エントロピーとホメオスタシス
組織は放っておくと、指数関数的に「エントロピー」が増大していくものだ。
エントロピーとは、簡単に言うと「乱雑さ」や「無秩序さ」の度合いを定量的に表す概念です。物理学では、エントロピーはエネルギーが拡散・分散していく傾向を示す「エントロピー増大の法則」と深く関わっており、宇宙全体がより乱雑になる方向に進むという自然の大きな原則を表します。
組織が大きければ大きいほど、エントロピーはより大きな力量になるはずだ。だから大企業はそのエントロピーを押え込もうとして部署を増やして管理職を増やす。そして、いろいろなトレーニングプログラムを開発するなどして、なんとか組織の秩序を保とうとしているのだ。
その一方で、人は安定した状態を維持しようとする。
それは免疫機能だ。
恒温動物の特性として、我々は生命活動を維持するために体内の水分量や体温を一定に保ち、体内に細菌などの異物がない状態を保とうとする。その調節機能のことを「ホメオスタシス」と呼ぶ。
ホメオスタシスとは、生体が外界の変化にさらされても、体温や血圧、血糖値などの内部環境を常に一定の状態に保とうとする仕組み、すなわち「恒常性」を指します。この恒常性を維持するために、生体は自律神経系、内分泌系、免疫系などの調整機構を働きさせ、フィードバック機構によって安定した状態を保ちます。
そう、人は個人単位で見ると安定した状態を保とうとするのに、集団になると無秩序になっていくという二律背反した生物だ。
一定数の集団をマネジメントしようとする人(経営者やマネージャー)は、個々の安定性を尊重し、快適な環境を提供しながら、同時に無秩序状態になることを抑え込まなければならない。多くの人は、このエントロピーとホメオスタシスの狭間でジレンマに陥る。
ボクは、その解決策は「5S」だと思っている。
それは片付けのテクニックではなく《考え方としての5S》だ。
言い換えると「モノもしくはコトの定位置化+習慣化」である。具体的には、以下の1. 2. 3. が準備のタスクであり、4. と5. をグルグル回していくイメージだ。
ぜひトライしてみて欲しい。
整理
必要なモノ(コト)と不要なモノ(コト)を分け、不要なモノ(コト)を捨てる。
↓整頓
残った必要なモノ(コト)を作業手順に従って並べ、取り出しやすくする。
↓清掃
どのような状態が正しいのかを明示する。(ルールを掲示する)
↓清潔
正しい状態を探求し、それを維持向上させる。(上記1. 2. の繰り返し、および3. の修正)
↓しつけ
正しい状態を理解していない人に正しい状態を教える。正しい状態の維持向上に参加しない人に指摘をする
