今日もいい塩梅で。紙芝居風味で、味見をどうぞ。
春に咲く白い梅の花。朝の柔らかな光の中、小さなミツバチが花から花へ飛んでいる。

季節が進む。
同じ梅の木に、小さな青い梅の実。
梅を見ながら枝や実を丁寧に確認する。

青い実を触る
梅は、人の手だけで育っているわけではありません。
梅の花、ミツバチ、山、草、雨、太陽。

山が水を蓄え、草が土を守り、蜂が花から花へと飛ぶ。
初夏。
黄色く熟した南高梅。
農家の手が一粒をそっと拾い上げる。

収穫籠いっぱいの完熟梅。
その中の一粒に、
ほんの小さな目が開く。

塩漬け。
大きな容器の中で梅と塩が重なっている。
さっき目覚めた梅が、
口を開く。

夏。
太陽の下、たくさんの梅干しがずらっと並んで、天日に干されている。
そして全員、ちょっと皺が増えている。

「おぬし、皺が増えたな。」
隣が、
「そなたもじゃ。」
自慢気に返す。
夜。
干された梅たちの上に星空。
昼の暑さから一転して静か。
太陽を浴びる。風に吹かれる。
そして、待つを繰り返す。

すぐできる食品ではない
翌朝。
立派な梅干しになった一粒。
深い皺。
向こう側には巨大な紀州王国。

梅干し界へ。
梅干しの若者たちが行き交い、遠くには王城。しそたちもいる。
「おはよう。」
「おはよう。」

梅干しって酸っぱいだけじゃない。
深い皺を見た若梅が憧れる。
「陛下の皺、すごいなあ。」
別の若梅。
「三日三晩の天日の証じゃぞ。」

王の皺は、手間と時間を経た勲章。
紀州王国には若梅たちの学校がある。
窓の外には梅畑と紀州の山々。室内には小さな若梅たちが机を並べて座っている。
教師は年長の梅干し。
深い皺があり、穏やかで知的。

「我々の生涯には、必ず終着点がある」
若梅たちは真剣に聞いている。
怖がっていない。
これは死について脅されている授業ではなく、紀州王国では当たり前に受け継がれてきた「生き方」の授業。

一粒の若梅が、期待した表情で小さな手を挙げる。他の若梅たちも先生を見つめる。
「先生、それは、どこですか?」
教師は少し微笑む。
「それは…」
先生と若梅の視線がページの先へ移る。

山そのものが白米の粒から形成されており、巨大な三角形のおにぎりのような峰々が連なる。
朝日に照らされた無数の米粒。
谷には薄い霧。
遠くには海苔の岩壁。
最も高い山の中央深くに、赤い梅干しが一粒だけ輝いている。
先生の説明が続く。
「お弁当箱の中央、あるいはおにぎりの、真芯である」
若梅たち全員が机から少し身を乗り出し、目をキラキラさせる。

一粒は、自分がおにぎりの真芯にいるところを想像している。
別の若梅はお弁当箱の白米の中央にちょこんと座る自分を想像している。
教師はそんな若梅たちを、穏やかに見守っている。
窓の外には朝の紀州王国と梅畑。
「その日まで、良い梅干しになるのじゃぞ。」
「はい!」
端で一粒だけ小さく友達に、呟く姿もかわいらしい。
「わし、おにぎりがいい」
「わしも。」
先生は微笑みながら。
「いつか、行けるとよいな。」
「はい。」
そして教室の窓から、遠くのおにぎり山脈が小さく見えている。

少しでも梅干し界に興味を持っていただけたらなんて(о´∀`о)
梅農家、味噌蔵、歴史あるものを継ぐ人が減ってきている現代。私に出来ることは、私たちに出来ることはなんだろう。
書くことで、何か伝わるのでは。
そしてやっぱり、書く事が面白い。
楽し過ぎて、爆速二日間で書き上げたら、誰にも読まれない現実🤣↓
読まれてないくせに、続編を開始。
前作は全て序章に過ぎない、梅干し界の構想が確立。↓
梅干し推しに、せっせと毎日取り組む私。そんな私に出来ることはないか、真剣に考えてくださる山奥さん。
優しいって。゚(゚´Д`゚)゚。
noteも然り、小説も然り、楽しく書いて楽しく読み合える。そんな夢を形にしようとしています。
我こそ読んでもらいたい、アイデア提案できる人を募集します。ペコリ。

