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【Soil100 VOICE】誰もが安心してつながり、支え合える社会を──〈一般社団法人wreath〉下村 真代

「儲からないけど、意義がある」
そんな事業に取り組むチームを、公益財団法人Soilでは「非営利スタートアップ」と定義し、事業助成を行うプログラムを通して支援しています。

プログラムの一つ、「Soil100」は、非営利スタートアップ創業前後の、これから実績を上げていく個人の活動家の方に最大100万円を助成するものです。

この連載記事【Soil 100 VOICE】では、Soil100プログラムで支援してきた非営利スタートアップの皆さんに、活動への思いや、これまで・これからについて伺っていきます。

今回は、一般社団法人wreath下村 真代さんです。
どのような悩みや生きづらさを抱えたとしても支えあえる社会」を目指す一般社団法人wreath。全国に約1,800あるとされるセルフヘルプグループ(※1)と当事者をつなぐプラットフォームを運営し、「一人ではない」と感じられる場を提供しています。
活動を続ける下村さんが描く未来や、今までの模索、これからの展望など伺います。


今回お話を伺うのは…

下村 真代(しもむら・まよ)さん
一般社団法人wreath代表理事

大学卒業後、教育系の公益財団法人にて子どもの発達支援に携わる。そこで社会的価値の発信に関心をもち、総合広告会社に転職。マーケティング関連の部署に所属し市場調査などの業務を行うが、自身がセルフヘルプグループを必要とし助けられた経験から、セルフヘルプグループを必要としたときにつながれる仕組みづくりがしたいと思い、事業を形にするために仕事を休職。2024年4月に一般社団法人wreathを設立し、どのような悩みや生きづらさを抱えたとしても支えあえる社会づくりに向け、セルフヘルプグループのプラットフォームの運営などを行っている。

つくりたいのは、どんな社会?

どのような悩みや生きづらさを抱えたとしても支えあえる社会をつくっていきたいと思っています。

一般社団法人wreathは、どのような悩みや生きづらさを抱えたとしても支えあえる社会の実現に向けて、セルフヘルプグループを必要としたときにつながれる仕組みづくりに取り組む団体です。

セルフヘルプグループは「共通の悩みや生きづらさがある当事者が運営しているグループ」といわれます。病気や障害、依存症、不登校、引きこもり、子育て、介護、性的マイノリティなど、本人や家族を対象にしたさまざまなグループがあります。

自分や大切な人が病気や障害をもったり、家庭や職場での関係性に苦悩したり、いじめやハラスメントの被害者や加害者になったりする。こうした経験は、誰しもがあう可能性をもっていることから、セルフヘルプグループは誰しもが必要としうる場だと考えます。

しかし、セルフヘルプグループについて「内容をよく知っている」と答えた人は2.9%と、まだ十分に知られていません(※2)。そうしたことから、セルフヘルプグループを必要とするような状況にあったとしても参加につながりづらく、孤独感を抱いたままになることがあります。

そこで、セルフヘルプグループを必要としたときにつながれる仕組みづくりとしてセルフヘルプグループのプラットフォームの運営を行っています。またグループを安定的に開催するためのサポートも限られていることから、セルフヘルプグループ運営のわかちあいの場も開催しています。

アメリカでは10人に1人にセルフヘルプグループへの参加経験があるといわれます。一方日本では、約85%の人がセルフヘルプグループのことを「知らない」と答えていることから、とても身近な存在ではありません(※2)。

どのような取り組みが必要とされているのか、セルフヘルプグループに関する調査や情報発信にも力をいれながら活動しています。

なぜSoilに応募しましたか?

Soilに応募させていただいた当時は、事業アイデアの検証をしている頃でした。検証に必要な資金を調達するのに、さまざまなプログラムに応募していたのですがどれも採択されず、「これは誰にも必要とされていないのではないか」とかなり自信を失っていました。

そうしたときにSoilのお取り組みがはじまったことを知りました。事業を前進させるべく応募いたしましたが、「『儲からない』けど『意義がある』」というコンセプトにかなり惹かれたのを覚えています。

さまざまなプログラムに応募するなかで、売上や利益が重要視されるものが少なくありませんでした。事業を継続していくために経済的な利益が必要なことは理解していますが、儲けることが重要視されすぎると何かが損なわれていくことがあるように思っています。

なので、「『儲からない』けど『意義がある』」をコンセプトとされていることに驚きやうれしさがありましたね。

どうかどうか通りますようにと願いながら、一生懸命にエントリーシートを書きました。面接では、エントリーシートを丁寧に読み込んでくださったことが伝わり、大変真摯に向き合ってくださったことがとてもうれしかったことをよく覚えています。

Soilの支援をどう活かしていますか?

採択いただいたことで事業アイデアの検証を行うことができました。ただ、それ以上にSoilを運営しておられる方々や同期のみなさんに出会えたことが私にとって大きな励みになりました。かなり自信を失っていたなかで、全力で伴走してくださったメンターの方々や同期のみなさんのがんばりにこちらが勇気づけられ、強く背中を押していただきました。

そこから、事業に必要な資金を調達するのにクラウドファンディングをしたり、法人を設立したりと、Soilがなければwreathが生まれることはありませんでした。支援が終わったいまでも当時のことをよく思い出すくらい、Soilには本当に感謝しています。

Soil100プログラムの最終発表会にて

活動の中で、苦しかった瞬間や、迷った出来事はありますか?

活動が具体化してからはやっと取り組めているうれしさがあり、苦しかった瞬間や迷った出来事というのは少なかったかもしれません。

どちらかというと、活動を始めるにあたって、自己開示をすることに苦労しましたね。活動を始めてみると「なぜあなたがそれをやるの?」という問いをよく投げかけられました。その問いの答えには私自身の原体験があったのですが、うまく言葉にならないことだらけで号泣してしまったことがよくありました。

Soilでご支援いただいているときも、思わず泣いてしまうことがよくありました。大人げなかったのですが、否定せずただ受け止めてくださる方々ばかりでした。あのときの経験を通じて、いまでは人前でも少しずつ話せるようになったなあと思います。

営利ではなく「非営利」という形を選ぶとき、1番の葛藤は何でしたか?

特に葛藤はありませんでしたね。

公益財団法人での勤務経験があったり准認定ファンドレイザーの資格をもっていたりと非営利というのは身近な存在だったので、どちらかというと「これまでの経験を活かせるようにがんばろう」という気持ちが大きかったです。

資金面や組織運営で大変なことも多いと思います。そこをどう乗り越えているのか教えてください。

地道に思いを伝えていくことが大切なように思います。
活動初期はないこと尽くしだと思います。
実績や信頼もない、資金も人もモノもない。
そうしたなかでできることは、地道に思いを伝えていくことでした。

私の場合は、自身の当事者性を起点に事業アイデアを構想しているので、私自身が抱えた痛みから取り組みの必要性を伝えていました。

ただ、言葉にならないような経験を人に伝えるのはとにかくむずかしかったです。うまく言葉にならず、号泣してしまうことがよくありましたね。

ただ、どうにかこうにか言葉をふりしぼってだして伝えていくうちに、応援してくれる人がいたり、その道の専門家を紹介してくれたりと、力を貸してくださる方が少しずつふえてきました。

これからどのようなことに挑戦したいですか?

セルフヘルプグループが広く知られる取り組みを行っていきたいと思っています。

昨年度実施した「セルフヘルプグループの認知度に関する調査」によって、セルフヘルプグループの認知度が明らかになりました。

▼調査レポートはこちらから

セルフグループの認知度は15.4%とまだ十分に知られていません。
誰しもが必要としうる場だと思うので、悩みや生きづらさを抱えたときの選択肢の一つとしてセルフヘルプグループが広く知られるように取り組みを企画しているところです。

もし、こんなアイデアどう?!などお力を貸していただける方がおられましたら、お問い合わせフォームよりご連絡いただけますと大変うれしく思います!

▼お問合せフォームはこちら

下村さんの活動を応援するって、どういう形でできますか?

wreathでは、どのような悩みや生きづらさを抱えたとしても支えあえる社会をつくっていくために月額寄付サポーターさんを募集しております。
なお、都度のご寄付でも大変ありがたく大きな力になります。

もしお力添えいただける方は、こちらの寄付決済フォームよりご協力いただけますと大変心強いです。お力を貸していただけますと幸いです。

▼寄付はこちらから

また、はじまって間もない活動ですので、ご寄付以外にもnoteやSNSのフォローという形での応援も大変励みになります。
2025年4月にHPをリニューアルいたしましたので、こちらもご覧いただけますととてもうれしいです!

▼HPはこちら

読んでくださった方に、最後に伝えたいことはありますか?

お読みくださりありがとうございました。セルフヘルプグループについてまだ十分に知られていないですが、セルフヘルプグループを知ったきっかけとして4人に1人が「家族や友人・知人などからの情報提供」をあげています(※2)。

もしかしたら、周囲で誰かがセルフヘルプグループを必要としていることがあるかもしれません。「こんな記事をみかけてね」と、こちらのnoteを話題にしていただけたらとっても心強く思います。

ぜひ、セルフヘルプグループのプラットフォームにもアクセスいただけますと幸いです!

(※1)セルフヘルプグループの数:かながわボランティアセンターに登録して活動しているグループの数は56(社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会 かながわボランティアセンター「本会登録のセルフヘルプ・グループ一覧」 25年2月末時点)。
この数値を参考に以下のように算出。東京:200グループ / 北海道、​神奈川、千葉、埼玉、​愛知、兵庫、大阪、福岡:56グループ×8=448グループ / ほか都道府県:30グループ×38=1,140グループ 合計1,788グループ

(※2)一般社団法人wreath 2024「セルフヘルプグループの認知度に関する調査」

執筆:下村真代
編集:岸ふみ

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▼Soilウェブサイト
https://soil-foundation.org/ 
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