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【読書記録 -93】本を守ろうとする猫の話

―読書とは単に知識を詰め込む作業ではなく、他者の心に触れ、自分自身の魂を育むための「旅」である―

いつの頃からだろうか、人は効率性やタイパを重視するようになった。それに輪をかけてAIの進化が加速度的に進んでいる。いまや「本」もまた消費される情報となってしまっているのだ。

本作『本を守ろうとする猫の話』の主人公 夏木林太郎と「トラネコ」が迷い込む迷宮は、本を閉じ込め、切り刻み、効率化しようとする(大人たちの)歪んだ愛情の象徴として描かれているのだろう。

第一の迷宮:閉じ込める者
本は単なる知識の貯蔵庫ではない。
読んだ本の冊数に価値があるわけではない。

第二の迷宮:切り刻む者
読書に効率を求めてはいけない。
有用な情報と思えないような箇所にも作者の意図が込められていることがある。

第三の迷宮:売りさばく者
売れる本だけが良書ではない。
書籍は文化であり、使い捨ての消費財ではないのだから。


本作の著者 夏川草介は現役の医師だそうだ。
そして、大の猫好きでもあるとのこと。

彼は、いろいろなインタビューの中で「医者の時は100%医者、小説を書く時は100%小説家」という切り替えについて頻繁に言及している。

やっぱり、その瞬間瞬間に「自分がどういう役割を求められているのか」を明確に定義でき、さらにその役割を全うすることに全振りできる人が「高いパフォーマンスを発揮できる人」なんだろうな。


第四の迷宮:(   )
第四の迷宮の主は「あの本」だろう…
きっと、そういった「文脈」や「背景」や「行間」のような部分を読み解く力が付くことが読書の価値なんだろう。正解しているかどうかは別として…

参考リンク集

・Amazon『本を守ろうとする猫の話』書籍紹介ページ
・小学館:夏川草介作品一覧


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