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【読書記録 -135】小さなチーム、大きな仕事

『小さなチーム、大きな仕事』を読み終えた。
そして、いつものように読書記録の執筆に取り掛かる…

だけど、その手はすぐに止まった。

本書は100を超える短い章で構成されている。
その筆致は先輩経営者からの手紙のようで、内容は多岐に渡っている。会議、採用、マーケティング、働き方、プロダクト開発… ありとあらゆることに。

そうだ、この本は書簡集だ。
だから「この本は〇〇について書かれた本だ」と要約することができないんだ。


本書の中で、特に印象に残った一節がある。

なにかコミュニケーションの手段があれば、いつでもマーケティングはできる。電話に出るのも、メールを書くのも、システムのエラーメッセージも、レジカウンターも請求書もマーケティングだ。

ボクはマーケティングを専門に学んできたわけではないけれど、この文章を読んで「マーケティング」という言葉の意味が少し変わった。

広告やSNSだけがマーケティングではない。
あらゆる部署のあらゆる人が、マーケットとの接点を持っている。

そう考えると、ドラッカーが言う「企業の目的は顧客の創造である」という言葉も、少し違って見えてくる。顧客は広告にお金をかけて獲得するものではなく、日々のコミュニケーションの積み重ねによって生まれるものなのかもしれない。


読み終えたあと、ふと会社名が気になった。

― 37signals ー

この会社の創業者であり、本書の著者でもあるジェイソン・フリードとデイビッド・ハイネマイヤー・ハンソンは、もう20年以上にわたって小さなチームで会社を経営し続けている。

この社名 37signalsはSETI(Search for Extra-Terrestrial Intelligence:地球外知的生命体探査)で観測された「37個の未解明のシグナル」に由来しているらしい。SETIとは地球外の知的生命から発せられたメッセージを探す活動のことを指す。

だけど、彼らがやっていることはSETIとは逆だ。
彼らは本を書き、ブログを書き、自分たちの考え方や会社の内部を公開し続けている。

それは、宇宙へ向けてメッセージを送り続けるMETI(Messaging for Extra-Terrestrial Intelligence)のようにも見える。「どこかに、自分たちと同じ価値観を持つ誰かがいる。」そう信じて、彼らは静かにシグナルを発信し続けているのだ。

だから、本書は読者を説得しない。
彼らは「これが正解だ」と教えるのではなく「ボクたちはこう考えている。」というシグナルを送り続ける。

そのシグナルを受信した人だけが「この会社、好きだな。」と思うのだろう。


本書の初版は2010年。15年以上前の本だ。
にもかかわらず、ちっとも古さを感じさせない。それは著者が「仕事とは何か」「会社とは何か」という原理原則について語っているからだろう。

本書の原題は「REWORK」。
それは、仕事に対する考え方を組み直せという著者からのシグナルだ。

会社は大きくなるべき
会議は必要
計画は重要
外部資金を入れるべき
マーケティングは広告
ワーカホリックは美徳

ボクたちはそんな常識を書き換えてみるべきなんだろう。

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