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【読書記録 -82】アイデアのつくり方

アイデアは「ひらめき」ではなく「技術」だ

本書は正味60ページほどの薄い本だ。
巻末の解説や訳者のあとがきを含めても100ページ程度にしかならない。

だけど、この本に気づかされることは多い。
第一に「アイデアの本質」についてだが… それは、既存の要素を新しく組み合わせることに他ならない。アイデアを生み出すことは、一握りの天才による「ひらめき」などではなく、誰でも再現可能な「技術」なのだ。

本書の著者 ジェームス・W・ヤング(1886-1973)は、アメリカの広告代理店 J・ウォルター・トンプソン社やサーチ・アンド・サーチ社などで、長年に渡ってクリエイティブ職を務めた伝説的コピーライターである。彼は実際に数多くのヒット広告を生み出し、そこに辿り着いた自身の思考を分解して、その方法論をこの一冊に凝縮した。

創造的思考の5ステップ

アイデアを生み出すためには、以下の5ステップを踏まなければならない。

①資料収集(情報のストック):まずは、徹底的に資料を集める。製品やターゲットに特化した「特殊資料」と、一見無関係に見える世の中の事象などの「一般的資料」の両方を徹底的に収集し、それらをフラッシュカードのように分類する。

②咀嚼(組み合わせの試行):集めた情報の断片を心のなかでパズルのように組み合わせる。一見、不適合に見えるような要素同士であっても、それらをぶつけて新しい関係性を探る。

③孵化(無意識への委ね):アイデア創出のための思考を一切止める。音楽を聴く、映画を見る、休息をとるなど、思考を完全に解放する。この「何もしない時間」こそが脳内での自動的な組み合わせを促進するからだ。

④誕生(ユーレカの瞬間):風呂に入っているとき、散歩中など、リラックスした瞬間にアイデアは突然やってくる。論理的に帰結させようとするのではなく、無意識下で熟成された要素同士が、シナプスによってつながる瞬間が訪れるのを待つのだ。

⑤検証(具体的展開):生まれたアイデアを実用的な形へと磨き上げる。現実的な条件に照らし合わせて(周囲の意見を求めながら)修正を加えながら具体化していかなければならない。

こうやって言語化してみると、ボクの周りには①②③をすっ飛ばして④でうんうん唸っている人が多いように思えてくる。

そういった人たちは、コスパやタイパを重要視する余り①や③をしなくなってしまった(もしくは①や②をAIに任せるようになってしまった)のだろう。やはり、一見無駄なように思えることの中に大事なことは隠れているのだ。

参考リンク集

・Amazon『アイデアのつくり方』書籍紹介ページ
・CE Media House(旧: CCCメディアハウス)ホームページ

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