【読書記録 -68】北極星
西野亮廣が展開する「共感経済」の強みとは
説明するまでもないだろうけれど…
本書『北極星 ―僕たちはどう働くか』の著者 西野亮廣は、タレントとして活動した後、現在はテレビでの露出を減らし、絵本や映画『えんとつ町のプペル』の制作を中心に活動をしている人物だ。彼はその制作活動の中で、いち早くNFT(非代替性トークン)やDAO(自律分散型組織)などのアプローチを進めている。
そして、本書の中に登場する「CHIMNEY TOWN(チムニータウン)」とは、西野亮廣が手がける絵本『えんとつ町のプペル』の舞台となる架空の町の名前だ。同時に彼が運営する株式会社の名称でもある。

彼のマーケティングの考え方は「ファンベース(認知よりも思い入れを重視し、ファンとともに作品を創り上げることで、熱狂的信頼を得る手法)」だ。
かつて、サービスの価値は「機能」によって差別化されていた。
情報は限られ、技術は閉じられ、ノウハウは一部の人間だけが独占していた。だからこそ、優れた機能や高度な技は、そのまま競争優位になり得た。
しかし、インターネットの普及によって状況は一変する。
(中略)結果として、サービス提供者は「機能」だけでは、差別化できなくなった。もはや「機能」は競争優位ではなく、参加資格に過ぎない。
(中略)世界は実質的に「ファン」と「ファン以外」に二極化した。
彼の「商品」はエンタメ作品だが、完成品だけを売っているのではない。彼は、作品が完成する前に、その制作のプロセス(葛藤や試行錯誤)を顧客に共有し、顧客をファンから「共創者」に変えているのだ。それこそがCHIMNEY TOWNの差別化ポイントだ。
CHIMNEY TOWNは、サロンでの議論のオープン化や、IP(知的財産)の二次利用を広く許容するなどといったアプローチによって、大きな広告費をかけなくても、熱狂的な支持層が自発的にプロジェクトを推進するという、強固な経済圏を構築している。
僕たちはどう働くか
本書のタイトルでもある『北極星』とはなにか。
【北極星】
航海する人などが夜に方角を知る時の目印、道しるべとして、また「希望」の象徴として、昔から親しまれてきた。
北極星は常に北を指し示す。
しかし、そこに辿り着くことはできない。
そう、北極星は「目的地」ではなく「方向性」だ。
迷ったときの「心の拠り所」=自分の価値観をベースにした「判断軸」だ。
自分の中に「北極星」を持つことによって「本当に大切なこと」と「そうでないこと」が明確になる。それによって、ボクたちは「受動的な労働」から「能動的な創造」へと働き方を変えることができる。
情熱の向く一点に「時間」という限られたリソースを集中投下して、自分自身の働き方を圧倒的に高密度なものにするのだ。
参考リンク集
* 西野亮廣エンタメ研究所
* 株式会社CHIMNEY TOWN 公式サイト
* Amazon『北極星 ー僕たちはどう働くか』販売ページ
