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【読書記録 -146】メンタリング・マネジメント

マネジメントとは何だろう

ドラッカーは、マネジメントを「組織に成果を上げさせるための道具、機能、機関」と定義した。

つまり、組織の目標を達成するために、人・モノ・カネ・情報といった経営資源を活用し、成果を最大化する営みである。

一方、メンタリングとは、経験豊富なメンターが対話を通じてメンティーの成長を支援する人材育成の手法だ。

一見すると、この二つは別の概念のように思える。

そんな「メンタリング」と「マネジメント」を一つの言葉として結び付けたのが、福島正伸著『メンタリング・マネジメント』である。

メンタリングをマネジメントへ

本書が出版されたのは2005年。

当時は、成果主義や目標管理が広く浸透し始めた時代だった。管理職には、部下を管理し、評価し、成果を出させることが求められていた。

もちろん、その時代にも人材育成は重要だったわけだが、メンタリングはどちらかと言えば人事部が扱う育成手法という印象が強かったように思う。

だからこそ、本書のタイトルと時代背景を重ねてみたとき、ボクは少しだけ違和感を覚えたのだった。

なぜ「メンタリング」なのか。
なぜ「マネジメント」なのか。

人を育てることが成果につながる

本書が伝えようとしているのは、メンティーが自ら考え、自ら成長し、自ら行動できるようメンターが支援することの重要性だ。

組織のメンバーが成長し、自律的に行動すれば、その結果として組織全体の成果が向上する。つまり「人を育てること」と「成果を上げること」は別々の話ではない

おそらく著者は、メンタリングを単なる人材育成手法としてではなく、現場の管理職が実践すべきマネジメントそのものとして位置付けたかったのではないだろうか。

20年早かったマネジメント論

そんなことを考えながら本書を読んだのだが…
2005年当時、この考え方を受け入れる企業がどれほどあったろう。

当時の多くの管理職は「管理すること」が仕事だった。
そんな時代に「人の自発的な成長によって組織の成果を上げる」という考え方は、現実離れした理想論と映ったかもしれない。

しかし、それから20年経った今、1on1、360度評価、キャリア支援、サーバント・リーダーシップなど、エンゲージメントを重視する考え方が広く浸透している。

そして、本書で何度も語られていた「管理よりも対話」「自律性や自発性」を重視する考え方は、今では多くの企業で取り入れられ、実践のためのメソッドも開発されている。

そう考えると、本書は時代を先取りしていた一冊だったのかもしれない。

時代が追いついた

新しい知識を教えてくれる本だけが「良書」ではない。
何年経っても読み返され、そのたびに新しい意味を見出させてくれる… そんな本が本当の「良書」なのではないだろうか。

『メンタリング・マネジメント』は、まさにそんな一冊だ。
20年経った今読んでも古さを感じないのは、人間の本質を扱っているからだろう。

あるいは、ようやく時代が、本書に追いついたのかもしれない。

参考リンク

・福島正伸 公式プロフィール(アントレプレナーセンター)

・Amazon『メンタリング・マネジメント』

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