SOMEOFTHEM OF PODCAST 第29回『YMO』特集(前編)(2024年)
カンノアキオとオノウエソウによる、SOMEOFTHEMのポッドキャスト番組『SOMEOFTHEM OF PODCAST』を配信しています。こちらではその文字起こしを前編、後編に分けて掲載します。第29回は音楽的教養を深めるため、あえて真っ直ぐにYMO(?)を聴く「YMO」特集(前編)を掲載します。ポッドキャストは下記リンクから。
カンノ:今回はストレートです。YMO特集。
オノウエ:おお!イエロー・マジック・オーケストラ。
カンノ:イエロー・マジック・オーケストラの曲を聴こうよ。
オノウエ:すごいど真ん中。そんなことやるんですか?
カンノ:音楽史における歴史遺産と言いますか、やっぱりこの人たちを通らないと音楽を語っちゃいけないなと思いましてね。
オノウエ:なんだか『レコード・コレクターズ』みたいなことを言い出しましたね(笑)
カンノ:今ここでYMOを振り返って、現代の音楽について考えていく。YMOを聴いて賢くなろうよ!
オノウエ:あまりにストレートなのでびっくりしてます。
カンノ:では、最初のYMOの曲を聴きましょう。E-girlsで「RYDEEN~Dance All Night~」
オノウエ:YMO特集じゃないの?
カンノ:という、YMOの曲を聴きました。
オノウエ:いや、E-girls…(笑)
カンノ:これがイエロー・マジック!
オノウエ:違います…(笑)
カンノ:シンセサイザーを用いた音楽を世界に広めた立役者ですよね。その一番最初の曲が「もう止められない」
オノウエ:もう何もかもが違います(笑)
カンノ:いやぁ、この曲はすごいよね。
オノウエ:これはカバーってことなの?
カンノ:カバーというか「弾むビートとRYDEEN」ですね。
カンノ・オノウエ:アハハハハッ!
オノウエ:カバーなのかマッシュアップなのかインスパイアなのかわかりませんが、これは本当にすごいね。
カンノ:僕が好きなのはここですね。「真夜中過ぎのtaxi 片手で見せるID 弾むビートとRYDEEN 私を招くparty」という、一節だけ間違い探しみたいな感じになってるよね(笑)
オノウエ:全部韻を踏んでてすごいよね。「ID」と「RYDEEN」と「party」(笑)
カンノ:なんでこの歌詞に「RYDEEN」が入ってくるんだよ(笑)
オノウエ:いや、本当にすごい。
カンノ:「少し焼けた肌を濡らして~」のメロの部分は本家「RYDEEN」にもない箇所でした。
オノウエ:「そんなのない!」っていうやつが出てきましたよ(笑)
カンノ:そんなのナイディーン。
オノウエ:そんなのナイディーンって言いたくなりましたよ(笑)
カンノ:今日はこういう特集です(笑)
オノウエ:YMOにまつわるカバーやらってことですね。
カンノ:E-girlsはちょっと前の曲ですが、これの2024年バージョンみたいな曲を聴きましょう。
オノウエ:アハハハハッ!
カンノ:しかも、もうYMOの曲ではありません。坂本龍一の曲いきます。
オノウエ:じゃあ企画違うじゃん(笑)
カンノ:企画はちょっと違う。曲は全然違う(笑)ということで聴きましょう。IVE, David Guettaで「Supernova Love」
カンノ:「戦場のメリークリスマス」のサンプリングですね。2024年11月8日リリースです。
オノウエ:直近ですね。
カンノ:直近のリリースで、この時点で絶賛炎上中。
オノウエ:フフッ。
カンノ:戦メリを扱うわけですから、戦火にまつわる楽曲に恋愛の歌詞を載せることですよね。和訳の歌詞を見てみましょう。「おおベイベー、そういう愛が必要なの 暗闇を照らすスーパーノヴァ 星に願い続けたよ そうして君がやってきた 私の心を占めて、私の心を満たしてくれた」
オノウエ:という歌詞ですね。あと、メロディーのフレーズを少しイジってるよね。おそらく、歌詞を入れ込むために元々のメロディーに音を増やしてるんだよね。
カンノ:炎上コメントでいうと、「この曲を軽薄に扱うな!」とか「坂本龍一に謝れ!」みたいなものが多いです。あのさ、こうなることって目に見えるよね。
オノウエ:「世間が騒ぐことくらいわかるだろ」というね。
カンノ:亡くなったばかりの坂本龍一の楽曲であるとか、メランコリックなメロディーで平和を願う楽曲という情報も、僕は基本的にあんまり関係ないんです。曲をサンプリングしたりイジったりしても、それで良くなると作り手自身が思うのならどんどんやったほうがいいと思うタイプなんです。でも、なんでしょうか。「あれ?こっちに行ったらダメな気がするな…ちょっと待てよ…あれ?おい、スーパーノヴァラブ?おい、おい!そっちに行ったらダメだ、お前はずっと2択を間違えてる!ダメだ、そっちはダメだ!あー!!」という絶望的な感覚は変な話、おもしろかったですね。「自分にもこういう保守性があるんだ」という意味で。
オノウエ:なるほどね。
カンノ:これは世間一般的な声とは違う意味でね。なんかね、戦メリも坂本龍一も自分にとっては関係ないんだけど、ここに入ってきてほしくない領域に来てしまった感覚というか、ある種の汚された気分というかね。でも、作り手側は無邪気だから。この完全なるすれ違い状態。しかも、その規模があまりに大きい。
オノウエ:あと、これは元も子もないけど、とはいえ曲が良ければ許されたり、「かっこいいね!」となることもあると思うんです。それが曲の力というか。さっきのE-girlsといい、この曲といい、何なんですか?
カンノ:たとえばE-girlsが「RYDEEN」をああいったカバーをすることで、どうしたかったのかですよね。カバーってそのオリジナルを知らない人向けとか、そのオリジナルを知ってる人に向けたものでもあるじゃん。「YMOファンがあのカバーで許すのか?」という(笑)
オノウエ:あとYMO自体が作るフレーズは古風というか、東洋的なフレーズでテクノをやるのがコンセプトだったりすると思うので、フレーズ自体を切り取ると東洋的なものになるわけじゃないですか。「戦場のメリークリスマス」もそうだし。そういうフレーズだけ引っこ抜いて、今のああいうアレンジに乗っけちゃうとこうなるよというさ(笑)しかも英語で歌っちゃうじゃん。全部ミスマッチだよね。
カンノ:そうだよね、2択を間違え続けてるんだよ。
オノウエ:まぁ、ちゃんと炎上してるのは僕はいいことだと思いますけどね。
『SOMEOFTHEM OF PODCAST』はパーソナリティーのカンノアキオと聞き手のオノウエソウが、最新J-POPやちょっと懐かしい曲をクイズやゲーム、時には曲同士を戦わせつつ(?)、今までになかった音楽の切り口を発見しようとする音楽バラエティ番組です。感想は是非「#サムオブ」をつけて投稿してください!
