新しいBMWデザインに絶望して、3シリーズ(G20)を買うことにしました。

BMW の新しいコンセプトデザインに関するニュースが飛び込んできました。「ノイエ・クラッセ」です。オリジナルの「ノイエ・クラッセ」を現代風に解釈した形らしいです。

ここ数年、私はBMWから離れていました。その理由のひとつがデザインの異変です。ノイエ・クラッセの直前に存在した、大型キドニーグリルやゴテゴテした品の欠片もないデザインです。4シリーズ(G22)や5シリーズ(G60)、7シリーズ(G70)を筆頭にSUVにも採用されており、ここ3年(2022年から2025年あたり)にモデルチェンジした多くのモデルで採用されています。3シリーズは運良くこの世代を回避したものの、LCI で1段飛ばしにノイエ・クラッセのエッセンスをたっぷりと取り込みました。この2世代のデザイン言語の境目はあいまいで、5シリーズ(G60)などはその両方の影響を強く受けたようなデザインになっています。

私は3シリーズで言うところの E30 / E46 / F30 の世代は好きですべて所有していたことがありますが、E36 / E90 / G20 はいまいちピンときませんでした。5シリーズも同様です。そのため F30 を降りてからは車への熱意が下がっていましたが、その一方でひそかに次の世代には期待を持っていました。1世代ごとに私好みなモデルが登場するという経験から、次のフルモデルチェンジで私好みのデザインで登場すると期待していたからです。

しかし、次なるデザインコンセプトの「ノイエ・クラッセ」の登場により今後の BMW にも期待を持てなくなってしまいました。比較的マシだった 5シリーズ(G30)は既に G60 へ進化して絶望。比較的マシだった 3シリーズ(G20)も LCI で「ノイエ・クラッセ」へ明確に一歩近づいており、その時点で異変を感じていた人も多そうです。私が勝手に信じていた「保守的なBMWデザインが1世代ごとに帰ってくる」という希望パターンは潰えてしまいました。期待するとすれば、更にもう1世代先。次の次のフルモデルチェンジということになりますから、約10年後と言って良いでしょう。

現在のBMWデザインに関しては、車にあまり興味のない妻も苦言を呈するほどでしたが、新しい「ノイエ・クラッセ」には更に驚愕していました。「格好良くない」「地味」「安っぽい」程度であれば、選択肢に十分入りました。しかし、所有していて苦痛に感じるような外観は流石に候補から外さざるを得ません。

今のうちに最後のBMWを買って置いたらどうか?

BMWの迷走と聞けば「またか」という印象を抱くものです。直近で経営危機を乗り越えた際には経営陣をガラリと大きく入れ替えるなど、順風満帆で長く安定を保っていたメーカーではないからです。元々内外装の質感が高いメーカーではありません。とはいえ、最近は醜悪なデザイン(個人的な感想です)を連発していることや、車にお金をかけないと心に決めたばかりです。国産車への乗り換えに挑戦しては失敗を重ねていますが、挑戦は続いています。

そんななかで「今のうちに真面なBMWを買っておいて、しばらく乗り続けたら?」と妻から提案されるのは自然な流れでした。

もちろん車にお金をかけないという決断をしたのであれば、国産車が選ぶべきです。しかし、残念ながらセダン自体が絶滅寸前です。トヨタ・レクサスは、私たちが嫌うゴテゴテしたデザインの筆頭ですし、日産のデザインは理解も許容も困難、ホンダはトイ系のガジェットやオモチャっぽいデザインで好みではありません。外観の好みは置いておいて、一応 レクサス・IS や 日産・スカイライン は スポーツセダン と呼ばれます。しかし、入力と車体の動きがチグハグで緩い典型的な昔ながらの国産セダンらしい動きをしており、とても乗る価値は感じません。この2台に比べればマツダ3の方が気持ち良いので、プラットフォームがかなり古いことも影響しているかもしれません。いずれにせよ私が期待するスポーツセダンとは別物です。セダン以外の背の低い車となると、目も覆いたくなるインテリアのレヴォーグか、おもちゃのようなデザインのシビックくらいしかありません。セダンではありませんが、プレリュードが見た目だけでも上質とか高級感を持って登場してくれれば良かったのですが、シビック同様のおもちゃ系デザインです。国産車は「安くて丈夫」が生命線ですから、おもちゃ系デザインとの相性は良いと思いますが、いまひとつ私には響きませんでした。消去法でプリウスが一番マシでさえあります。

これまでの私の車趣味における出費の大半は乗り換え費用でした。新車を買うこともあれば、古い車を買ってレストアして乗ることだってありましたが、トータルで振り返れば乗り換え費用が圧倒的な割合を占めています。国産車であってもコロコロ乗り換えていては、結局大した節約にはなりません。特に新車は1年目の値落ちが顕著ですから、毎年乗り換えるという行動は非常にコスパが悪いです。実際に CX-60 は500万円で買って1年半で270万円で下取りに出しています。毎年100万円クラスの故障が発生したとしても、輸入車に乗り続ける方がずっと節約になります。

最後のBMWを買う

電動化が進むようで進まない混迷の時代に、更にデザインで迷走したBMWが、いつまた私の好きな車を登場させてくれるか未知数です。そもそも車にお金をかけないと決めたわけですから、このBMWを最後に次こそは満足いく国産車を選びたいところです。

悪い言い方をすれば今回の車は繫ぎの1台ですが、良い言い方をすれば最後にスポーツセダンを楽しむチャンスがやってきたわけです。候補はセダンですが、もう既に新世代デザインの G60 / G70 などは夫婦揃って許容できないレベルの外観をしています。また最大でも2名乗車の我が家には大きすぎます。今の車庫は奥行きが短いため全長5メートル級の車を入れると、後ろから荷物の積み下ろしをするのに手狭です。もちろん中古です。そうすると、自然と今では希少なコンパクトセダンである G20 に候補が絞られます。G20 はLCIでノイエ・クラッセ風に近づいているため買うのであればLCI前です。4シリーズも、あの巨大キドニーグリルさえなければ良い検討候補です。デビュー時点で想像していた通り、社外からキドニーグリルを小型化するバンパーなどが登場しているものの、「後付け感」が強く自然な仕上がりとは呼べません。昔は快適性とスポーツ性のバランスが優れた5シリーズの方が好きでしたが、流石に5メートル級になった今の5シリーズは大きすぎます。最後のスポーツセダンを楽しむという意味でもコンパクトな3シリーズを選択することになりました。

G20の購入プラン

そうして付き合いのあるBMWディーラーに声をかけ、条件のバッチリ合う G20 を待ち続けてきました。

  • 320d Mスポーツ

  • サウンドパッケージ

  • ハイラインパッケージ

  • ファストトラックパッケージなし

  • サンルーフなし

その他に細かな条件はありましたが、外せない条件は以上の通りです。中古ともなればかなりお買い得な M340i に惹かれるところですが、節約の大敵です。CX-60 では30km/Lを超えることも珍しくないくらい、ディーゼルエンジンとは相性の良い土地に住んでいる点も見逃せません。320d の熟成されたシンプル極まる B47エンジン と 8速AT の組み合わせは長期保有するうえで有利です。その昔ぼろい車を買っては直して、直し終えたらまたぼろい車を買うというサイクルを繰り返していたことがある私からすると、この 320d のエンジンルームの様子は魅力的です。更に、M340i をあっさりと諦められた理由のひとつにBMWの6気筒エンジンにそれほど惹かれないという点もあります。私はBMWの6気筒エンジンは M20 / M30 を除いてそれほど好きではなく、むしろ同世代で比べたときに4気筒エンジンの方が好みです。例えば M54エンジン は素晴らしいですが味付けがしつこく、N46エンジン の方が静かで滑らかでずっと気持ち良いです。もちろん6気筒エンジンの魅力もありますが、あえて選ぶ必要性は感じません。ディーゼルはまた話が変わりますが、残念ながら6気筒ディーゼルは日本では設定がありません。

サウンドパッケージは防音ガラスのために選択。後から取り付けると割高なうえ、オーダーから取り付けまでとんでもなく待たされます。ハイラインパッケージは内装がチープなBMWでは必須の定番パッケージです。こちらも後付けが現実的ではないため購入時点で装着車を選ぶ必要があります。サンルーフは故障、騒音、運動性能、実用性無しの絶対に避けたい装備です。Mスポーツは嫌いですが、中古ともなるとMスポーツ以外の選択肢の方が希少です。LCI前ともなれば、そろそろダンパーやマウント類をリフレッシュしても良い頃合いですから、買ってからスタンダードなサスペンションパーツに置き換えれば十分です。そのためには EDC が装着されるファストトラックパッケージは避ける必要があります。

純正ランフラットタイヤは交換が必要です。タイヤはこれまでミシュラン一択でしたが、最近はいろいろ試してみるのも良いと考えるようになりました。CX-60 であえてインチダウンして純正装着のヨコハマ・ADVAN V61 を装着しましたが、その出来栄えが想像以上でした。長らくミシュランばかり履いてきて、時折国産タイヤを味見するために POTENZA や REGNO を装着していましたが、ミシュランはゴム。ブリジストンは樹脂ブロックでも履いているような印象で国産タイヤの印象は悪かったです。

とりあえずブリジストン・ヨコハマは味わいました。トーヨーは CX-60 の純正装着で味わった程度ですが、そもそもコスパ重視の印象が強いため候補に入っていません。となると次はダンロップです。タイヤは一番良いやつを付ける派ですので、SP SPORT MAXX 060+ と SPORT MAXX LUX が候補になります。前者はウルトラハイパフォーマンスタイヤ、後者はプレミアムコンフォートタイヤだそうです。ダンロップの一番良いプレミアムタイヤは VEURO のイメージでしたが、プレミアム路線は SPORT MAXX LUX に移行しているようです。名前に「SPORT」と入っており、評判などを見るにおそらくミシュラン・パイロットスポーツくらいの位置付けか、ややコンフォート寄りと推測できます。パイロットスポーツは数えきれないほど履いてきているので、相性は良さそうです。足回りは納車後に味わいつつ検討しますが、タイヤは納車時に履き替えます。

足回りのリフレッシュとタイヤを交換したとしても、5年落ちのBMWとなればビックリするほど安価です。差額で豪華な旅行に行けるレベルです。私が知る限り、ずっとBMWのリセールバリューは低いです。改善しようとはしているはずなので、日本車という圧倒的な信頼感を持つ選択肢が一番安く手に入る日本では、価値は落ちざるを得ないのかもしれません。

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