:侵入検知システムの運用状況
・概要:不正アクセスの対応分析
・評価基準4:ユーザー認証の強度
・概要:認証強度と不正試行監視
4.技術者倫理と持続可能性の観点
1. 技術者倫理
・要件:プライバシー尊重と情報保護
2. 社会の持続可能性
・貢献:資源節約と環境負荷低減
📅R03年度
R03_I-1「過去問題」
これまでインターネット等のネットワークに接続していなかった機器が通信機能を持ち、ネットワークに接続して動作するIoT(Internet of Things)が急速に普及している。ネットワークに接続されたIoT機器がマルウェアに感染したり、乗っ取られることにより、社会の安全に影響を及ぼしたり、重要な情報が漏えいした事例が報告されている。
このような状況を踏まえて、下記の問いに答えよ。
(1)IoT機器特有の性質を踏まえて、技術者としての立場で多面的な観点から3つ課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。
(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)すべての解決策を実行して生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。
(4)前問(1)~(3)の業務遂行において必要な要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。
R03_I-1 <解答骨子例>
1.IoT機器の課題
〇課題1:セキュリティ観点からの課題
・観点:リソース制約による対策不足
・課題の内容:外部攻撃と悪意ある感染
〇課題2:プライバシー保護の課題
・観点:生活・行動データ収集
・課題の内容:個人情報の不正利用リスク
〇課題3:互換性と標準化の課題
・観点:異なるメーカー間の差異
・課題の内容:相互運用性と効率低下
2.最も重要な課題とその解決策
〇最重要課題
・セキュリティ観点からの課題
〇解決策1. 強固な認証と認可システムの導入
・不正アクセスからの保護
〇解決策2. セキュリティパッチの定期的な適用
・既知の脆弱性への対処
〇解決策3. 暗号化技術の導入
・データ盗聴からの保護
3.波及効果と懸念事項への対応策
〇波及効果
・セキュリティ強化の普及促進
・技術革新の促進
〇懸念事項
・運用コストの増加
→予算配分の最適化
・一部の機器が適合しない可能性
→段階的な導入計画
4.倫理と社会の持続可能性への観点
1. 技術者倫理
・要件:プライバシー保護と安全確保
2. 社会の持続可能性
・貢献:デジタル社会の持続的発展
・プライバシー保護
・公平性の確保
R03_I-2「過去問題」
近年、日本の行政サービスのデジタル化が推進されている。その一環で、スマートフォンを活用した「事務手続」や「住民への情報提供」が可能になってきている。今後、住民が広く継続的に行政サービスを利用することを念頭に置いた場合には、スマートフォンで動作するアプリケーションソフトウェアを開発することがさらに増えてくると考えられる。このような状況を踏まえて、下記の問いに答えよ。
(1)技術者としての立場で、多面的な観点から3つ課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。
(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)すべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
(4)前問(1)~(3)の業務遂行において必要な要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。
R03_I-2 <解答骨子例>
1.システムのデジタル化における課題
1.セキュリティの確保
・観点:個人情報オンライン取扱
・課題の内容:不正アクセス、情報漏洩
2.アクセシビリティの確保
・観点:利用者層の多様性考慮
・課題の内容:高齢者・障害者の利用制限
3.ユーザーエクスペリエンスの向上
・観点:行政サービスの効率利用
・課題の内容:複雑な手続き、不明瞭なUI
2.最重要課題とその解決策
〇最重要課題
・セキュリティの確保
〇解決策1:強固な認証手法の導入
・不正アクセスリスク軽減
〇解決策2:定期的なセキュリティ監査の実施
・継続的な脆弱性対策
3.新たなリスクとその対策
〇リスク:テクノロジーの急速な進化による新たな脅威
→量子コンピュータの登場
〇リスク対策:最新のセキュリティ対策の導入と研究
→脅威への対策と技術進化追跡
4.倫理と持続可能性の観点からの要件
〇倫理
・プライバシー保護
・公正なサービス提供
〇持続可能性
・環境負荷低減
・アクセシビリティ確保
📅R04年度
R04_I-1「過去問題」
デジタル社会が目指す教育を支える基盤として、誰もがどこからでも、自分らしく学べる環境基盤の実現や教育関連データを活用した教育品質の向上、サービスの開発が検討されている。教育データの利活用では、中央集約的なデータベース配備ではなく、教育機関、教材提供者、教育サービス提供者などの各機関で発生、管理されるデータを連携、活用することが想定される。リカレント教育や人材の流動化の促進を支援するため、社会人向けに学習成果の可視化や学習機会の提案・提供を行うサービスの開発・導入や運用を行う観点から、次の問いに答えよ。
(1)技術者としての立場で、多面的な観点から3つ課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。
(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)すべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対応について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
(4)前問(1)~(3)の業務遂行において必要な要件を、技術者としての倫理、社会への持続可能性の観点から述べよ。
R04_I-1 <解答骨子例>
1.課題の抽出
〇観点1:データ連携
・課題:安全かつ効率的な連携基盤
〇観点2:データプライバシー
・課題:個人情報保護とデータ活用
〇観点3:データ標準化
・課題:データ形式の統一と相互運用性
2.データ連携の課題に対する解決策
〇最重要課題
・データ連携
〇解決策1:分散型データ連携基盤の構築
・ブロックチェーン等活用
→データ漏洩リスク軽減
〇解決策2:データ標準化と相互運用性の確保
・標準化と関係者協議
→円滑なデータ交換実現
〇解決策3:プライバシー保護技術の導入
・ゼロ知識証明等による匿名化
→個人特定を排除したデータ活用
3.リスクと対応
1.解決策の実施によるリスク
・データ漏えいやプライバシー侵害のリスク
・データ品質の低下や信頼性の欠如のリスク
・システム間の相互運用性の欠如のリスク
2.対応策
・データ暗号化と厳格なアクセス制御の導入
→内部・外部脅威からの保護
・データガバナンスの確立とデータ精査プロセスの構築
→統治体制整備と品質保証
・データ標準と相互運用性ガイドラインの継続的な見直し
→定期的な見直しと改訂
4.倫理と持続可能性の観点
1.倫理的配慮
・学習者のプライバシーと個人情報保護を最優先
→インフォームドコンセント
→同意取得の徹底
2.持続可能な社会
・メリットとプライバシーのバランスを常に考慮
→リスクの事前評価
→バランスの意識
3.公平性の確保
・公平性とデータへのアクセス機会の確保を追求
→機会の均等性
→アクセス制限の排除
4.相互運用性の維持
・システムの相互運用性とデータポータビリティを追求
・排他的な環境を作らない
→移植性の確保
→自由な選択の保障
5.信頼性の向上
・システムのセキュリティと信頼性を常に維持・向上
→脆弱性診断の実施
→セキュリティ対策強化
R04_I-2「過去問題」
近年、深層学習の利活用の拡がりに見られるように、出力が決定論的に一意に決まらない特性を持ったソフトウェア技術の社会実装が進んでいる。例えば、生活一般の身近な用途から特定産業の特殊用途まで、様々な業界で、学習、認識、制御、探索、推論などを担う非決定論的ソフトウェアが使われるようになっている。このようなシステムでは運用を通して機能・性能が変化するという特性があり、有効に利活用するためには、開発や運用のプロセスや手法において、これまでとは異なる観点からの取組が必要である。シス
テムの技術特性を踏まえたうえで、次の問いに答えよ。
(1)非決定論的なソフトウェア技術の利活用が社会に影響を及ぼす例を具体的に挙げ、技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。
(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行して生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。
(4)前問(1)~(3)の業務遂行に当たり、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意点を題意に即して述べよ。
R04_I-2 <解答骨子例>
1.非決定論的ソフトウェア技術の事例と課題
〇観点1:データの公平性と倫理
・課題:偏り判断、倫理問題発生
→学習データの偏り
〇観点2:説明責任と透明性
・課題:判断過程不明、信頼性低下
→ブラックボックス化
〇観点3:安全性と制御可能性
・課題:予期せぬ動作、安全確保
→予測不可能性
2.最重要課題への解決策
〇最重要課題
・説明責任と透明性
1. 解釈可能なモデルの開発
・概要:判断根拠の可視化
→人間が理解できる説明
2. 因果推論による説明
・概要:理由・根拠の推論
→因果関係に基づいた説明
3. モデル検証とテスト
・概要:動作の徹底的テスト
→予期せぬ動作の防止
3.解決策の波及効果と懸念事項への対応
〇波及効果
・非決定論的システムの信頼性向上
・システムの倫理性や公平性の確保
・新たな説明手法の確立
〇懸念事項と対応策
・解釈可能性を高めるとモデルの性能が低下する可能性
→アーキテクチャの工夫
→モデル圧縮技術の活用
・説明のための計算コストが増大し、リアルタイム性が損実
→高速化技術の開発
→クラウド環境での運用
・説明が不十分な場合、責任の所在が不明確になる恐れ
→法制度の整備
→倫理教育の実行
4.遂行上の要件と留意点
1.技術者倫理
・公平性と説明責任
・社会への影響意識
2.専門知識
・最新動向の把握
・適切な技術選択
3.関係者連携
・密な情報共有
・議論の実施
4.社会的影響
・多角的な検討
・リスクの最小化
5.持続可能性
・長期的な視点
・社会環境への配慮
📅R05年度
R05_I-1「過去問題」
生成AIの技術レベルが著しく向上し、用途も広がっている一方で、その利活用・普及に伴う社会的課題も顕在化してきている。このような状況を踏まえ、生成AIを活用する具体的な情報サービスを想定し、その構築や運用を行う立場で以下の問いに答えよ。
(1)技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、情報工学部門の専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(2)で示した解決策を実行して生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。
(4)前問(1)~(3)の業務遂行に当たり、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意点を題意に即して述べよ。
R05_I-1 <解答骨子例>
(1)生成AIサービスの課題
1.倫理観点
・課題:人権・個人情報保護
→プライバシー侵害の可能性
2.技術観点
・課題:システムの健全性とセキュリティ確保
→誤情報生成や外部脅威
3.社会観点
・課題:正確な情報の流通と社会的影響
→誤情報拡散による悪影響
(2)最重要課題と解決策
〇最重要課題
・システムの健全性とセキュリティ確保
〇解決策1
・ロバストなフィルタリングとAI生成物の検証プロセスを構築
・不適切コンテンツのブロック
〇解決策2
・セキュリティ対策
・AI生成物の電子署名や証明書の付与を検討
・改ざんや無断利用の防止
〇解決策3
・AIモデルの事前学習データの精査
・バイアス除去アルゴリズムを導入
・偏りのない出力の実現
(3)波及効果と懸念事項への対応
〇波及効果1
・健全で信頼できるAIサービス
→社会的受容性と普及の促進
〇波及効果2
・AIの透明性とアカウンタビリティの確保
→倫理的懸念の緩和
〇懸念事項1
・セキュリティ対策の強化によるシステムコストの増大への対応
→処理負荷の分散
〇懸念事項2
・AIの偏りや誤りを完全に除去することの困難性
→人的介入と監視体制
(4)技術者の倫理と持続可能性への配慮
〇生命尊重と人権擁護
・安全公平プライバシー
〇AI恩恵の持続
・社会的影響の意識
〇利害関係者との対話
・多様な意見の尊重
〇技術発展と課題
・柔軟な対応力
・継続的な改善
R05_I-2「過去問題」
農業従事者や関連事業者の高齢化や労働力不足が進んでいる。デジタル技術を活用して効率の高い営農を実行しつつ、消費者ニーズを捉え、消費者が価値を実感できる形で農産物・食品を提供していくことが求められている。このようなデータ活用による農業の変革について具体例を想定し、最新技術を活用する立場で以下の問いに答えよ。
(1)技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、情報工学部門の専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(2)で示した解決策を実行して生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。
(4)前問(1)~(3)の業務遂行に当たり、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意点を題意に即して述べよ。
R05_I-2 <解答骨子例>
(1)技術者としての立場から見た3つの課題
〇観点1:データの収集・管理
・課題:高精度データと適切管理
〇観点2:デジタル技術の導入
・課題:先端技術と受け入れ
〇観点3:持続可能性の確保
・課題:生産性向上と環境負荷軽減
(2)最も重要な課題とその解決策
〇最重要課題
・データの収集・管理
〇解決策1
・IoTセンサーやドローンなどを活用した農地の環境データ収集
→農地環境データの収集
〇解決策2
・AIによるデータ解析と最適な栽培管理の提案
→最適な栽培管理
〇解決策3
・クラウドを利用したデータの一元管理と共有プラットフォームの構築
→データの一元管理
(3)波及効果と懸念事項への対応
〇波及効果1
・収量と品質の向上による農家所得の増加
→農家所得の増加
〇波及効果2
・食品ロス削減と需給マッチングの向上によるフードチェーンの最適化
→フードチェーンの最適化
〇懸念事項1
・プライバシーとデータセキュリティの確保
→データ匿名化の実施
→アクセス制限の実施
〇懸念事項2
・AIなど新技術への不安と導入コストの高さ
→丁寧な説明と支援制度
→クラウド利用のコスト削減
(4)技術者倫理、社会持続可能性から要件・留意点
①技術者倫理
〇倫理的要件
・個人情報保護とデータの適正利用
・公平性の確保とAIにおけるバイアスの排除
・新技術の説明責任
〇倫理的留意点
・デジタル格差
・社会受容性の対話
・ステークホルダーとの意見交換
②社会持続可能性
〇持続可能性要件
・長期的な食料安全保障
・地産地消の推進
・循環型農業の推進
〇持続可能性留意点
・環境負荷の最小化
・次世代への技術継承
・再生可能エネルギーの活用
〇社会的要件
・地域コミュニティとの協調
・新旧技術の融合
〇経済的要件
・事業の継続性と収益性
・政府支援制度の活用
📅R06年度
R06_I-1「過去問題」
小規模企業者は、社会経済において重要な役割を担う一方で、内部経営資源が潤沢ではないことから、今まではデジタル技術の利活用が容易ではなかった。一方、昨今のクラウドサービスの進展に伴い、利活用の障壁が低くなってきており、小規模であることが必ずしも不利ではない状況が生じている。小規模企業者がユーザーとしてクラウドサービスを自社業務に利活用するため、情報工学分野で助言を行う技術者の立場で、業種・業務を具体的に想定したうえで、小規模企業者が置かれている状況を踏まえて以下の問いに答えよ。
中小企業基本法第二条5
この法律において「小規模企業者」とは、おおむね常時使用する従業員の数が二十人(商業又はサービス業に属する事業を主たる事業として営む者については、五人)以下の事業者をいう。
(1)技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、情報工学部門の専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行して生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。
(4)前問(1)~(3)の業務遂行に当たり、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意点を題意に即して述べよ。
R06_I-1 <解答骨子例>
1.小規模企業の課題
①観点1「技術力向上」
・人材、資金不足による最新技術対応の遅れ
・高度技術分野における競争力低下
②観点2「品質管理」
・国際品質基準に基づく管理プロセスの未整備
・組込システムの品質確保体制の不足
③観点3「セキュリティ対策」
・包括的セキュリティ戦略の未確立
・サイバー攻撃対策の遅延
2.最重要課題およびその解決策
〇最重要課題
・技術力向上の緊急性
・競争力維持に向けた先端技術対応の必要性
〇解決策1「オープンソース技術活用による学習機会創出」
・低コストでの技術習得機会の提供
・実践的なハードウェア開発スキルの養成
〇解決策2「クラウド開発環境の戦略的導入」
・計算リソースの効率的活用
・開発プロセスの自動化推進
〇解決策3「産学連携による技術力強化」
・先端分野における知識・経験の獲得
・高度技術開発への取組み強化
3.解決策実行に伴う波及効果、懸念事項及びその対応策
◇波及効果
・市場競争力の向上とリソース最適化
・革新的製品開発と人材育成の促進
◇懸念事項及び対応策1「セキュリティ対策の強化」
・脆弱性増加への対応
・多層的セキュリティ体制の構築
◇懸念事項及び対応策2「業務プロセスの最適化」
・既存プロセスの混乱防止
・柔軟な開発体制の確立
◇懸念事項及び対応策3「知的財産の適切な管理」
・権利関係の複雑化への対応
・管理体制の整備と専門家連携
4.業務遂行に必要な要件・留意点
1)技術者としての倫理の観点
・社会的影響を考慮した技術導入
・公正な研究成果管理と情報保護
2)社会の持続可能性の観点
・環境負荷低減への取組み
・社会的公平性の確保と地域貢献
R06_I-2「過去問題」
NISTゼロトラストアーキテクチャ(NIST SP800-207)では、すべての情報資源を信頼しない前提のセキュリティモデルを定義している。ゼロトラストモデルを適用する情報サービスの具体的なユースケースを想定し、情報サービスを構築及び運用する技術者として以下の問いに答えよ。
(1)技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。
(2)前間(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、情報工学部門の専門技術用語を交えて示せ。
(3)前間(2)で示したすべての解決策を実行して生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。
(4)前間(1)~(3)の業務遂行に当たり、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意点を題意に即して述べよ。
R06_I-2 <解答骨子例>
1.ゼロトラスト実装の課題
〇観点1:システムアーキテクチャ設計
・マイクロサービス化によるシステム分割と通信の暗号化
・システム全体の複雑性増大への対応
〇観点2:認証・認可技術
・MFAと継続的認証の実装
・認証処理の負荷とユーザビリティの両立
〇観点3:ネットワークセキュリティ
・SDNを活用した動的アクセス制御の実現
・ポリシー管理の複雑化への対応
2.最重要課題およびその解決策
〇最重要課題
・ネットワークセキュリティにおける動的アクセス制御の実装
・「常に検証」の実現に向けた取り組み
▽解決策1:SDNによる動的制御の実現
・OpenFlowプロトコルを用いたネットワーク制御
・状態変化に応じた即時のアクセス権限変更
▽解決策2:属性ベースの権限管理
・XACMLによる多属性アクセス制御の定義
・PDPを用いたリアルタイム権限制御
▽解決策3:AIによる異常検知と制御
・機械学習による行動パターン分析
・深層学習を用いた攻撃検知の精度向上
3.解決策実行に伴う波及効果、懸念事項及びその対応策
◇波及効果
・セキュリティと運用効率の向上
・コンプライアンス対応とビジネス俊敏性の実現
◇懸念事項及び対応策1:処理性能の低下
・エッジコンピューティングによる処理分散
・FPGAを用いた暗号化処理の効率化
◇懸念事項及び対応策2:運用管理の煩雑化
・IaCとAnsibleによる自動化
・UMLを用いたポリシー管理の可視化
◇懸念事項及び対応策3:誤検知への対策
・フェールセーフモードによる段階的対応
・CI/CDによるAIモデルの継続的改善
4.業務遂行に必要な要件・留意点
1)技術者としての倫理の観点
・個人情報保護とAIの説明責任の確保
・属性による差別の防止と公平性の担保
2)社会の持続可能性の観点
・環境負荷低減とデジタルデバイドの解消
・システムレジリエンスと継続的改善の実現
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R01_I-1【解答論文例】
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