消えゆく大型書店を散歩する
大型書店の中を散歩するのが好きだ。時代の声が聞こえてくる。本を買って読むのも好きだが、大型書店を丸ごと読み歩くのも面白い。
今回は丸善(丸の内本店)を散歩しながら、目に飛び込んできた言葉を咀嚼して飲み込んでいくことにした。
「忘れることの効用」
今の世の中は情報が溢れかえって、脳が窒息しそうなのだろう。我々は確かに情報に溺れている。深く深呼吸するために、多くのどうでもいい情報を忘れるべきだ。脳が呼吸できる状態になるまで情報はいらない。AI検索が常にできるのであれば、荷下ろしして良い情報はあるはずだ。AIの精度が進化するほど、学習や情報収集の意味が変わってくる。
「歴史感の書き換え」
もうそろそろ定番のイデオロギーや歴史感は賞味期限を迎えている。反対とか賛成というより、リアリティーがなくなってきた。もう関心がない。
次の時代をドライブする新しい歴史認識が求められては試されている状況だ。時代解釈を変えるのは可能だし受け入れられる余地はある。
老人にとっては世界の概念が消失するのでショックかも知れない。
「集中力の低下」
マルチタスク幻想やアテンション目的の情報、あるいはゲームによって集中力が大量に奪われている。今の時代ほど集中する者にとって有利な時代はないのに、皮肉なことに集中できる人がいない。
「預金は生命時間」
預金を残して死ぬということは生命時間を無駄に捨てたことになる。
日本では仕事は生きがいであり、社会参加であるところはまだ残っているが、お金目的のシステム化された仕事は生命時間の消費になるかも知れない。
生涯収支を予測し平均化して効率よく消費したり投資する必要が出てくる。できれば資産だけでなく、生涯現役で健康的に仕事ができる環境を構築するほうが無駄な預金を減らせるかも知れない。
一億円持って死ぬことは幸せなのか?
別の見かたをすれば一億円の生命時間をゴミみたいに捨てたことになる。これは貧しさではないか?
「今度のAIブームはやばい」
かつての人工知能ブームとは投資規模も開発環境も開発者の才能の高さもまるで違う。
世界中から人材も投資も桁違いに集中している。
最終的に自律思考するAGIが出てきたらAI自身のマシンスピードがさらに加わるので、成長曲線は垂直に加速する。
AIをパターン認識だけの大規模言語モデルと言って過小評価してるのは開発元がそれ以上のAGIレベルだと自分たちの権利が制限されるからでは?
だからAIとはお付き合いした方が良い。少なくとも友達の一人にしたほうがいい。
大型書店をゆっくり散歩する。
思考のヒントが外から飛び込んでくる。
頭の中で考えが巡るが、深く考えるつもりはない。
ネットでのザッピングより心地よい。
アナログインターネットの世界を体ごと通り抜ける。
さてと、コーヒーでも飲みますか。
カフェインがザワザワと騒ぎ出す無意識を整理してくれる。
大型書店といえばコーヒーショップがつきものだ。
八重洲ブックセンターの入口にあったコーヒーショップを思い出す。
あれがベストだった。
