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権限委譲について

最近ちょっとモヤモヤしていることがある。

ボクは毎日のように多くの経営者と会話をするが、その中でかなりの頻度で「権限委譲(をするつもりだ)」という単語が発せられるのだ。しかし、この「権限委譲」という抽象的な言葉をロジカルに説明できた人にお目にかかったことはない。なので、今日はその「権限委譲」をボクならどう定義するか書いていこうと思う。

まず「権限」と言う単語についてだが…
権限とは、法的もしくは公的に行使できる権利や、許されている行為の範囲のことを指す。その中で、ボクは会社の中には3つの権限があると考えている。

一つ目は「人事を行う権限(人事権)」だ。
言い換えるとそれは、他人を承認する権限と言える。

承認とは、誰かが何かの地位に就くことを認めること、もしくは会社への貢献度を認める(評価する)ことだ。この権限を委譲される人は、他のメンバーより上位の存在であり、且つ他のメンバーから信頼されていなければならない。

二つ目は「お金を使う権限(決裁権)」だ。
この権限を委譲するには、委譲される人に「信用」があることが前提になる。

ここで言う信用は、銀行から融資を受ける時の信用と同じ意味合いだ。金融で言うところの信用は「将来的な返済能力」のことを指している。それを金融→企業運営に置き換えるなら、それは「その人が将来的に産み出す会社に対するリターン(利益)」だと言えるだろう。その人が、将来的に産み出すであろう利益額を割戻せば、委譲すべき権限の上限額を設定することができる。

この権限を委譲するのであれば、その人が会社に明確な利益をもたらすことができているか、会社の将来的な利益について正確に計算できる能力を備えているかのいずれかでなければならない。併せて、その人の普段のお金の使い方も見ておくべきだろう。

三つ目は「情報にアクセスする権限」だ。
それは、知り得た情報を社内外に発信する行為を含んでいる。

この権限を委譲される人はコンプライアンスに対する感度が高くなければならない。それに併せて、その人がコンプライアンス基準に準拠する行動ができているかどうかも見ておきたい。そのあたりが緩い人に過大なアクセス権を付与すると、後々会社が深刻なダメージを被ることとなるだろう。

上流から(もしくは外部から)の情報はアクセス権がなければ知り得ることができないが、現場の情報は誰でも知ることができるものだ。権限を委譲しようと考えている人が、現在現場の情報に対してどのようにアプローチしているかを見ていれば、その人が情報アクセス権限を委譲されるに値するかどうかは自ずとわかる。

このように考えていくと、権限を委譲するに足りる人物はかなり限定されることがわかる。権限を委譲することありきで物事を考えるのではなく、まずは人の評価基準を整えることが先決だ。

そう、優秀な経営者は、こういった基準を満たす人物が存在しないのであれば、「権限委譲をしない」という結論を出すべきなのだ。

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