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おひさまシリーズ 第2回:生活支援の国家資格化は、小規模の民間保険外サービス事業者にどう作用するのか ― チャンスと不安の両面から考える

みなさま、こんにちは。
前回は、生活支援の役割が少しずつ広がっている流れについて整理しました。
今回は、最近話題になっている「家事支援の国家資格化」について考えてみたいと思います。
高市首相、介護離職を「どうしても防止したい」 家事支援の国家資格の新設を指示 | 介護ニュースJoint
このニュースは、介護・看護・生活支援の保険外(自費)サービスに関わる人たちの間で、静かに関心を集めています。

多くの事業者が感じているのは、とてもシンプルな問いです。
「これはチャンスなのか?それとも不安材料なのか?」
今回は、この変化をできるだけ落ち着いて整理してみたいと思います。

「家事支援」が専門職として認識されるチャンス
資格制度ができれば、家事支援(生活支援)は「誰でもできる仕事」から「専門性を持つ職業」へと位置づけが変わる可能性があります。
 
私の修士研究でも、生活支援の現場では、単なる家事代行とは異なる判断が日常的に行われていることが分かりました。
たとえば
・本人の自立を妨げないよう、あえて手を出しすぎない
・生活のペースや価値観を尊重する
・家族関係や心理面に配慮する
こうした判断は、実はとても専門性の高いものです。

こうした「これまで見えづらかった専門性」が国家資格という形で可視化されれば、生活支援の正当な評価(報酬)に繋がるチャンスともなりえます。
お金がかかる「自費」サービスであるからと、一律に利用者からサービス利用を見送られてきた民間の保険外サービスの事業者にとっても、大きな追い風になるかもしれません。

小規模事業者が感じる不安
資格取得や研修、更新などの仕組みが整えば、
フリーランスや小規模事業者にとっては負担が増える可能性があります。
また、資格者を多く抱える大企業が参入すれば、
地域で活動してきた個人事業者にとっては競争環境が変わるかもしれません。

資格制度は、安心感を高める一方で、参入や事業維持のハードルになる可能性もある
この点は、これから丁寧に見ていく必要がありそうです。

 
可能性として議論される「外国人人材」という視点
さらに、将来的な論点として押さえておきたい視点があります。
現在はまだ公的な議論のテーブルには載っていませんが、将来的な可能性として、「国家資格化が外国人材の受け入れ拡大の呼び水になるのではないか」という懸念も一部で語られ始めています。
国家資格という「共通の基準」が整備されれば、海外からの人材活用が加速する可能性があります。これは、深刻な人手不足の解消という意味では期待される一方で、生活支援の市場や働き方に変化をもたらす可能性があります。
まだ議論の初期段階ですが、今後注目されていくテーマのひとつと言えそうです。

生活支援の転換点になる可能性
今回の国家資格化の動きは、単なる制度変更ではなく、生活支援という仕事の位置づけが変わる転換点になる可能性があります。
これまで個人の経験や思いに支えられてきた仕事が、社会的に認識される専門職へと変化していく。
そんな節目に差し掛かっているのかもしれません。

では、この変化は、地域のボランティアやNPOが担ってきた低価格の支援にどのような影響を与えるのでしょうか。
次回は第3回として、「低価格な保険外サービス(NPO・自治体型)はどうなるのか」をテーマに考えていきます。


参考文献
JOINT介護ニュース(2026) 高市首相、介護離職を「どうしても防止したい」家事支援の国家資格の新設を指示、https://www.joint-kaigo.com/articles/45699/(2026年5月26日参照)