【読書記録 -36】99%はバイアス
バイアス(Bias)とは、思考、認知、判断、データなどが特定の方向に偏っている状態、すなわち「偏見」「先入観」「思考の歪み」を指す。
本書『99%はバイアス』の著者はひろゆき。
2022年にダイヤモンド社から出版された本だ。

彼の思考の特徴は、なんといっても「徹底したクリティカルシンキング」だろう。
切り抜き動画などを観ていると、やはり彼が真っ先に問うのは「前提」だ。そして、その前提の曖昧さや、相手が提示する論点の矛盾点などを突くことによって議論を有利に進める。そこが彼が「論破王」と呼ばれる所以なんだろう。
人はバイアスを避けることができない。
誰もが自分は客観的で冷静であると信じているが、実際には過去の経験や周囲の環境、脳の特性など、歪められたフィルターを通して意思決定をする。それがアンコンシャス(無意識な)バイアスだ。
ひろゆきは、まず「自分は偏っている」という前提に立つことが「生存戦略」として重要だと説いている。正義感や道徳心、あるいはコンプレックスからくる感情に振り回されて、多くの人が判断を誤る。しかし、そこから一歩引いて「これは自分の思考のクセなのではないか」と疑うべき ―つまり「メタ認知」すること― が重要なのだ。
「生存戦略」という観点で言うと、彼は「操られる側から利用する側へ回れ」と説いている。だがそれは「ずる賢く生きろ」というメッセージではない。
どんな人でも必ず持っているバイアスを客観的に捉えて、数値やデータなどの指標を基準に据え、数字と言う共通言語で物事をとらえ直すことによって、不要な不安や不要な対立から自分を解放しろということだ。
人はバイアスまみれで不合理な生き物だ。
その不合理さを理解せず、恐怖心や偏見によって行動する人たちは「操られる側」の人として生きていくことになる。一方、バイアスを客観的に捉えて、それを期待値としてゲームプランを立てることができる人こそが「利用する側」に回ることができるのだ。
世の中の成功している人の多くは、「操られる側」の人を「利用している」人たちだ。そういった人は、何か特殊な能力を持っているというより、他人のバイアスを逆手に取っているのだ。
そして、幸福度の高い人たちは、自分自身をメタ認知することができ、自分のバイアスを客観的に管理することができる人なのだ。
