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【読書記録 -28】ガウディの伝言

先日「NAKED meets ガウディ展」を観に行った。

「NAKED meets ガウディ展」は、東京の天王洲で2026年1月10日(土)~3月15日(日)まで開催されている、天才建築家 アントニ・ガウディの魅力に迫る大型アート展だ。

この展覧会は、ガウディ没後100年という節目と、代表作であるサグラダ・ファミリアの中心となる「イエスの塔」の完成を記念した公式事業として企画されたもので、ガウディ財団との正式な協力のもとに実施されている。

ここではガウディが実際に使用したサグラダ・ファミリアのオリジナル図面や手記、直筆の書簡、制作道具など、学術的にも貴重なコレクションと共に、最先端のデジタル技術やインタラクティブな空間演出を用いた体験型のアート作品も展示されているのだ。

ボクはこの会場の特設ショップでこの本を買った。

本書『ガウディの伝言』の著者 外尾悦郎は、サグラダ・ファミリアの彫刻に長年に渡って携わった人物だ。彼は日本で彫刻家として活動した後、スペインに渡り、サグラダ・ファミリアの制作に参加。2013年からサグラダ・ファミリア主任彫刻家を務めてきた日本人芸術家である。

ガウディは奇抜な造形の建築家として語られがちだが、その根底には徹底した自然観察と神への信仰がある。彼は森の木々、蜂の巣、人体の骨格といった自然の構造にこそ合理性と美が宿ると考え、その信念から建築物に曲線や有機的形態を持ち込んだのだ。

ガウディの考える「創造」は短絡的な自己表現ではなかった。それは自然や歴史の中に潜む法則を読み取り、それを形にする営みだ。

彼は緻密な計算を得意とする建築家だったそうだ。
しかし、建築物の構造について研究を重ねていくうち、彼は計算よりも自然の法則に委ねる設計方法に辿り着いた。例えば、カテナリーアーチと呼ばれる、鎖や紐を重力に逆らわずに吊るしたときに自然に生まれる曲線を、上下反転させて天井の構造などを生み出したのだ。

それ ―自然の法則に委ねる設計― は、彼の創作姿勢自体にも表れている。まさに、サグラダ・ファミリアが未完であることがそうだ。建築は個人の作品ではなく、世代を超えて受け継がれる祈りの結晶であるという思想がそこにあるのだ。

ガウディは「人間は何も創造しない。ただ、発見するだけである。」と語った。それは、自然界にすでに存在する秩序や美を謙虚に見つめよという呼びかけだ。

ガウディはその言葉のあとに「新しい作品のために自然の秩序を求める建築家は、神の創造に寄与する。故に独創とは創造の起源に還ることである。」と続けている。

ガウディが遺したかったものは、決して奇抜な建築物ではなかったろう。

それは、自然と信仰に対する畏敬の念、そして人間が大いなる自然の摂理の一部であるという概念なのだ。

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