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【我が家の会話シリーズ】つまみ食いの癖

ある日のこと。

ダイニングには、
夕食用の唐揚げが置かれていた。

こんがりきつね色。

見るからにおいしそうだ。

私はそっと周囲を確認する。

母は別のことをしている。

よし。

今ならいける。

そう思って、
唐揚げに向かって手を伸ばしかけた、その時。

母が言った。

「あんた、
つまみ食いしようとしてるやろ」

ぎくり。

私はまだ、
唐揚げに触れてすらいない。

なぜ分かった。

あまりにも見事に見抜かれて、
思わず聞いた。

「なんで分かったん?」

すると母は、
さも当然という顔で言った。

「今、へへって笑ったやん」

……へへ?

さらに母は続ける。

「あんたな、昔から
イタズラする前に笑うねん」

そんな馬鹿な。

私はそんな分かりやすい人間だったのか。

どちらかと言うと、私は
ポーカーフェイスだと思っていた。

自分では完全に
平静を装っていたつもりなのに。

どうやら私は、悪事を働く前に
無意識で予告をしてしまうらしい。

へへ。

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