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温室効果ガス観測衛星「GOSAT-GW」が拓く未来

先般、休暇を頂戴して種子島に行って参りました。6月はアカウミガメの産卵上陸シーズンにあたり、主な目的は「アカウミガメの産卵上陸調査」に参加することだったのですが、地元のコンビニエンスストアに貼られていたポスターで、H-IIAロケット50号機の打ち上げ(ラストフライト)が予定されていて、そのロケットに温室効果ガスに関連する衛星が搭載されていることを知り、種子島宇宙センターの施設見学に参加してきました。

地元コンビニエンスストアのポスター。宇宙センターの街であることを実感。

H-ⅡAロケットって?

H-IIAロケットは、2001年の試験機1号機打ち上げから20年余りにわたって運用を続けてきた日本の基幹ロケットです。日本初の純国産ロケットH-IIロケットで培われた技術をもとに開発され、多様な人工衛星・探査機を打ち上げてきました。50号機は温室効果ガス・水循環観測技術衛星(GOSAT-GW)を搭載しています。
H-IIAは今回の50号機でその役目を終え、新たな日本の基幹ロケット「H3」へバトンを渡します。

種子島宇宙センターは日本最大のロケット発射場。写真左/大型ロケット組み立てて棟 。写真右/第1射点、第2射点。敷地内はとても自然豊か。

GOSAT(ゴーサット)とは

GOSATは、「Greenhouse Gases Observing SATellite」の頭文字をとったもので、日本が打ち上げた温室効果ガス観測衛星の愛称です。

2009年に初代「いぶき」(GOSAT)、そして2018年には後継機「いぶき2号」(GOSAT-2)が打ち上げられ、現在も地球周回軌道上から地球を「観測」し続けています。

今回のH-IIAロケット50号機では、温室効果ガス・水循環観測技術衛星(GOSAT-GW:Global Observing SATellite for Greenhouse gases and Water cycle,愛称・いぶきGWに決定)を搭載しています。

衛星の主なミッションは、地球上の二酸化炭素(CO2)とメタン(CH4)の濃度を精密に測定することですが、いぶきGWは二酸化窒素(NOX)や降水量や海氷分布も観測することができるようになります。

更にいぶきGWでは観測方法を「点から面」に変更し、従来のGOSATシリーズと比較して圧倒的に多くの観測点からのデータを取得できるようになります。都市単位での観測や大規模排出源である発電所、ガス・石油施設を特定しての観測が可能になるというのだから、すごい。

企業の気候変動対策の展望

いぶきGWが提供するデータは、企業の気候変動対策を「次のレベル」に引き上げる可能性を秘めています。
例えば、現在、多くの企業が温室効果ガス排出量の算定に取り組んでいますが、その多くは活動量に基づいた「推計」です。
いぶきGWのデータは、実際の地球上のガス濃度を直接観測している実測値のため、このデータを活用できるようになると、排出係数によって算定するということはなくなるのかもしれません。より具体的で科学的な根拠に基づいた経営戦略を策定することが可能になるのかなと思うとワクワクしますね。

なお、2025年6月29日午前1時33分にH-IIAロケット50号機は打ち上げられ、いぶきGWは無事、予定の軌道に乗りました。ロケット打ち上げのリアルタイム実況(youtube)も視聴しましたが、なかなか良かったです。

参考文献


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