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#020|退職、そして世界一周を二週間後に控えて思うこと

28歳、会社を辞めて“旅”に出る。
会社に退職の意思を伝えてから、早二ヶ月が経とうとしている。

退職も、出国も、もう目の前。あと二週間。

いまの自分は、どこか他人事みたいな不思議な気持ちでいる。

実感は薄い。
でも日が迫るほど、確実に現実味を帯びてきているのは事実。

退職の手続き。
残り日数でやらないといけないこと。
送別会。挨拶に来てくれる人。連絡をくれる人。

今までの日常では“当然起こり得ないこと”が起きるたびに思う。
あ、本当に終わるんだ。
そして、本当に始まるんだ、と。

ドキドキなのか、なんなのか。
言葉にしきれない感情が胸の奥にずっとある。


怖いものは何か

怖いものは何か、と聞かれたら、「命」と答えるだろう。
……いや、正確には、怖いと言い切れるほど怖くないのかもしれないが。
まあ、強いて言えば。
今の生活を捨てることや、旅の後を見据えて怖くなるという感情は一切ない。

これまで“死”とは何か、そう考えることは多々あった。

ただ、それは今までサラリーマンをしている上で、ただの“机上の空論”でしかない。
安全な場所で考える哲学というか。

でも旅に生きることで、そこに現実味が加わる。
明日生きている保証はできない。少なくとも今より確実に。
ニュースで見る事故や事件が、急に“自分の話”として降りかかる可能性が今より遥かに跳ね上がる。

だから、ちょっと怖いのかもしれない。


ワクワク

楽しみなことはすごくシンプル。
全てにただただ“ワクワク”しているから。

心の底からやりたいと思えることを、実行できるということ。
今しかできない経験ができるということ。
未知の景色や出会いがたくさん待っているだろうということ。

この初心のワクワクは、忘れずにずっと持っておきたい。
たとえ持っていられなくなってしまったとしても、忘れたくはない。


退職について思うこと

退職について思うことは、意外なほどはっきりしている。

感謝。

仕事内容も、そして会社そのものに対しても一切の不満はない。むしろ大好き。
全てをやり切ったと思える中で辞められる。
いろんな人から全力で引き止められるほどの状態で辞められる。
そんな今の状況が、正直嬉しい。

これは入社の時に、思い描いていたことでもあった。
どうせ辞める時が来るなら、全力で引き止められるくらい価値のある人間になろう。
中途半端に辞めるのだけはありえない、と。

だからこれまで新卒から約7年、全力で仕事に打ち込めたし、その分ものすごく成長もできたと思っている。

好きだから辞める。
やり切ったから辞める。

そう言えることに、心から感謝している。
そしてそれを認めてもらえる環境にも。


送別の言葉

送別の場で、上司が言ってくれた言葉がある。

「ここまで仕事に対して好奇心を持ち、色々なことに貪欲にチャレンジして成長できるやつはなかなかいない。(君を)失うのは会社としては正直惜しい。でもその好奇心が故に、本気でやりたいことを見つけ、それにチャレンジするのだから応援の気持ちで送り出したい。」

言い回しは少し違うけど、内容はこんな感じだった。

自分が自分である理由を、他人の口から言語化されたみたいで。
それが肯定されたみたいで。
「惜しい」と「応援」が同じ文脈で並ぶのを聞いて、少し嬉しくなった。


誰かの人生に、少しでもプラスを残せたなら

そして、短い期間ではあったものの割と可愛がって色々と教えた後輩。

「入社して最初に教わることができてよかった。本当に寂しい。」
そういうことを繰り返し繰り返し言って、送別会では大号泣してくれた。

誰かの人生に、少しでもプラスを残せたのなら。
誰かの生きる指針に、少しでも影響を与えることができていたのなら。
それは本望。嬉しい限り。


手放すもの

手放すものも、はっきりしている。

地位と肩書きと、これまでの実績。

それらが完全に自分の中でゼロになるわけじゃないけど。
でも、それらに守られている状態からはいったん降りることになる。

名刺がない自分。
会社名がついていない自分。
過去の実績が通用しない場所に立つ自分。

そこで僕は、ただの「一人の人間」になる。
それが少し心細くて、同時にすごく晴々しくも思う。


100点の今をこれからも

今までの自分の人生に点数をつけるなら、たぶん100点だと思う。

目の前のことに常に全力を尽くせたと言えるから。
自分の人生の選択に何一つ後悔はないと言えるから。

これは自分の生き方そのものであり、これからも続けていきたい。

旅が終わったときに、どうなっていたら最高か。
旅してよかったって、心の底から思えるように。
でも考えすぎたってしょうがない。
これからも“今”を全力で駆け抜ける。


最後に

改めて、出国まであと二週間。

実感が薄いまま、現実味が増していく。
日常の延長線上で、日常が終わっていく。
この境目の時間も、きっと旅なんだろう。

そしていつか、思い悩む日が来るかもしれない。
そんな自分へ、この記事に戻ってくることがあるのなら…。

「それが人生だ。すすめ!」

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