【読書記録 -11】ほんとうの日本経済
最近ボクが戦略を考える時、必ず日本の少子高齢化のことを視野に含めるようにしている。
そのきっかけになったのがこの本だと言っても過言ではないだろう。そのくらいこの本を読んだことはボクに取って示唆が大きかった。実際、2025年の初めにこの本に出会ったのは、ボクにとって非常にタイミングが良かったと感じているのだ。
『ほんとうの日本経済』

坂本貴志は、経済データの分析を専門とするエコノミストである。統計やマクロ経済の知見をもとに、日本経済の構造問題をわかりやすく解説する論考で知られ、メディアや書籍を通じて現実的かつ実証的な議論を積み重ねてきた人物である。本書『ほんとうの日本経済』においても、感情論や楽観論に流されず、数字に基づいて日本の現在地を描き出している。
「ほんとうの」と前置きしてるだけのことはある。
冒頭から書かれているのは、人口減少社会に突入した日本経済の厳しい現実だ。もう30年以上も… 日本の多くの人が「成長を前提としてきた経済観」をベースにしたビジネスに携わってきたはずだ。しかし、今やそれは通用しなくなった。
人口減少社会においては、労働力の縮小と人件費の上昇は避けられない。まずはそんな日本の現状をしっかりと把握することが重要だ。そして、人口が減るということ自体が問題なのではなく、それに適応できない制度や発想こそが停滞を生むということを理解しなければならない。
人口減少によって労働力が希少資源となる。
人件費の上昇は必然だ。
現在の日本経済が低成長なのは、需要不足ではなく、供給制約によるものなのだ。そして、日本のビジネスモデルの多くが「賃金が上がって行かない」ことを前提としていることも大きな要因である。それはもう限界に達しつつある…
本書から得られる最大のインサイトは、人口減少と人件費高騰を悲観的に捉えるだけでは未来は開けないという点だ。
日本経済は縮小均衡に陥る可能性を抱えつつも、働き方や企業行動、政策を変えることで新たな安定を築ける余地がある。本書は、データに基づいた日本経済の現状と、これからの現実的な選択肢をボクらに示してくれる。
…そして今ボクは、
この本を改めて読み直しているところである。

