2024年 軽商用バンのEV化はどうなる?(後編)
※最初に
これは、ボク「科学的に考える人」が、会社の社長および経営層の方々が日頃不安に思っていることを言語化し解説するコラムです。
ビジネスに関係しない方にはあまり興味がない内容と思いますので、あらかじめご了承いただけると幸いです。
このコラムは、割と高めの熱量で書いていることから、長文になっているものと思われますのでご注意ください。また主観的な内容も多いので「コイツはこんなことを考えているんだなあ…」という程度に思って、軽く読んでいただけると助かります。
そして、気が向いたらコメント/DMなどいただけると嬉しいです。ひとつひとつ丁寧にお返事したいと考えています。
なお、ボク自身が長年物流業界に身を置いてきたことから、内容が物流寄りになりがちであることを前もってお伝えしておきます。
それでは、どうぞ。
この記事は前/後編の2部構成になっています
2024年 軽商用バンのEV化はどうなる?(前編)はコチラ↓
2024年以降の軽商用バンEV化の展望
トヨタ×出光のEV用全固体電池
昨年、トヨタが出光と協業で「EV用全固体電池」の量産を進めると発表があった。
現在主流となっているリチウムイオン電池は、蓄電部分に有機溶解液が使われている。それによって、バッテリー自体の重量が重くなり、有機溶解液が可燃性であることから、液漏れが起きた際の安全性などが懸念点となっている。
その有機溶解液を固体電解質に替えたものが「全固体電池」であるが、安全性が高い上に、構造や形状が自由で、薄型、小型、大容量化も可能だそうだ。実用化されると10分の充電で1,000kmの連続走行が可能になるとのこと。すごいじゃないか全固体電池。(ただし実用化予定は2027~2028年)
FCV(燃料電池自動車)は…
トヨタはEVだけじゃなく、FCV(Fuel Cell Vehicle: 燃料電池自動車)も推している。
FCVは水素を原料(メタノールやエタノールが原料のFCVも存在する)として酸素との化学反応によって発電し、その電気でモーターを駆動して走行する仕組みである。つまり走行しながら発電するので、長距離走行が可能になるという点は大きなメリットになる。その反面、燃料電池自体の製造コストが高いこと、また液化した水素を輸送するためのインフラがまだまだ整っていないというところが、FCVがなかなか普及しない理由だろうか。
EV化のメリット/デメリット
燃費 vs 電費
EVを使うとどのくらいコストを抑えることができるのか計算してみよう。
仮に、ガソリン車の軽バンで一日100km走行で24日配送を行ったとする。燃費は国土交通省の統計データより10.9km/l(2022年の営業用の貨物自動車のガソリン車の燃費)を使おう。ガソリン価格は資源エネルギー庁が発表している石油製品小売市場調査のデータより、レギュラーガソリンの店頭価格の全国平均(2024/1/9時点)175.5円を使うとしよう。
一カ月で使うガソリンの購入額は、100km×24日×(1/10.9km)×175.5円=38,642円となる。
EVの場合は「電費」という言い方になるが、一般的に6km/kWh程度とされている。ただしガソリン車同様に渋滞やエアコンの使用状況などによって大きく変わる。加えて電気料金が事業者やプランによって大きく異なるので、電費を算出することはなかなかに難しい。一旦、2024年1月時点の東京電力の従量電灯Bのプランの第三段階料金(300kWh超)の40円69銭で計算してみることとした場合、EV走行で一カ月間に使用する電気代の総額は 100km×24日×(1/6km)×40.69円=16,276円となる。
ざっくり計算とはなるが、EVの電気代はガソリン代の4割くらいに押さえることができるだろう。
EVはメンテナンス費が安い
EVはエンジンを積んでおらず、モーターで駆動するのでメンテナンスが簡単だ。エンジンオイル(通常、軽バンの場合3,000~4,000kmごとにオイル交換をしているはず)やタイミングベルトの交換は不要になり、メンテナンスは足回りと電気系統が中心になる。
シンプルに考えて、エンジンオイルの交換が不要になっただけでも、毎月4,000~5,000円の出費を抑えることができるはずだ。なお、車検費用が安くなるかはボクにもわからない。
EV購入および充電設備導入の際の補助金
EV購入の際に使える補助金制度がある。
それは、EV車両購入に対する補助金と充電設備の購入+工事費に対する補助金となっているが、詳しくは「次世代自動車振興センター」のホームページで確認して欲しい。
それ以外にも、地方自治体が行っている補助金制度(車両購入、充電設備設置)もあり、補助金以外にも自動車税・重量税の減税措置があるので、併せて確認することをお勧めする。
だからと言って、手放しでEV購入を勧めるわけではない。
今のところ市場にEV軽バンは出回っていないので、買うとするなら新車だ。見積もりを取ってみないとわからないが、間違いなくガソリン車より高額のはずだ。ただし、そこに補助金の制度が使える(予算が決まっているので補助金の対象から外れる場合もある)ので、実際の購入価格はガソリン車(の新車)より安くなる可能性はあるが、補助金申請の手間がどのくらいかかるか…というところがネックになると思われる。
充電設備の問題
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