【読書記録 -2】ザ・ゴール
この本を最初に購入したのはいつだったろう。
うろ覚えだが、おそらく2010年頃だったと思う。当時買った本はすでに古本として売りに出してしまったが、数年前に読み直したくなって再購入したものが今手元にあるものだ。
『ザ・ゴール』は、エリヤフ・ゴールドラットによるビジネス小説である。

著者ゴールドラットはイスラエル出身の物理学者であり、大学で物理学の博士号を取得した後、製造業の現場が抱える非効率性に着目した人物だ。彼は理論家でありながら実務への応用力に優れ、「制約条件の理論(TOC)」を提唱し、世界中の企業経営や生産管理に大きな影響を与えた。
TOC(Theory Of Constraints)
組織全体の目標達成を妨げるボトルネック(制約条件)を特定し、そこに経営資源を集中して改善することで、最小のコストと時間で最大の成果(スループット向上)を目指すマネジメント手法
本書は物語として描かれている。
この物語の中では、赤字工場の立て直しを迫られた主人公が、生産量を増やしても利益が出ない理由に悩み続ける。やがて、稼働率の高い工程こそが全体の流れを止めているという事実に気づき、制約となる工程に合わせて他を調整することで、在庫削減と納期短縮を同時に実現する。
テーマとなっているTOCのマネジメントによって、主人公は苦難を乗り越えながらも、この工場の測定指標を局所的な効率から全体の利益に結びつくものへ変えることに成功する。そしてそれによって、従業員の団結力やモチベーションが変化していくところも生き生きと描写されている。
この本は、単なる生産管理の専門書としてではなく、物事を「全体の目的」から考える訓練書として読むべきである。経営、仕事改善、組織運営に悩むすべての人にとって、思考の枠組みを根本から問い直す一冊である。
