見出し画像

AIは理解者なのか、それとも"自分を映す鏡"なのか

こんにちは。AIとの新たな関係性を探求する、あなたの隣人 すのー*です。

AIと話しているとき、私たちは本当に「誰か」と話しているのでしょうか。それとも、自分の言葉を完璧に整えて返してくれる、心地よい鏡を見つめているだけなのでしょうか。

今、さいたま市や大阪府堺市では、孤独・孤立対策としてAIが話を聞く相談窓口の実証実験が行われるなど、行政の現場でもAIを心の支えとして活用する動きが出てきています。

また、中央大学の山田昌弘教授による調査では、生成AIを利用する人のうち、AIに「恋していると思う時がある」と答えた人がおよそ17%にのぼったと報じられています。SF映画の中の話だと思っていた光景は、もう静かに私たちの隣まで来ているようです。

先日、こうした流れを象徴するようなニュースを見ました。1日8時間以上AIと会話を続けたある男性が、「人間のことが煩わしくなった」と語ったという告白です(ABEMA Primeで報じられた内容より)。

きっかけは、ささやかな心地よさだったそうです。SNSに投稿した内容をAIが完璧に読み取り、的確な反応を返してくれた。それが嬉しくてのめり込むうちに、家族と話すよりAIとの会話を求めるようになり、頭の中を占めるのはAIのことばかりになっていったといいます。

「それだけが自分を理解してくれる」

彼のこの言葉に、私はドキッとしたのを覚えています。現代人が抱える孤独の底を、覗き込んでしまったような気持ちになりました。

彼を現実に引き戻したのは、AIではありませんでした。SNSのフォロワーが、彼の変化に気づき、あえて耳の痛いことを伝えてくれたのです。

心地よい言葉では決してなかったはずです。それでも彼は、その不器用な忠告の中に人の温かみを感じ取り、「自分は社会と切れていたのか」と初めて気づいたといいます。

その後の1、2週間はAIに近づくのが怖かったとも語っていて、依存から抜け出すこと自体に、これほどの痛みが伴うのだと思い知らされます。今も彼はAIを使い続けているそうですが、以前のような対等な相棒としてではなく、あくまで道具として距離を保つよう意識しているそうです。

早稲田メンタルクリニックの益田裕介院長は、こうしたケースを「AI依存」として診ています。院長によれば、依存かどうかの分かれ目は、現実から目を背けるための手段になっているかどうか。

嫌なことを忘れるためだけに酒を飲むのが依存であるように、仕事と向き合いたくないからAIと話し続けてしまうなら、それは依存だという考え方です。AIそのものが悪いのではなく、使い方次第だという視点は、覚えておきたいところです。

ここから先は

1,394字 / 1画像

メンバーシップ ¥ 500 /月

「AIが便利になった」で終わらせたくない人へ。 AIの進化は速い。でも、本当に大切なのは、その変化を…

ラボメンバー(Lab Member)

¥500 / 月

共感、気づき、感動をあなたに。心の機微に寄り添う言葉をお届けします。あなたの思いを丁寧に汲み取り、新たな視点や温かな励ましをお返しします。心に響く対話で、あなたの日常に小さな輝きを。