【lifestyle】優れるな、異なれ!
私は建築の設計を生業としている。
私は自分で言うのもおかしな話だが、子どもの頃サッカーが上手かった。
小学1年生から高校3年生までひたすらサッカー漬けの日々を送っていた。
小学4年生のとき、市内のサッカー少年を集めて代表チームを選ぶセレクションが行われた。なんとなしで参加してセレクションだったが、そこで見事選ばれることができた。小学生の自分が、今世の中でどのサッカーレベルにいるのかすら分からなかった。市内の大会では優勝を数多く取っていたので自然と代表チームのコーチに目が留まっていたのであろう。
30人程度の市内の優秀なサッカー少年が選ばれた。代表チームは小学5年から6年の2年間、毎週1回の夜間の練習と週末の遠征が組まれていた。
基本的には30人のメンバーを同じくらいの力量やポジションのバランスを考えて2チームに分けて遠征に臨む。人との関わり方や挨拶、サッカーに取り組む真摯な姿勢、モノを大切にすること、コミュニケーションの取り方、仲間を大切にすることなどサッカー以外の人としての指導もしっかりしていてここで多くのことを学んだように思う。
小学6年生にもなると全国大会に向けて少し本気度増してくる。目標は県大会を勝ち上がり、全国制覇である。今までの練習相手も全国でも強豪と言われるチームばかりで全国で戦える実績は積んできた。
チーム編成も今までの平等感から、一軍と二軍という感じて全国大会に向けて最強のメンバーを選抜していく流れになっていく。
このとき私は一軍の補欠という曖昧な位置づけをされることが多かった。周りのメンバーは着々と実力をつけて、どの選手も優秀なプレイヤーばかりだった。中にはプロサッカー選手まで上り詰めた人もいる。そんな中で私は1軍には入るものの補欠メンバーとしてたまに試合に出させてもらう程度だった。
小学生ながらにこの世界では通用しないな。と悟った。
と言うか、試合に出れないのが悔しかったし恥ずかしかった。
小学生だから両親もわざわざ遠方まで試合を見に来てくれることも多かった。にも拘わらず試合には出れずなんだか申し訳ない気持ちでいっぱいだった。しょぼんとしている自分に母親は「試合に出れないくらいでしょぼしょぼするな!」と喝を入れてくれたがやはり出来れば来てほしくなかったのが本音だ。
結局チームは惜しくも県予選で敗退し、実力を発揮できぬまま終わった。
その後の進路を考えたときに、チームの監督からはJリーグの下部組織に行くように勧められた。より優れた環境に身を置くことでまだまだ伸び代があると思われたのであろう。推薦枠まで用意してもらったが私はお断りした。地元の公立中学に入学し、弱小サッカーチームでサッカーを続けた。
高校も公立高校のサッカー部に入り、部活に専念した。決して強いチームではなかったが私には仲の良い仲間と切磋琢磨しながら成長できればそれでいいと思えたからだ。
プロサッカー選手を本気で志している人は、強豪チームに所属して厳しい練習に耐えて、試合に出れない日々もひた向きに練習に励む努力を惜しまない。そんな姿をみると本当にすごいと思うし、その志は本当に美しい。
ただ私は小学生の代表チームでの経験から、一流のトップを目指し、その第一線の戦場に身を置くことに魅力を感じなくなった。私には向いていない生き方だと悟ったのだろう。
むしろ、激戦を戦い抜くのではなく、自分なりの生き方で自分なりのゴールに向かって生きていく方が性に合っていると気が付いたのだと思う。
社会人になって就職した大手企業では営業をしていたが、優れた同期がたくさんいたし、上司には百戦錬磨のような営業マンがわんさかいた。そんな中で期待はされていたもののやはりこの世界では通用しないと悟った。
会社員を辞め、本当になりたかった建築家になるべく自分なりの人生の軌道修正をはじめた。
なるべく人と比較をしない、自分なりのゴールを定めて色々な選択をしてきた。転職も今まで3回している。逃げと思われるかもしれないが私は自分なりの目標に向かって人と異なる生き方を選んできた。
タイトルに記した
「優れるな、異なれ!」
は、オリエンタルラジオの中田さんが語っていた言葉である。
最近SNSのショート動画でたまたま流れてきたのだが、これだ!と思った。
私は特別中田さんの活動を知っている訳ではないし、YouTubeなどもほとんど見たことがない。
ただこのフレーズだけは、自分が目指していた生き方を明確な言葉でしかも端的に言い表されいて胸に刺さる言葉だった。
どの人にも共通する人生訓ではないかもしれない。
しかし私に実にストンと心に沁み込む言葉であった。
私は、今建築の設計の仕事をしている。
建築業界、特に住宅業界は今完全に冷え切っている。
数少ない仕事の奪い合いが過熱している。
そんな中で私は他の人と同じ土俵で勝負するのではなく、違った視点で勝負していきたいと思っている。性能やコストと言った誰しもが勝負する環境から、クライアントを違った視点で魅力して通常とは異なる世界へと導くことで結果を残していきたいと思っている。
こういった私の根源的な考え方には小学生の頃の経験が大きく影響しているように思う。
色々な生き方があるから、自分の生き方は自分で決めればいい。
ただ人と異なることで自分を見出す生き方も一人の人間の生き方だと私は思う。
ではまた。
