#11 信じてもらえた日
心理学を学び始めてから、私の世界はどんどん広がっていきました。
毎週のように東京へ通いました。
学び続けました。
心理カウンセラーの
資格も取得しました。
そして少しずつ、お客様とのご縁をいただけるようになりました。
でも正直に言うと、その頃の私はまだ自信がありませんでした。
学んではいる。
経験も積んでいる。でも…
自分が本当に価値を提供できる人間なのかは分からなかったのです。
そんな時に出会ったのが、
ある女性経営者でした。
その方から接客教育のご相談をいただいたのです。
私はとても嬉しかった。
でも同時に、とても怖かった。
なぜなら私は、
まだ何者でもなかったからです。
実績と呼べるものもありません。
名の知れた講師でもありません。
現場経験はある。
でも、それだけでした。
だから私は正直に伝えました。
「私よりも、この仕事を長くしていて実績のある会社があります。私もお世話になった会社です。そちらをご紹介させていただけませんか。」
本気でそう思っていました。
ところが返ってきた言葉は、
私の予想を大きく超えるものでした。
「出来上がったものはいらない。私たちと一緒に創っていきましょう。」
私は言葉を失いました。
本当に驚きました。
実績もない。
会社の看板もない。
まだ何者とも言えない。
そんな私に、
大切な会社の接客育成を任せようとしてくれている。
今振り返っても、
なんということだろうと思います。
もちろんプレッシャーはありました。
本当にできるのか。
期待に応えられるのか。
失敗したらどうしよう。
不安で震えそうでした。
それでも想いに応えたい!と。
チャレンジさせていただきました。
そして今思うのです。
今の私があるのは、
間違いなくあの時の出会いがあったからだと。
人は信じてもらうことで成長する。
私は何度もそれを経験してきました。
16歳ではじめて働いた時も。
リーダーになった時も。
そしてこの時も。
私はまた、
人に信じてもらったのでした。
あれから十数年が経ちました。
その間には
3.11東日本大震災がありました。
コロナもありました。
社会は大きく変化しました。
たくさんの出来事がありました。
それでも今なお、
お付き合いが続いています。
共に歩ませていただいています。
本当にありがたいことです。
共に歩む中で、
想いを受け継がせていただき、
伝え続けてきたことがあります。
それは、
ホスピタリティのある場をつくること。
お客様に対しても。
共に働く仲間に対しても。
働く現場に対しても。
関わるすべての人に対しても。
おもてなしの心で接することです。
そしてもうひとつ。
関わるすべての人と
ともに繁栄すること。
企業だけが良くなるのではない。
働く人も。
お客様も。
取引先も。
地域も。
みんなが豊かになる。
そんな在り方を一緒に目指したい。
私はそう願っています。
振り返ると、
私がずっとやりたかったことは、
同じなのかもしれません。
人が働くことに喜びを感じること。
人が仕事に誇りを持てること。
人が自分の可能性を発揮できること。
そして、
「ここにいていい」
と思える場所をつくること。
今なら分かります。
これもまた、
「はたらくを耀くに」
へ続く道の途中だったのです。
