「いきいき」と過ごすための「えがお」。~異端児施設長が語る、綺麗事じゃない介護のリアル ~
〜異端児施設長のこれまで②〜
「社会福祉法人の施設長」と聞いて、どんな姿を想像しますか?
広い部屋でスーツを着たおじ様が、難しい顔をして会議をしている……
そんなイメージを、長瀬さんは軽やかに裏切ります。
金髪にジャージ姿で現場に立ち、時には草取りや水まきも自らこなす。
一見すると介護業界の「異端児」に見えるそのスタイルの裏側には、かつてのどん底を支えてくれた仲間への強い恩返しと、世界を見据えた真っ直ぐな信念がありました💡
「心」がなければ、介護はただの作業になる🏃
前回は、長野に戻ってきていきなり倒産寸前の施設を引き継ぐことになったお話を伺いました 。そこから「社会福祉法人えがお」として再出発されたわけですが、最初からこの名前を考えていたのですか?
長瀬: 実は、最初は「社会福祉法人 こころ」という名前にしたかったんです 。介護は「心」が8割だと思っているので 。
でも、すでに県内に同じ名前の法人があって却下されてしまって(笑)
そこからどのように今の名前にたどり着いたのでしょうか?
長瀬: もともと父や兄が建てたNPOの時から、事業所名は「いきいき家族」でした 。
送迎車を見た地元の小学生たちが「あ、いきいきだ!」って呼んでくれるくらい地域に馴染んでいたんです 。
じゃあ、その「いきいき」と過ごすために何が必要なんだろうと考えた時、パッと浮かんだのが「えがお」でした!
「いきいき」と過ごすために必要なのは「えがお」だった😊
「笑顔」という漢字ではなく、ひらがなの「えがお」にしたのにも理由があるのですか?
長瀬: 漢字よりも柔らかい感じにしたかったのと、子供からおじいちゃんまで誰でも読める名前にしたかったんです 。
あと、これは東京の修行時代の影響なんですが、当時お世話になった社長から「店名に濁点がつくと記憶に残りやすい」と教わったんです 。
ちょうど「えがお」には濁点が入っているし、これだ!と思って決めました。
「切ねえよ」の一言が、僕の経営者としての原点 ✊
再建当時は、夜勤や現場、事務作業まで全てご自身でこなされていたそうですね 。
長瀬: 当時は本当にお金も人もいなくて、やるしかなかった 。
そんな僕を支えてくれたのは、他業界からリタイアして入ってくれた60代以上の「お姉様方」でした 。
入社した当時、赤字が出ていて…
そんなとき、仕事帰りにその方の家で食事をいただいていたら、ポツリと言われたんです 。
「オラた(私たち)、こんなに一生懸命働いているのに、一年経って赤字なんて切ねえよ」
長瀬: その言葉が、嬉しくもあり、本当に申し訳なくて、苦しくて 。
「二度と仲間たちにこんな思いはさせたくない」と強く心に誓いました 。
今の僕の「現状を変えたい」という想いの原点は、あの日の「切ない」という言葉にあるんです🔥
日本人の良さを「区別」して守り抜く 🌏
ベトナムやミャンマーなど、海外から来たスタッフも多く活躍されていますね 。
長瀬: そうですね、彼らは本当にハングリーで、目が輝いています 。
そんな彼らを受け入れることで、逆に「日本人の良さ」が目立つようになるんです 。
きめ細やかな気配りや、礼節を重んじる姿勢 。これは差別ではなく「区別」であり、お互いの文化をリスペクトし合うための自覚だと思っています。🤝
そんな熱い絆があるからこそ、海外進出も視野に入れているのでしょうか?
長瀬: はい。彼らが母国へ帰った時、向こうで一緒に施設を作りたいという大きな夢があります 。これから世界中で訪れる高齢社会に対して、僕たちが培った介護を届けていきたいですね✈️
「ホチキス止めでもやりますよ」
そんな言葉に支えられているのは、僕の方なんです🤝
長瀬さんは「施設長」という枠に縛られない自由なスタイルですが、スタッフの方々との関係性も独特ですよね。
長瀬: 僕はルールが嫌いなので、ネックレスも金髪も全然オッケーです(笑) 。
でも、その代わりプロとしての「基準」――国家資格(介護福祉士)の取得や、挨拶、接遇、場を清めることは絶対に妥協しません 。
自由でいるためには、それだけの自覚が必要なんです✨
その「基準」をクリアしているからこそ、外部からも評価されるチームになれているのですね。
長瀬: ありがたいことに、研修でお会いした講師の方からも「ファンです」と言っていただけるようになりました 。
でも実は、僕がそうやって外で動けているのも、現場のスタッフたちが支えてくれているからこそなんですよ。🌿
具体的に、そう感じる瞬間はありますか?
長瀬: 僕が役員会の資料作りなどでバタバタしていると、スタッフが「事務的なことは手伝えないけど、ホチキス止めとか、そういうことでも良かったらやりますんで言ってください!」って声をかけてくれるんです 。
それは……心に響きますね。
長瀬: 嬉しいですよね 。専門的なことは教えられなくても、自分にできることで助けようとしてくれる 。
うちには「利他(りた)」の精神を持った人が本当に多いんです 。
だからこそ、僕も彼らのために「現状維持」ではなく、常に変化し続けていきたいと思えるんです。
未経験から始まった長瀬さんの挑戦は、今、国境を越えた大きな「えがお」の輪になろうとしています。
「現状維持はリスクでしかない」と語る長瀬さんが描く未来 。その中心には、いつも彼を支え、共に歩む頼もしいスタッフたちの姿がありました。🤝
次回は、
「異端児施設長を支える、個性豊かな『いきいき家族おぶせ』のスタッフたち」にフォーカス。
現場で「心」の介護を体現するスタッフの、リアルな想いに迫ります。
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