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【読書記録 -88】社員の力で最高のチームをつくる 〈新版〉1分間エンパワーメント

自律型組織を創る『1分間エンパワーメント』とは

変化の激しい現代において、トップダウン型の組織は限界を迎えていると言っても過言ではないだろう。

今、必要とされているのは、社員一人ひとりが経営者感覚を持ち、自ら判断して動く「自律型組織」だ。たとえ中小であったとしても、そんな組織を創り上げた企業が次世代を担っていくのだ。

本書『社員の力で最高のチームを作る 〈新版〉一分間エンパワーメント』において、主人公のブライアンは、自社の組織を「自立型組織」へ変貌させるための「体系的なプロセス=3つの鍵」を探し求める旅に出る。

一般的に「エンパワーメント」とは、個人やチームが本来持っている能力や可能性を引き出し、自信を与えて主体的に行動できるよう権限や力を持たせることを指す。

エンパワーメント(Empowerment)とは、個人やチームが本来持っている能力や可能性を引き出し、自信を与えて主体的に行動できるよう「権限や力を持たせる」ことです。ビジネスでは上司が部下に権限を移譲し、自律的な組織を作る手法を指し、類語に「権限付与」「能力開化」があります。

本書の著者 ケン・ブランチャードは、世界的人気リーダーシップ論の権威だ。長年に渡って組織開発におけるエンパワーメントの重要性を説き続けている。

彼が提唱する「エンパワーメント」は、単なる権限委譲ではない。それは、情報の共有境界線の明確化セルフマネジメント・チームという「3つの鍵」を連動させ、組織の在り方を根本から変革するプロセスだ。

3つの鍵と組織の成長

本当のエンパワーメントを実現するには、以下の3つの鍵を段階的かつ技術的に運用しなければならない。

  • 第1の鍵:情報の共有:正確な情報はエンパワーメントにおける「通貨」だ。業績やコストといった機密情報を全社員と共有することは、相手を信頼しているという強力なシグナルになる。情報を隠すことは社員に「信頼されていない」という無力感を抱かせ、無責任な態度を助長する結果につながる。

  • 第2の鍵:境界線による自律の促進:自律には「土手(境界線)」としての枠組みが不可欠だ。ビジョン、価値観、目標、役割を明確に示すことで、社員のエネルギーを四散させず、ベクトルを揃えることが可能となる。境界線は制約ではなく、エネルギーを加速させるためのガイドラインなのだ。

  • 第3の鍵:セルフマネジメント・チームの育成:リーダー自身が階層思考を捨て、チームが自ら計画、実施、管理を行う体制へ移行することが重要だ。チームの発展には「方向づけ」「不満」「解決」「成果発揮」という4つの不可避な段階があるが、リーダーはそれらの各段階に応じて支援の手法を変えなければならない。

エンパワーメントは苦痛を伴う「旅」である

エンパワーメントは一朝一夕に成る魔法ではない。
それは、苦難を伴う「長い旅」だ。なぜなら、エンパワーメントによるチームの発展には「方向づけ」→「不満」→「解決」→「成果発揮」という4つのステップを踏むことが避けられないからだ。

エンパワーメントにおいて、リーダーに求められる最も重要なスキルは「MBST(Management By Standing There)」だ。それは、日本語で言うと 「余計なことをせず、そこに立っていろ」というシンプルなものだ。リーダーが余計な口を出さず、チームが自力で問題を解決する瞬間をじっと見守る「自己抑制」こそが、チームの自律を加速させるのだ。

だが、それができないリーダーは多い。
チームが「不満」の段階に陥ると、どうしても親心から口出ししてしまうから、チームが自力で「解決」するまで見守ることができないからだ。

だけど、そんな時こそのリーダーの信念が試される。
この「絶望の谷」を乗り越え、トップが確固たる意志でサポートし続けることによって、社員は初めて「ここは自分の会社だ」というオーナーシップを抱くようになるのだ。

参考リンク集

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