日本的セラピーの提案─祈りと行動をつなぐ営み
日本でカウンセリングやセラピーが欧米のように一般化しにくい理由について、かつてアメリカに住むスタッフがこんなことを言ったことがあります。
「日本には神社やお寺があるからではないか?」と。
この一言に、私は強くうなずかされました。確かに、日本人の精神性には古くから「人智を超えた存在」に祈り、導きを受け入れるという習慣が深く根付いています。
日本人と祈りの文化
日本人なら誰しも、人生の大切な節目に神社やお寺に祈った経験があるはずです。受験、就職、結婚、出産…。
私たちは仏壇や墓前でも先祖に語りかけ、心を委ねてきました。
そこには二つの大きな心理が働いています。
問題や悩みは神仏に祈るもの
問題や悩みの解決は自己責任で行うべきもの
特に1は、日本特有の文化です。子どもの頃から自然に「願いは神様に託すもの」として身に付けてきました。
だからこそ、多くの人にとって「悩みを他人に話すこと」は恥部をさらすようで、できれば避けたい行為なのです。神様にお願いしたから大丈夫、と思うほうが自然だからです。
願いと想いの違い
ただし、ここに落とし穴があります。
祈ることで心は落ち着きますが、祈りだけで現実は変わりません。
私は「祈りの中には二つの要素が混ざっている」と考えています。
願い(Wish)…外に委ねるもの。叶えてもらうもの
想い(Will)…内から生まれるもの。自ら実現しようとする。
祈りはこの二つが曖昧に混ざるため、人によっては「委ねるだけ」で終わってしまいます。しかし実際に現実を動かすのは、自分の「想い」と「行動」にほかなりません。
奇跡に見える出来事でさえ、その裏には本人の小さな積み重ねや決意があるものです。
外の神と内の神
日本人は「八百万の神」を信じてきました。山や川、家の中の神棚、そして自分の中にも神が宿るという考え方です。
外の神へ祈りを届けることで、心は整い安心を得る。
内なる神(自分に宿る神)を呼び覚ますことで、想いは現実に変わる。
外の神と内の神、両方が動いて初めて祈りは実現に至るのです。
日本的セラピーの役割
では、私たちセラピストやカウンセラーはどこに存在するのでしょうか。
それは「祈りと行動をつなぐ橋渡し」だと考えています。
祈りで落ち着いた心を言葉として整理し、自分の内なる神を呼び覚まし、現実へと動かす。その循環を支えるのが、カウンセリングやアロマセラピー、ヒーリングやコーチングといった実践なのです。
祈りを否定する必要はありません。むしろ祈りは出発点として尊いものです。
ただ、願いを願いで終わらせず、想いとして生きるために「心の整理」「頭の整理」「行動の伴走」が必要になる。そこで私たちの知識や技術が力を発揮します。
日本的セラピーの定義
ここで、あえて明文化しておきたいのです。
日本的セラピーとは、祈りと行動をつなぐ営みである。
祈りによって心を研ぎ澄まし、行動によって内なる神を呼び覚ます。
外の神と内の神を融合させ、循環させることで、人はより自分らしい人生を生きることができる。
これこそが、日本におけるセラピーの真髄ではないでしょうか。
結びに
私が行うアロマセラピーも、カウンセリングも、コーチングも、この「祈りと行動の統合」という考え方の延長にあります。
先祖を含める神を敬い、祈りに心を澄ませること。
そして自らの中の神を動かし、行動へとつなげること。
この両輪を生かすことこそが、日本的セラピーのあり方であり、私が届けたいセラピーなのかもしれないと思うのです。
あなたの中の神性を信じています。
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