【読書記録 -124】感情能力の高め方100
IQを最大限に活かすにはEQが重要
現代のビジネスシーンでは、その人の知能の高さ(IQ)が評価されることが多い。しかし、どれほど優れた知能を持っていても、焦燥感や怒りに囚われた状態では、その実力を発揮することはできない。
そこで重要になるのが、感情能力(EQ)だ。
EQは、自分と他者の感情を認識・理解し、適切に管理・調整する能力であり、人間関係の構築やコミュニケーション、リーダーシップの高さを示す指標とされる。
つまり(あなたが持って生まれた)IQの高さをフルに発揮させるためには、同時にEQの高さも必要になるということだ。
ハードウェアとソフトウェアの構造差
そのEQは「神経可塑性」という仕組みによって後天的にアップデートが可能だ。脳の神経ネットワークは、新しい経験や行動の反復によって柔軟につなぎ変わるからだ。
かつては「大人の脳は変わらない」と言われていたが、近年の脳科学においては(適切な意識と訓練次第で)大人の脳であっても新しい神経回路が物理的に作られ続けることが証明されているそうだ。それは、IQとEQの構造的な違いによる。
IQは、新しい情報を素早く処理する能力(流動性知能)だ。それは、脳の「ハードウェア」のような位置づけで、その物理的な配線(神経ネットワーク)は10代後半でほぼ固定され、大人になってから新たなネットワークを構築することは難しい。
一方EQは、脳の「ソフトウェア」のような位置づけだ。人の経験や知恵の蓄積(結晶性知能)によって、新しいソフトウェアを増やしていくことが可能なのだ。
「4つの能力」と「3つのステップ」
本書『感情能力の高め方100』の著者 加来勝正は、EQを「感情の識別・利用・理解・調整」という4つの知的能力と定義している。

そして、以下の「3つのステップ」を意識的に行うこと=今の自分の状態を疑い、新しい行動様式を試しては脳の配線を上書きしていくことが、大人になってからEQを磨くためのアプローチなのだ。(本書には100のアプローチが書かれているが、そのすべては書籍を手に取ってご確認いただきたい)
ステップ1:内省と自己制御:自分の負の感情を客観的に観察して、次の行動へのエネルギーに変える。
ステップ2:他者との協調:他人との違いを受け入れ(発せられた言葉の背景にある)感情を察して相互の納得を目指す。
ステップ3:社会還元:「売り手・買い手・世間」に「作り手・地球・未来」を加えた「六方よし」の視点に立ち、身近な人や周囲への感謝を体現していく。
自分の不機嫌を疑うことから始めよう
想定外のトラブルでイライラすることがあるだろう。
しかし、そのイライラを爆発させるのではなく、いったん立ち止まって自分の心のノイズに気づくことが重要だ。自分の行動の選択肢を一つずつ吟味し、感情の識別と調整を行うことこそが、脳の回路(結晶性知能)を書き換えていく方法なのだ。
そう、あなたの心のノイズは、あなたのEQを育むためのきっかけになるかもしれないのだ。
参考リンク集
・ジャパンラーニング株式会社 公式サイト
・EQ COLLEGE(EQカレッジ)公式サイト
・Amazon『感情能力の高め方』書籍紹介ページ
