【無料】【発達障害と親シリーズ#01】子どもが発達障害と診断されたとき——親が感じる、正直な気持ち
「まさか、うちの子が」と思った、あの日のこと
先生から呼び出された。 検査を受けた。 診断が出た。
「お子さんはADHD(注意欠如・多動症)の特性があります」 「ASD(自閉スペクトラム症)の傾向が見られます」
その言葉を聞いたとき——頭が真っ白になった、という方がいます。 涙が止まらなかった、という方がいます。 「やっぱりそうか」と、どこかほっとした、という方もいます。
そして多くの方が、「この気持ちを、誰かに話せない」と感じてきました。
新宿でスナックを経営している、京子ママです。20歳から大阪・北新地の高級クラブで働き始めて、この道28年。35歳で新宿に自分のお店を持って、チーママと5人のスタッフと一緒に毎晩やっています。
私自身は、子どもを持っていません。でも、お店のカウンターで、子どもの発達に悩む親御さんの話を、長年聞いてきました。
そして、このシリーズでお話ししてきたように、私自身にもADHDの傾向があります。
「親の側の気持ち」と「当事者の側の気持ち」——両方の視点を持ちながら、今日はお話ししたいと思います。
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まず、知っておいてほしいこと——「発達障害」とは何か
発達障害は、「病気」でも「事故」でもありません。
生まれつきの、脳の特性です。
主なものとして、以下が挙げられます。
ADHD(注意欠如・多動症) 不注意・多動性・衝動性の特性。忘れ物が多い、集中が続かない、じっとしていられない、など。
ASD(自閉スペクトラム症) コミュニケーションの特性、こだわりの強さ、感覚の過敏さ、など。
LD(学習障害) 読む・書く・計算するなど、特定の学習に困難が生じる特性。
これらは、「育て方が悪かった」「親のせい」ではありません。
遺伝的な要因が大きく関わっていることが、医学的に示されています。
「あなたのせいではない」——これを、最初に、はっきりと伝えさせてください。
診断を受けたとき、親が感じやすい「正直な気持ち」
診断を受けた親御さんが感じる感情は、一つではありません。様々な感情が、混ざり合いながら、押し寄せてくることがあります。
① ショック・混乱
「まさか」「なぜうちの子が」——予期していなかった診断に、頭が追いつかない。
何をどう考えればいいのかわからない、という状態になる方は多いです。
② 罪悪感・自己嫌悪
「私の育て方が悪かったのかもしれない」「妊娠中に何かしてしまったのかもしれない」「もっと早く気づいてあげればよかった」——根拠のない罪悪感が、押し寄せてくることがあります。
繰り返し伝えます。発達障害は、育て方のせいではありません。
でも、頭でわかっていても、感情として罪悪感が出てくることは、自然なことです。その感情を、否定しなくていい。
③ 悲しみ・喪失感
「この子の将来は、どうなるんだろう」「普通の学校生活を送れるだろうか」「友達はできるだろうか」——想像していた「子どもの未来の姿」が、揺らぐような感覚を持つ方がいます。
これは「悲しんではいけない」ということではありません。その悲しみは、本物の感情です。
④ 安堵
「やっとわかった」「ずっとモヤモヤしていたことに、名前がついた」——長年、「なぜこの子はこうなんだろう」と悩んできた方にとって、診断は「答えが出た」という安堵をもたらすこともあります。
この「安堵」を感じることを、後ろめたく思う必要はありません。
⑤ 怒り
「なぜもっと早く教えてくれなかったのか」「学校は何をしていたのか」「誰かのせいにしたい」——怒りが出てくることも、自然な反応です。
⑥ 「受け入れなければ」というプレッシャー
「ちゃんと受け入れなければ」「前向きにならなければ」——こういったプレッシャーを、自分にかけてしまう方がいます。
でも、受け入れるには、時間が必要です。「すぐに受け入れられなくていい」——これも、大切なことです。
「受け入れる」とは、どういうことか
「子どもの特性を受け入れること」は、「すべてを肯定すること」でも、「諦めること」でもありません。
「この子には、こういう特性がある。その上で、何ができるかを、一緒に考えていくこと」——これが、受け入れることの、現実的なイメージだと思います。
「受け入れる」は、一日でできることではありません。
何度も揺れながら、少しずつ、時間をかけて、たどり着いていくものです。
今日、「まだ受け入れられていない」と感じているなら——それは、あなたが「まだその途中にいる」ということであって、間違っていることではありません。
「親のせいではない」と、もう一度
診断後に多くの親御さんが経験することの中で、最も苦しいものの一つが「自責」です。
「もっと早くから療育に通わせれば良かった」 「私がもっとちゃんとした育て方をしていれば」 「仕事をしながら育てたから、愛情が足りなかったのかもしれない」
お店で聞いてきた中で、これらの言葉を、何度も聞いてきました。
そのたびに、正直に伝えてきました。
「発達障害は、育て方で起きるものではありません。あなたのせいではありません。」
この言葉を、何度でも、自分に言い聞かせてほしいと思います。
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ママが見てきた、診断後の親御さんのリアル
お店で、こういった言葉を聞いてきました。
「診断を受けた日の夜、一人で泣きました。泣きながら、『この子のために、私が強くならなければ』って思っていた。でも、強くならなければいけないのがしんどくて、また泣いて」
「夫に話したら、『大げさじゃないか』と言われた。誰にも理解してもらえない気がして、ずっと一人で抱えてきた」
「診断を受けてから、この子の『できないこと』ばかりが目につくようになってしまって。そんな自分がとても嫌で」
これらの言葉の中に、共通していることがあります。
「しんどいのに、一人で抱えている」ということです。
一人で抱えないために
発達障害の子どもを育てる親御さんが、最も必要としているものの一つが、**「話せる場所」**です。
同じ経験をしている親同士がつながれるコミュニティ、専門家への相談窓口——これらを、積極的に活用してほしいと思います。
活用できるサポートの例:
発達障害者支援センター:各都道府県に設置されており、本人・家族への相談支援を行っています。
ペアレントトレーニング:発達障害の子どもへの関わり方を、親が学ぶプログラム。多くの地域で実施されています。
親の会・家族会:同じ経験を持つ親同士がつながれる場。「わかってもらえる」という安心感が、大きな支えになります。
最後に——「今日、泣いてもいい」
子どもが発達障害と診断されたとき、「強くなければいけない」「前向きにならなければいけない」というプレッシャーを、自分にかけないでほしいと思います。
今日は、泣いていい。
怒っていい。
「なんでうちの子が」と思っていい。
その感情は、あなたがこの子を、それだけ深く愛しているからこそ、出てくるものです。
「受け入れること」は、今日でなくていい。
でも、「一人で抱え込まないこと」は、今日から始めてほしい。
このシリーズが、その小さな一歩になれたなら嬉しいです。
次回【発達障害と親シリーズ#02】では、「誰にも言えない——発達障害の子を育てる、親の孤独」というテーマで、学校・ママ友・祖父母との温度差について、お話しします。
京子ママのnoteでは、恋愛・仕事・お金・美容・生き方について、スナックのカウンター越しに話すような温度感で書き続けています。スキやフォローがとても励みになります。またふらっと寄ってくださいね。
