安易な言葉狩りは高校野球も国家も文化も滅ぼす。
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主観的,差別用語,センシティブなコンテンツ.
「刺」「殺」「死」「盗」「犠」などの物騒な表現を含む野球用語の見直しのため、宮城県高校野球連盟が検討委員会を設置。この結果を加盟校の全指導者に周知する方針で、いずれは県内の小学校から社会人といった野球の現場にも広げるとのこと。
犠牲フライや本塁憤死や二塁封殺。
これらの言葉がそこまで物騒なのだろうか?
盗塁王は盗みの王様だからけしからんのか?
今回の見直し。私には言葉狩りと映る。
盲めっぽうに用語を改めてもよいのか?
宮城県だけ実施するのは片手落ちでは?
高校野球の7イニング制導入もそうだが、お偉さん方の思考は我々凡人には理解し難い。
安易な言葉狩りは大日本帝国を想起させる。
プロ野球も次第に戦争の影響を受けるようになり、1940年秋からは、英語使用の禁止などの改革が始まり(中略)
野球用語も日本語となり、ストライクは「よし一本」セーフは「よし」アウトは「ひけ」などと言うようになった。
軍部は堅牢な洋館の一室で、ウイスキーでもくゆらせながら禁止を決めたのだろうか。
数年前のNHK高校野球中継で、こんなことがあった。
足に死球を受けた球児が一塁に向かう姿を見て、思わず解説者が「びっこを引いてますから相当痛いんでしょうね」といった。
球児を慮った言葉は「先ほど不適切な言葉があったことをお詫び申し上げます」と、直ちにアナウンサーに上書きされた。
解説者はNHKから厳重注意を受けたと思う。
三島由紀夫の『金閣寺』には、こんな会話がある。
主人公の中学校に海軍機関学校の先輩が訪れた場面だ。
「おい、溝口」と、初対面の私に呼びかけた。私はだまったまま、まじまじと彼を見つめた。私に向けられた彼の笑いには、権力者の媚びに似たものがあった。
「何とか返事せんのか、啞か、貴様は」
「ど、ど、ど、吃りなんです」
今の時代であれば、三島由紀夫も新潮社から注意喚起されたことだろう。
これほどの端的な表現。
私には、この箇所をどう修正すればよいのか分からない。
顎に手が触れてもNGな時代。
センシティブな社会ではこれからも表現や言葉が狩られていく。
そんな時代を嘆く私は、やがて聾桟敷に追いやられるだろう。
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