女が一瞬で見抜く「良い人止まりの男」の共通点
今日もスナックゆきで、一杯だけ頼んだ。
今日はデュワーズ12年にした。
口当たりがやわらかくて、角がない。
強い酒のはずなのに、妙に飲みやすい。
こういう酒は、気づくと静かに進んでいる。
「いい人なんだけどね」
この言葉を、昔の私は褒め言葉だと思いたかった。
実際、人として悪く言われているわけではない。
優しい。気が利く。誠実。
親に紹介するなら安心。
たぶん、そういう意味なのだろう。
でも恋愛では、この言葉がそのまま終着駅になることがある。
棚にきれいに置かれて、それ以上は進まない。
丁寧に扱われたまま、選ばれない。
私自身、そう言われて付き合えなかったことがある。
当時は、伝わっていないのだと思っていた。
もう少し誠実に接すれば。
もう少し優しくすれば。
時間をかければ、いつか気持ちも動くのではないかと。
でも、たぶん違ったのだ。
伝わっていなかったわけではない。
伝わったうえで、違うと判断されていたのだと思う。
恋愛は残酷で、
何をしたかより、相手が何を感じたかの方が重い。
こちらがどれだけ丁寧でも、
相手の中で“いい人”の棚に置かれた時点で、
その先に進みにくくなることがある。
嫌われないようにしている人ほど、
印象に残らないことがあるのも、たぶん同じだ。
変に思われたくない。
下心があると思われたくない。
踏み込みすぎて引かれたくない。
そうやって無難に整えた結果、
角のない人になる。
社会では、それで困らない。
むしろ、感じのいい人で通る。
でも恋愛では、減点されないことと、選ばれることは別なのだと思う。
人は、少しくらい輪郭のあるものに心を動かされる。
ちゃんとしているだけでは足りない瞬間がある。
少し不公平で、少し理不尽だ。
でも、そういうものなのだろう。
デュワーズ12年は、やっぱり飲みやすかった。
丸くて、やさしくて、するすると入っていく。
でも、印象に残る酒かと言われると、少し考える。
人も、少し似ているのかもしれない。
グラスが空いた。
今日はここまでにする。
