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【読書記録 -106】モモ

ミヒャエル・エンデを通らず今日まで来てしまった。
ちょっとかすったとすれば、金ロー(だったか)で「ネバーエンディングストーリー」を観たくらいだ。

これまでも「読んでみたいな」と思うタイミングは何度かあったものの、なんだかんだで後回しにしていたのだ。

ああ、そうか…
ボクも「灰色の男たち」に時間を盗まれていたのかもしれないな。


本作『モモ』は、多くの人が「読んでおくべき一冊」に挙げる名著だ。ボクも実際に読んでみて、確かに素晴らしい作品だと思った。

…っていうか、あんなストーリーだと思っていなかったなあ。

勝手にもっと子供向けのストーリーを想像していたが、全然そんなことはなかった。これは、現代の大人こそが読むべき作品だ(…と、多くの人が言うのも納得だよ)。


旧ソビエト連邦の昔話研究家 ウラジミール・プロップ(1895-1970)によると、どんな物語にも31に機能分類された構造があるそうだ。

31分類はちょっと多いので、一般的に使われることが多い「主要な10の機能パーツ」に絞ってみると以下のようになる。

1. 欠如(Lack): 何かが足りない状態。(それを埋めるところから物語が始まる)
2. 敵(Villainy): 敵が主人公に危害を加える、または何かを盗む。(物語に緊張感と方向感を与える)
3. 使命(Call to Adventure / Dispatch): 主人公が守り、実現しようとするものが明らかになる。(欠如と裏表の関係を為す)
4. 出発(Departure): ここではないどこかに向けて動く。(チームを率いる)
5. 魔法のアイテムの受領(Provision): 主人公が敵を倒すための道具を受け取る。
6. 結束(Alliance):共通の目的に向けて人と人とが結びつき、力を合わせる。
7. 試練・決戦(Ordeal / Struggle): 試練は主人公の変容のきっかけとなる。(物語を面白くする山場)
8. 勝利・解決 (Victory / Liquidation ): 主人公が敵に勝利し、欠如が満たされる(失われたものが戻る)
9. 帰還(Return): 主人公が元の世界に戻るが、もはや出発時と同じ人間ではない。帰還によって物語は円環構造となり、出発点に接続される。
10. 変容(Transformation): 主人公の変容。敵を倒し、世界の欠如を埋め、試練を乗り越えることによって、主人公は成長した存在になる。

本作『モモ』もこの構成なので、ストーリーは神話やヒーローものと同じだ。

だけど、他を寄せ付けないのは設定なんだ。
主人公が特殊なパワーを持つ屈強なヒーローじゃなく、小さな女の子だし、敵側も人から時間を奪って吸わないと生きていかれない存在だ。

そこがミヒャエル・エンデの凄いところなんだろう。

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