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子育て攻略ログ #6|怒る前に「デバッグ」すると、叱る回数は減っていく。

「なんで言うこと聞いてくれないの?」

そう思った瞬間。

親のHPは、一気に削られます。

僕も何度も、

「いい加減にしなさい!」

という怒りの必殺技を発動してきました。

でも、ある考え方を持つようになってから、少しずつ変わりました。

それが、

「デバッグする」という考え方です。

前回は、子どもが「やろうとした瞬間」に経験値を配るお話をしました。

「できた。」

ではなく、

「やろうとした。」

その瞬間にバフをかける。

子どもの小さな一歩に気づいて言葉をかけるだけでも、少しずつ変化は生まれます。

でも、そうは言っても。

子育ては、毎日ほめてばかりではいられません。

お風呂に入らない。

テレビを消さない。

「まだ遊びたい!」と泣く。

きょうだいでバトルが始まる。

そんな場面では、親のHPも一気に削られます。

そして気づけば、

「いい加減にしなさい!」

と、怒りの必殺技を発動してしまう。

今日は、そんな僕が

「怒る前に一呼吸置く」

ために使うようになった、

「デバッグ」という考え方

についてお話しします。


「もうすぐお風呂だよ」が、我が家のバグを発生させた

それは、夕食を終えた20時頃。

4歳の長女は、テレビに夢中でした。

そろそろお風呂の時間。

僕は、

「もうすぐお風呂だよ」

と声をかけて、テレビを消しました。

すると、

「やだ!まだ見るの!」

「パパずるい!もう言うこと聞かないからね!」

長女の反撃が始まりました。

その横では、

2歳の次女までお姉ちゃんを真似して、

「おふろ、いやー!」

と。

一人が「いや!」と言う。

それを見て、もう一人も「いや!」と言う。

さっきまで普通だったリビングが、一気に大変なことになりました。

僕のHPも、かなり危ないところまで削られています。

「もういい加減にして!」

喉元まで、その言葉が出かかっていました。


「なんでこんなに話が通じないんだ」

こういう場面になると、僕は思います。

「なんで言ってることが分からないんだろう」

「どうして毎回こうなるんだろう」

保育士として7年。

児童発達支援管理責任者として9年。

16年間、子どもたちの発達支援に関わってきました。

仕事では、子どもが泣いたり、怒ったり、動けなくなった時、

「何があったんだろう?」

「その前に何が起きていたんだろう?」

と考えることができます。

でも、自分の家になると話は別でした。

「早くお風呂に入って!」

「なんで入らないの!」

目の前の「行動」だけを見てしまう。

そして、うまくいかないと、

「自分の伝え方が悪いのかな」

「この子はわがままなのかな」

と、自分も子どもも責めてしまう。

仕事ではできるのに。

どうして家では、こんなに余裕がなくなるんだろう。

そんなふうに感じることが何度もありました。


「そのバグ、キャラクターのせいじゃないかも」

ゲームをしていて、

同じ場所で何度もフリーズするとしたら。

あなたなら、どうしますか?

コントローラーを叩きつけて、

「なんで動かないんだ!」

とキャラクターを責めるでしょうか。

きっと、その前に、

「何が原因なんだ?」

と考えるはずです。

どこで止まった?

その直前に何をした?

何を変えたら動くようになる?

そこで原因を探して、修正する。

これが、

「デバッグ」

です。

僕は、この考え方を子育てにも使ってみることにしました。

子どもが、

「お風呂に入りたくない」

と言った。

その行動だけを見るのではなく、

「その前に、何が起きていたんだろう?」

と考えてみる。

子どもを直すのではなく、

エラーが起きた原因を探す。

それが、僕にとっての子育ての「デバッグ」です。


「怒った」というバグだけを見ない

発達支援の現場では、

子どもの行動だけを見るのではなく、

その前後を見ることがあります。

その考え方の一つが、

ABC分析

です。

簡単に言うと、

A=きっかけ

B=その時の行動

C=その後に起きたこと

を見る考え方です。

今回のお風呂なら、

A:テレビを見ているところに「もうすぐお風呂だよ」と伝え、テレビを消した

B:「やだ!まだ見る!」「パパずるい!」

C:親も困る。さらに次女も真似して「おふろ、いやー!」になる

という流れです。

ここで大事なのは、

「B=怒った」

だけを見て、

「怒らない!」

と叱ることではありません。

その前にある、

A=何がきっかけだったのか?

を見ることです。

僕の場合、

「テレビを見ている最中に、突然終わりが来た」

ことが、エラーを起こすきっかけの一つだったのかもしれません。

僕からすれば、

「もうすぐお風呂だから、テレビを終わりにしよう」

という普通の声かけ。

でも娘からすると、

「今、一番楽しいことを終わらされる」

という出来事だったのかもしれません。

ゲームをしている途中で、

いきなり電源コードを抜かれる。

そんな感覚に近かったのかもしれません。

そう考えると、

「まだ見る!」

となる気持ちも、少し分かる気がしました。


子どもを変える前に、「ステージ」を変えてみた

そこで僕は、

「子どもを変えよう」

ではなく、

「きっかけを変えてみよう」

と考えました。

いきなり、

「テレビ消して!」

ではなく、

「あと3分でお風呂だよ」

と伝える。

そして今回は、

AmazonのEcho Dotを使いました。

Alexaの音声とデジタル表示で、

3分のカウントダウンをしてもらいます。

これが、僕にとって大きなポイントでした。

今までは、

「あと3分だよ」

と言うのは僕。

「あと2分だよ」

と言うのも僕。

「もう終わりだよ」

と言うのも僕。

どうしても、

「パパがテレビを終わらせようとしている」

という構図になります。

でもAlexaにカウントダウンしてもらうと違う。

パパではない、

別の存在から、

「あと3分」

「あと2分」

と客観的に時間が進んでいく。

そしてタイマーが鳴った時。

長女は、

「あ、鳴っちゃった」

と、少し悔しそうにしながらも、

自分でテレビを消しました。

もちろん、毎回うまくいくわけではありません。

タイマーを使っても、

「まだ見たい!」

となる日もあります。

でも、ここで僕自身の見方が変わりました。

以前なら、

「なんで言うこと聞かないの!」

だったところが、

「今日は何がエラーを起こしているんだろう?」

と考えられるようになった。

子どもを変える前に、

環境を変えてみる。

それだけで、親子のやり取りが少し変わることがあります。


「環境を変える」ことも、発達支援の一つ

発達支援では、

子どもだけに頑張ってもらうことを考えるわけではありません。

子どもが力を発揮しやすいように、

環境を整えることも大切にしています。

僕が現場で大切にしている、

「エコロジカルアプローチ」

という考え方です。

例えば縄跳び。

ジャンプが苦手な子に、

「もっと高く跳んで!」

と言い続けるだけではありません。

トランポリンの上で跳ぶ。

持ち手を変える。

場所を変える。

環境を調整することで、

子どもが成功しやすい状態を作ります。

今回も同じです。

「テレビを消して!」

と言い続けて、子どもに頑張って切り替えてもらう。

それだけではなく、

「終わりが分かるようにする」

「残り時間を見えるようにする」

「パパ以外からも時間を伝えてもらう」

と、環境の方を変えてみる。

ゲームで言えば、

キャラクターの能力を上げるだけではなく、

ステージの設計を変える。

子どもを変える前に、

ステージを変えてみる。

これも、一つのデバッグなんだと思います。


子育ては「バグをなくすゲーム」じゃない

ここまで書いておいてですが、

子育てから「バグ」を完全になくすことはできません。

眠い。

お腹が空いた。

疲れている。

遊びを終わりにしたくない。

親も疲れている。

きょうだいで取り合いになる。

そんな毎日で、

完璧に対応するなんて無理です。

だから僕は、

「怒らない親になる」

ことを目指すのではなく、

「怒る前に、別の見方を一つ持てる親になる」

ことを目指しています。

バグが起きたら、

「誰が悪い?」

ではなく、

「何が起きた?」

と考える。

それだけでも、

子どもを責める時間が少し減ります。

そして、

親自身を責める時間も。


🎮 今日の攻略コマンド

「叱る前に、ひとつ前を見る」

子どもが困った行動をした時。

すぐに、

「やめなさい!」

「なんでできないの!」

と言う前に、

一度だけ考えてみる。

「その行動の直前に、何が起きていた?」

テレビを突然終わらせようとした?

予定が急に変わった?

疲れていた?

お腹が空いていた?

それとも、

親のHPがもう赤かった?

原因が分かれば、

子どもを変えなくても、

ステージの攻略方法を変えることができます。

怒りそうになったら、

まずデバッグ。

それが、僕が家庭で使っている小さな攻略コマンドです。

もし今日、

「なんで言うこと聞かないの!」

と言いそうになった経験があれば、

その前に何が起きていたか、一度振り返ってみてください。


次回予告

デバッグをして、

原因が分かっても。

どうしても子どもに、

「やってほしいこと」

を伝えなければいけない場面はあります。

「片付けて」

「着替えて」

「歯を磨いて」

「お風呂に入ろう」

でも、

同じことを何度言っても動いてくれない。

そんな時、

「どう伝えれば、子どもが動きやすくなるのか?」

という問題が出てきます。

次回は、

「指示が通る確率をブーストさせる、コマンドの伝え方」

についてお話しします。

子どもを動かすための「命令」ではなく、

子どもが動きやすくなる「伝え方」。

次の攻略も、一緒に考えていきましょう。


📚 おすすめの読む順番

① 子育て攻略ログ #1
保育士16年でも、家では怒鳴るパパでした。

② 子育て攻略ログ #2
ゲームの視点を持ったら、怒鳴る回数が減りました。

③ 子育て攻略ログ #3
「子どもを変えよう」とすると、育児は一気に無理ゲーになる。

④ 子育て攻略ログ #4
子どもを変えるのを「諦めた」ら、子どもが勝手に変わり始めた話。

⑤ 子育て攻略ログ #5
「できた」ではなく「やろうとした」に経験値を配る。

⑥ 最新の攻略ログも、毎日22時に更新しています。

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