【読書記録 -53】どうにかする
正面突破するな、回避せよ
ー 現代社会で完璧な計画が通用する場面は少ない ー
本書の著者 パウロ・サバジェは、そういっためちゃくちゃでカオスな状況を、排除すべき問題としてではなく、創造性の源泉として捉え直すべきだと説く。それは、ロジックが破綻した状況だからこそ、本当に機能するアイデアが生まれるという逆転の発想だ。
そんなカオスな状況下… ボクたちが予期せぬ事態に直面した際、既存の枠組みに縛られず「どうにかする」ための野生的な思考法が重要となる。正解を探すことよりも、手元にあるリソースで道を切り拓こうとする柔軟なマインドセットが活路を見出す源泉になるのだ。
著者のパウロ・サバジェは、ブラジルの広告業界で長年クリエイティブ・ディレクターとして活躍した人物である。数々のグローバルブランドの戦略に携わる傍ら、芸術や哲学への造詣も深い。
彼は「正面突破しようとするな、回避して解決せよ」と説く。

彼が提唱する「回避術」は以下の4つだ。
1. 便乗 ―既にあるものに乗れ
一見無関係なつながりを利用することで、障害を回避し、問題を解決する。
2. 抜け穴 ―かいくぐれ
完璧な道筋ではなく、一見無関係なルールを当てはめることによって、実現可能な方法を探り当てる。
3. 誘導路 ―時間を稼げ
やっかいな問題が解決されるまでの時間稼ぎをすることで、成功の可能性が高まる場合がある。
4. 次善策 ―理想は捨てろ
実行可能であるが、誰からも目を向けられていないような代替案に焦点を絞ることによって、利用可能なリソースを別の形で利用したり組み合わせたりする。
不安定な世界で意思決定するために
よりよい意思決定をするためには分析が重要だ。
だが往々にしてその分析は、誰かのバイアスやヒューリスティックによってゆがめられる。
著者は、よりよい意思決定をするためには、何かに固執しないで「あいまいさを受け入れること」が重要だと主張している。彼の言葉を借りるなら、それは「異質馴化と馴質異化(見慣れないものを見慣れたものととらえ、見慣れたものを見慣れないものととらえること)」だ。
そのために重要なことを2つ。
1. 「未知の未知」(自分は知らないのだということすら知らないことがら)を、「既知の未知」に変えて、それを探求できるようにする。
2. 自分の知っていることがらに関する「決めつけ」を解体し、それらの断片どうしを「再構築」する。
結局、自分自身の手を汚すしかない
上記のマインドセットによって、カオスの状況下で意思決定をしたとしても、それだけでは何の意味も持たない。結局、重要になるのは「実行」することだ。
めちゃくちゃな状況下では、立ち止まって正解を待っていても良い結果は得られない。カオスな状況下で圧倒的な結果を出すためには、不完全な状態であったとしても動き出すことなのだ。
参考リンク集
* サンマーク出版:公式サイト
* Amazon:どうにかする(パウロ・サバジェ著)
