トライアンドエラー
料理を作る人。
レシピを作る人。
世の中にはその両方が存在する。
現実世界では、料理を作る人の方が評価されることが多い。特に成熟した企業にその傾向が強いだろう。そして、その料理のレシピを開発した人は過去の人として忘れ去られる場合が多い。そのお店のリピーターの多くはその人が考案したレシピによって生み出されてきたにもかかわらず。
それは世の常だ。
そもそも世の中のスタートアップの99%は定番レシピの模倣で収益を得ているはずだ。そしてその定番レシピの焼き直しではなく丸パクリであることも多い。
昔はレシピ考案者がシェフでもあった。
それが今は分業制になってしまっている。
分業制になってしまったからこそ、レシピの考案者にスポットライトが当たることがなくなってしまった。
そしてその分業制はさらに進化し、いずれレシピの考案はAIが、調理はロボットが代替する時代が訪れる…
残念ながら「レシピ通りに作る」という観点でいうと、人は絶対的にロボットに勝つことはできない。勝てる部分があるとするなら「レシピ通りに作らない」ということしかない。つまり、ベースであるレシピは完璧に押さえることができている上で、提供する相手の顔色や雰囲気に合わせた微調整を加えて行くのだ。
レシピに関していうと、今や「あらゆるレシピは出尽くしている」と言っても過言ではない。できるとするなら、今までになかった素材や調味料の組み合わせによる意外性や、味覚ではない部分(例えば簡単レシピや時短レシピなど)で共感を得ることだろう。
いずれにせよ、人がAIやロボットに勝てる部分は「トライアンドエラー」だ。自主的いろいろなことを試してみて、その多くの失敗からヒントを掴んで、そこから全く新しい何かを生み出すことは(少なくとも現時点の)AIやロボットにはできないからだ。
AIやロボットの台頭を止めることは誰にもできない。
そうなったときにボクらは、いつの間にか彼らに仕事を奪われていくだろう。そうならないために、ボクたちはできるときにできるだけトライアンドエラーの経験値を積んでおかなければならない。
